
5月22日(金)
お茶摘み当日
朝はまだ霧のような雨が降って
いる
昨夜Mくんがブロワーで飛ばし
た水滴を今朝ももう一度飛ばさ
なければならない
それでも、なぜか私には根拠の
ない自信があり、今日は必ず
全て済ませることが出来ると
空を見上げて思う
朝食を済ませ、Mくんの軽トラ
に乗り込み茶畑を目指す
母には家で待ってもらい、
ある程度摘めたらブルーシート
に広げて選別してもらうことに
した
私の強い念波が空に届いたのか、
雨は茶畑に着いた時からは一滴
も降らなかった
今年は初めてMくんと二人だけで
全てのお茶を刈らなければなら
ない
今までは、YくんやMくんの
長女夫婦など助っ人が来てく
れたが、今年は平日に予定を
組んだからそれは無理だ
「お茶摘み開始!」
緑一色の茶畑にMくんのSpotify
から軽快な音楽が流れる


茶畑の一番奥から、それぞれの
列を決めて大きな鋏で刈っていく
袋に一杯になったら移し替え、
永遠に思えるような作業が続く
Mくんは自分自身がお茶刈りの
機械にでもなったように、サク
サクと見事な速さで刈って行く
逆立ちしても追いつけないのは
わかっているから、私はペース
を崩さず自分の列を刈る
Mくんが1列済ませる頃に、
やっと半分しかいけないけど、
焦りは禁物
1人で刈るよりは何倍もましだと
思う
少し刈る時期が早いのではと
心配していたが杞憂に過ぎな
かったようだ
よく育った茶葉は艶々とよく
伸び、刈られるのを待っている
半分ほど刈った頃、林道を1台
の軽トラが走って来て停まった
Mくんが傍まで寄って挨拶を
している
ご近所のSさんと息子さんだ
息子さんはMくんより5歳若い
普段は東京に住んでいるが、
時々帰って来て、草刈りを
したり、運転を止めたSさんの
通院に付き合うこともある
笑顔の素敵なイケメンの息子
さんだ
「向こうの山に猿が出ていました
よ」
親切に教えてくださる
しばらく話して、車は去って
行く
「運命共同体だったよ」
「?」
Mくんの言葉の意味を掴みかねて
いると
「一昨日、我が家に猿が出た日に
Sさんの畑でも馬鈴薯が全滅
したらしいよ」
「えっ?あんなに何もかも取って
行った日にSさんの畑まで荒らし
たの?」
全く、猿の強奪ぶりには恐れ入る
その後はピッチを上げて、2人
黙々と刈って行き、午後1時には
全ての茶葉を刈り切った
「やったね!」
まさにハイタッチでもしたい
気分だ

団体の勝利ではなく、お茶刈り
マシン1号と出来損ないマシン
なまちゃん号の勝利である
お昼を食べたら、母と3人で
ゴミを取り除く作業に専念しよう











