一期一会 | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。




松見坂にある和菓子屋さん。
飲んだ帰り、店頭に掲げられた「イチゴ大福あり〼」の張り紙につられて寄ってみた。
レジには先客のおばさんがいて、店のおばさんと喋ってた。
他に対応してくれる店の人はなく、俺は、彼女達の会話が終わるのを待つしかなかった。
どれくらい待っただろうか?
その間、俺は店の陳列棚にある煎餅の類を丁寧に眺めた。
セブンイレブンでも売っているようなものもあれば、ここでしか販売されていないようないかにも手焼きっぽいものもあった。
煎餅以外に、クッキーやビスケットのようなものまで売られていた。
煎餅の陳列棚の向かい側には、ガラス張りの冷蔵ケースが置かれ、そこには、常温では保管できないような、生菓子の類が陳列されていた。
おそらくに目的のイチゴ大福も、その中に収められていると思われた。
生憎、先客のおばさんがその冷蔵ケースを目の前にして、それを挟んでケースの向こう側に立つ店のおばさんと話しているから、そっちは遠目に眺めるしかできなかったが。
漸くおばさんは話を打ち切り店から出て行った。
ついに俺の番だ。
俺はさっきのおばさんがそうしていたように冷蔵ケースに近寄りその前に立つと、向こう側の店のおばさんに声をかけた。
「すみません。イチゴ大福2個ください。」
そんな俺におばさんは苦笑すると言った。
「ごめんなさいね。さっきの人で終わっちゃった。」
苺、一会もできず・・・



というわけでオミヤはおこわになりました。
ちなみにここのおこわも絶品です。

ではまた。