5月3日、秘境の実家に車を走らせていると、
新緑の山に混じって紅葉したように黄色く
見える箇所がある。
近くまで行くと、折からの風に吹かれて
バラバラと細い葉が落ちて来る。
竹林だった。
『竹の秋』という季語がある。
竹やぶに筍が生える頃、竹の葉は黄ばんで
かすかな風にはらはらと散る。
だから『竹の秋』は、晩春の季語である。
これに対し『竹の春』は、秋、竹の緑が
もっとも美しく葉が茂っている時期を
さす言葉である。
一見矛盾しているように思える季語だが、
目の前で盛んに葉を落としている竹を
見ると、妙に納得した。
さて、実家の竹林の筍は何十年も、地下に
ある間に猪に食べ尽くされて、1本も採れ
ない状態が続いていた。
今年も当然同じだろうと思っていたら、
弟が突然鍬を持って「筍を掘りに行って
来る!」と出掛けて行った。
心の中で「無理無理」と思いながら待って
いると、「大漁だ!」弟が沢山の筍を
袋に入れて帰ってきた。
考えて見れば、幾ら猪が専門で竹林を掘り
返しても、根こそぎ筍を掘り返してしまう
のは至難の技だ。
今年は、猪も大分目残りの筍が出来たのだ
ろう。
筍は大小合わせて、全部で10本あった。
早速皮を剥いて、糠を入れずに煮て行く。
掘り立ての筍は、糠を入れないで煮ても
えぐみはないと教わった。
いい色彩に煮上がったので、庭の木の芽を
叩いて香りを出してのせた。
先月、「筍は幻……」の句をアップしたが、
皮肉なことに季節が夏に変わってから、
こんなに立派な筍に出合えるなんて……
来年は、鍬を持って筍を掘り取り、凱旋
将軍の如く持って帰ろう!
そのとき、みずみずしい筍の俳句を何句も
詠めることを、切に願っている。
※秘境の景色は、すっかり緑一色に変わり
ました。
目に鮮やかな新緑と、オゾンに包まれた
三日間は、いっぱいの元気をくれました。
※ 緑色と言っても、黄緑、さ緑、深緑等々
決して一色ではありません。
少し赤みを帯びている木は、梅の木なので
6月には梅酒を作ろうと思います。

