さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。

岩手のアンテナショップでは冷凍の殻付き牡蠣も売られていた。

値段は忘れてしまったが、そんなに高価ではなかったと思う。

なんと、冷凍技術の進歩のおかげで、流水解凍、あるいは冷蔵庫で自然解凍で、生で食べられるという。

本当なのだろうか?

俺は、牡蠣は一旦冷凍してしまったら、生では食べられない、というか、食べてはいけないものだと思っていた。

しかし、冷凍といっても、我々が一般家庭で行う冷凍とは異なり、最新技術の急速冷凍なのだそうだ。

これを行うことにより、生きた状態と変わらぬ鮮度を保てるらしい。

なんだか、スターウォーズの話みたいだ。

ハリソンフォードが急速冷凍され、しかし、解凍されたら、普通に戻っていた。

この牡蠣も、解凍されたら、息を吹き返すのだろうか?

科学の進歩とやらを信じ、試しに買ってみることにした。

しかし、後日、家で流水解凍された牡蠣は、ピクリとも動かなかったし、食べてみたら、食べられないことはなかったが、あまりおいしいとは言えなかった。

死んだ牡蠣を食べている、という先入観が、そう思わせたのかもしれないが。

完食するにはたっぷりのレモンと、冷凍庫でキンキンに冷やされたタンカレーロンドン(ドライジン)ストレートが必要だった。

幸い、今のところ体調に異変はないが、たぶんもう買わない。

 

雪塩の本当の姿を俺は知らない。
少なくとも俺が手にした時にはそれは粉雪のように、なんというか、仲が良かった。

きめ細かいのだが、お互いがくっつき合う。
磁石に付いた砂鉄のごときだ。
パラパラッと振りかけたくても、ボソボソッと塊となって落ちてしまう。
もしかしたら、それは湿気ってしまったせいなのかも知れなかった。
元々そういうものなのか、それとも我々の保管に問題があってそうなってしまったのかは、頂き物で、本当の姿を俺は知らない。
封を最初に開けたのは妻で、俺が使った時には既にそんな感じだった。
しかし、密閉して保管してあった。

少なくとも俺が手にした時は、容器の口はぴったりと閉ざされていた。

雪塩とは、パラパラしない、玉になる、そういうものなのかもしれなかった。
雪を握る、握雪音というのがある。キュッキュッって感じの音、触感だ。
雪塩を摘むとそんな感じだった。
しかし、俺はどうしてもパラパラになって欲しかった。

ミックスナッツを買ったのだが、これが無塩だったのだ。

俺としてはもうちょっと塩気が欲しかった。

だが雪塩は玉になってしまい、うまくナッツに絡んでくれない。

どうしても雪塩にはパラパラサラサラになってもらいたかった。
それでふと思いついた。
これをレンジで温めて湿気を飛ばせばいいんじゃないか。
やってみたらパラパラにはならなかった。
逆に余計にくっつき合って、カチカチになってしまっていた。
砂糖を炙ったら飴になったみたいな、そんな感じだった。
しかし、熱々の皿の上でそれをスプーンですり潰すと、理想のパラパラサラサラとした粉塩になってくれた。
気のせいか、塩味も濃くなった気がした。

 

 

後日談がある。

パラパラサラサラになった雪塩だが、使った残りをそのまま放置して一晩たったら、水溶き片栗粉みたいな、液状に変貌していた。

何が言いたかったかって、湿気っていたかと思った雪塩は、決して湿気っていなかったのだ。

雪塩は湿気ると液状化する。

ここ、試験に出ますよ。

 

ではまた。

 

銀座には岩手県のアンテナショップがある。
銀座のお気に入りの焼き鳥屋で飲んだ後、俺は大抵そこに立ち寄る。
この日もその焼き鳥屋で飲んだ後立ち寄った。

 

どうして俺がこのアンテナショップを知ったかというと、話は3年ほど前まで遡る。

その時、俺は、仕事中だったが、なぜか無性に氷頭なますをつまみに呑みたい気分だった。

それを出す居酒屋が、千住大橋にあったが、残念ながらずいぶんと前に店を閉じてしまった。

あれは、どこで手に入るのだろう。

仕事の合間にインターネットで検索したら、岩手のアンテナショップがヒットしたのだ。

そして、それは俺のお気に入りの銀座の焼鳥屋の近所だった。

そうして、俺は氷頭なますを手に入れることができたのだった。

以来、焼鳥屋で飲んだ後はそこに立ち寄ることにしている。

もちろん必ずというわけではないが。


久々に訪れると、以前、陳列されていた冷蔵棚に氷頭なますは見つけられなかった。
売り切れなのか、販売をやめてしまったのか、詳細は分からない。

いずれにしても、この日はそれほど氷頭なますを欲してはいなかった。
あったら買おうかな、くらいの気分だった。

それよりも、ここには、他にもたくさんの岩手の名産品が揃っている。
岩手県の名産品については「居酒屋新幹線」というドラマで勉強済みだった。
そこで紹介されていた商品の多くが取り揃えられていた。
迷う事なく、それらをカゴに入れていった。
ビンドンという牛乳瓶にウニやらホタテやらが詰められ冷凍されたもの以外は。
ビンドン、ピンドンなみに、いや、そこまででは無いにせよ想定以上に高価なものだった。
購入したものの一つがベアレン醸造所が出しているベアレンビールだった。

ピルスナービールで、キャッチフレーズは「毎日出会う未来の親友。」
「ん?」と、ちょっと首を傾げるフレーズではあったが、飲んでみることにした。

もちろん、冷凍庫でキンキンに冷やしたグラスに注いで。

飲んでみると、いつも飲んでいるビールよりグッと苦目で、しかしずっと舌触りが良く思えた。
確かに味蕾の友だわ。
俺はうんうんと頷いた。

 

 

話変わって、東京にある、各県のアンテナショップを巡って、そこのお薦めを紹介するっていうブログ立ち上げたら、需要あるかな?

俺に代わって、やってくださっても結構どころか、感謝です。

 

あるドラマで、ビールはキンキンに冷やしたグラスで飲むのが美味しい。と、紹介されていた。

キンキンに冷やしたグラスに、キンキンに冷やされたビールを注いで飲む。美味しくないわけがない。

しかし、中々それを行動に移せなかったのは、それを用意する手間が面倒だったのと、そこまでして飲まなくても、缶から直に飲んだとして、それ程違いはないだろう、と高を括っていた事もあった。
ある休日の朝、ふと気が向いたので冷凍庫にビールグラスを入れてみた。

幸い我が家では冷蔵庫には通常キンキンに冷やされた缶ビールが1ダースほど保管されている。
グラスを冷凍庫にしまい一時間後、それはキンキンに冷えていた。

冷凍庫から出すと早速グラスは霜に覆われた。
俺はそれに缶ビールをゆっくりと注いでいった。

我ながらこんもりと泡の乗った、ビールのCMに採用されてもいいんじゃないかと勘違いするくらいの素敵な見た目のビールが出来た。
しかし問題はここからだ。
果たして味は?

そんなに違いが出るものなのだろうか?

はたまた、俺にその違いが判るのだろうか?
恐る恐る飲んでみた。


手間と時間を差し引いても、つまり、ここまで準備したのだから、美味しくなっていなければ嘘だ!という固定概念を拭い去っても、それは、少なく見積もっても、いつもの千倍美味しく感じた。
 

以来、ビールを飲むときは、常にこの方法に準じている。

 

 

銀座にお気に入りの焼鳥居酒屋がある。

その店では、毎年この時期、つまり秋になると、恒例の名物串が出る。

松茸串。

合鴨肉で巻かれた松茸が3個、串刺しになり、塩焼きで、酢橘が添えられ、提供される。

皿も、それだけはより高級な別皿となる。

松茸串以外は、目の前に置かれた平皿に、焼かれた順に、ホイホイと乗せられていくのだ。

 

初めてホワイトボードにかかれた特別メニューにそれを目にしたときは、書かれた値段を二度見した。

2500円。

いやいや、串一本に2500円はないだろう。これは無理!。

と、絶対に注文しないと心に決めたものだった。

しかし、店の女の子から、

「今だけの限定ですよ。ほとんど原価提供なんです。」

と、にっこりされると、その決心も鈍った。

そして、隣の、ご夫婦なのか、御年配の男女の二人連れが、なんの緊張感も、躊躇いもなく、それを注文したのも、俺の対抗心に火をつけた。

俺は、競争は嫌いだ、などと言っているが、なんだかんだ負けず嫌いなのかもしれない。

「それじゃあ、私も松茸お願いします。」

と言ってしまっていた。

3年前の話だ。

 

恵比寿に、お気に入りの酒場がまだあったころは、毎回タクシーで通っていた。

そのタクシー代が往復で3000円程だった。

「タクシーやめて歩いたと思えば、2500円なんて安いものじゃないか。」

あるいは、

バーで、ちょっといいシングルモルトをワンショット飲んだだけで、2~3000円はする。

自分で買えば一本750cc6000円くらいのものであってもだ。

「それを思えば、松茸串、一本が2500円だって、それは妥当な値段じゃないか。」

そんな風に、自分に言い聞かせている。

慣れとは恐ろしいもので、以来、逆にそれが愉しみになってしまい、毎年、この時期が来ると、嬉々と店を訪れ、松茸串を食べることにしている。

今年は、妻も連れて行った。

今年は松茸の値段がお安いのか、1本2200円だった。

とはいっても、やはり高級串には違いない。

しかし、それだけに香りも味も素晴らしかった。

妻も偉くそれを気に入ったようで、一本食べ終えるや、俺に訊いてきた。

「ねえ、これもう一本頼んでもいい?」

俺が、なんと答えたかって?

 

 

答えは、タイトル。

 

 

恵比寿にあった「さいき」という酒場が閉店して久しい。
さいきが閉店してからというもの、恵比寿に行くこともめっきり減ってしまった。

全く行かなくなったと言っても過言では無い。
さいきには名物料理がいくつかあって、その一つが海老しんじょう揚げだった。
海老しんじょう揚げもあれ以来、口にしていない。
閉店する前にレシピを教えて貰おうと思っていたのだが、「このレシピは門外不出よ。」と断られるのを恐れて聞きそびれたまま今に至っている。
ネットで調べるとさいきのそれでは無いのだけれど一般的な海老しんじょう揚げのレシピは見つかった。
海老をすり潰しはんぺんと一緒に揉み込み、だんご状にしたものの表面に片栗粉をまぶし、油で揚げると完成するという。

You tubeでは、動画で、その作成から完成までの過程を見ることができた。

しかし、出来上がったそれは、それはそれで美味しそうではあったが、どちらかと言うと揚げかまぼこという感じであまりふっくらとしては見えなかった。
表面カリッ、中ふんわり、がさいきの海老しんじょう揚げだ。
そこで俺は閃いた。
かっぱえびせんを水でふやかし、はんぺんと絹豆腐と一緒に揉み込んで揚げれば、それに近いものができるんじゃ無いだろうか?


早速今週末あたり、実験してみようと思う。
もしこれを目にされた方で時間がおありの方がいらしたら、先に試して下さっても構わないどころか感謝です。結果を教えてくださいね♪

 

という文章を、インスタに上げたら、親切な方からコメントを頂いた。

卵白を加えると、ふっくら仕上がるらしい。

今週末当たり試してみよう、などと言っておいて、結局のところ、試さなかった。

かっぱえびせんの購入すらしなかった。

しかし、かっぱえびせんより、本物のエビを使用した方が、おいしく仕上がりそうだ。

それから、表面カリッ、中ふんわりで、今更ながらに気が付いたが、それって、たこ焼きもそうじゃないか?

たこ焼きのあのふんわりは、山芋だ。

たこ焼き同様、山芋をすりおろしたのも加えると、いいんじゃないだろうか。

エビのすりつぶし、はんぺん、山芋すりおろし(トロロともいう。)それに卵白、これらを捏ねて、丸めて、表面に片栗粉をまぶして揚げれば、さいきの海老しんじょう揚げに近いものができそうな気がする。

 

今週末あたり、試してみよう。

もしこれを目にされた方で時間がおありの方がいらしたら、先に試して下さっても構わないどころか感謝です。結果を教えてくださいね♪

 

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もっと以前、2016年くらいから梅酒作りを始めたかと思っていたが、結構最近、初めて梅酒作りに挑んだのは、2019年の6月のことだった。自分のブログがそれを証明してくれていた。

以来、毎年梅酒を漬けている。

つまり、2019年もの、2020年もの、2021年もの、2022年もの、2023年もの、2024年もの、と、合計6本の梅酒の瓶があっていいはずなのだが、数えてみたら、5本しかなかった。

2019年ものは、すっかり飲み切ってしまったのかもしれない。

記憶が定かでないが、確かに、別の小さな密閉容器に移し替えた覚えがある。

梅の実はどうしたのだろう?

全部食べたのかな?

まあいいや。

今年の梅酒も完成した。

 

お気に入りのショットグラスだったが、グラスの縁を欠いてしまっていた。

浅草に、そういったグラスを研磨して修理してくれるお店がある。

以前、バカラのグラスの縁を欠いたときにお世話になった。

今回も、そこにお願いしようかとも思ったのだが、傷は結構深く、研磨したとしたら、グラスの高さが今の3分の2くらいになってしまう。

それでグラスとしての役割を果たせるか、疑問だったし、何より、見た目が悪くなりそうだった。

どうしたものかと、それからずっと長いことそのまま放置していた。

5年以上になるだろう。

捨ててしまうには忍びなく、一つの飾りとして棚に放置され、すっかり埃を被った状態だった。

金継ぎの事を知ったのは、最近の事だった。

ああ、ちょっと言葉が足りなかった。

自分で出来る金継ぎについて知ったのは、最近のことだった。が、正しい表現だ。

本来のプロが行う金継ぎとはかけ離れているらしいが、少なくとも欠けた空間を埋めることはできるという。

道具は100円均一ショップで全て揃うらしい。
俺は近所のダイソーに、仕事帰り足を運んだ。

知り得た情報の通り、ダイソーには必要なもの全てが揃っていた。

耐水性紙やすり#400、エポキシパテ耐水性、瞬間接着剤、耐水性絵の具。

それらを全て購入しても500円にも満たなかった。
家に戻ると早速欠けたグラスを手に取り、金継ぎに取り組んだ。
紆余曲折あったが、それから3日後、なんとかそれは完成した。
パテが完全に乾燥するのに3日を要したのだ。
完成したそれは、手前味噌だが悪くなかった。
少なくとも、口をつけた時に唇を傷つけずに済む。
これに最初に注ぐべき酒は何かな?
しかし、あまり悩むこともなくグレンフィディックを注いでいた。
久々にお気に入りのショットグラスで飲んだグレンフィディックは、いつも以上に美味く思えた。

 

 

あれ以来、ストレートで飲むことが多くなって今に至っている。

ここのところ、外に飲みに行くことは、めっきり減ってしまった。

代わりに名産物やら、珍味やらをお取り寄せすることが多くなった。

この日は、取り寄せてあった馬刺しユッケをつまみに呑んだ。

馬刺しユッケを解凍し、それに卵黄を乗せた。

卵白が余った。

それを利用してカクテルを作ってみることにした。

お気に入りのドラマに「バーレモンハート」というものがある。

アマゾンプライムビデオで見ることができる。

そこで卵白を使用したカクテルが紹介されていたのだ。

今の今まで、カクテルに卵白を使用した経験はなかったし、卵白使用のカクテルを外のバーで飲んだこともなかった。

はたしてどんなものなのだろう。

ドラマでは二種類のカクテルが紹介されていた。

青色のカクテルと、赤色のカクテル。

まずは青色の方から作ってみることにした。
ドライジン、ブルーキュラソー、卵白、それにレモンジュースを少々、それらをシェーカーに入れ、氷を加え、シェイクする。

できあがったそれは、悪くない見た目に思えた。

飲んでみたら、我ながら美味かった。

卵白の生臭さが残るんじゃないかと、ちょっと心配だったのだが、杞憂だった。
飲み終えると、今度は赤色のほうに取り掛かった。
ドライジン、卵白、グレナデンシロップ、それにレモンジュースを少々。

ブルーキュラソーがグレナデンシロップに変わっただけで、他の成分に違いはない。

これも、また美味しかった。

馬刺しユッケは、冷凍庫にあと二袋残っている。

今度は緑と紫を作ってみよう。

 

 

ちょっとした情報を得た。
安い鰻も緑茶で煮込んで、水洗いして、それから醤油と味醂と酒で煮焼きにすると見違えるように旨くなるという。
緑茶で煮込むというのは初耳だった。
生憎、我が家には茶葉が無い。
茶葉と一緒に煮込むのが推奨されていたが、無いのだから仕方がない。

代わりにペットボトル入りの伊右衛門で煮込むことにした。

500ccくらいで事足りるだろうと踏んでいたのだが、鍋が大きすぎたのか、それでは鰻が十分に浸らなかった。
話が逸れるが、俺は風呂は肩までじっくり浸かるタイプだ。

半身浴とかあり得ない。

足湯だけなんてもってのほかだ。
鰻もじっくり緑茶の風呂に肩まで浸からせてあげたかった。
結局の所、伊右衛門まるまる2リットル分を使っていた。
そうして煮込む事10分。
それから鰻を冷水につけ、今なお残る表面の汚れを洗い落とした。
緑茶で十分に煮込んだというものの、表面の滑りや油はまだ残っていた。
綺麗になったところでフライパンに入れ、醤油と味醂と酒で煮焼きにした。タレが煮詰まってきたところでブランデーを振りかけフランベにした。
勢いよく上がる炎が鰻の持つ泥臭さを一気に浄化してくれたように思えた。
それからご飯を敷き詰めたお重に移し山椒をたっぷり振りかけた。
果たして美味しくなっているのだろうか?
念のため紅生姜も用意した。
以前、緑茶無しで作った時、あまりの泥臭さに閉口した。

その時に紅生姜と一緒に食べれば、いくらかそれが軽減されると発見したのだ。
さて、どんなものだろう?
恐る恐る口にしたそれは、実にびっくり!
先日の冷凍鰻と同じものを使ったというのに、格段に美味しくなっていた。
紅生姜要らず。
みゆきさん、ありがとう。
あ、それは役名だった。
栗山千明さん、ありがとう。