句作その69……白牡丹(吟行の日の続き) | まりんぼったの独り言

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ヨウムのまりん(2000年生まれ)との日々…
笑ったり、怒ったり、ひたすらにぎやかな日常の中で、私(なまちゃん)の日々も流れて行きます。
調子に乗って、俳句、短歌、川柳、小説なども。
秘境に1人暮らしをしている母も93歳になりました。



 春の昼侍屋敷の白牡丹


 季語……白牡丹(はくぼたん)




 牡丹園の老女に別れを告げ、丁度正午頃に
 侍屋敷に通り掛かった。
 一般公開されているので、係の人に挨拶
 して中に入る。

 大名屋敷ではないから、ごくごく普通の
 侍屋敷なのだろう。
 表玄関と内玄関があり、座敷も家族用と
 客用に厳密に分けられている。
 家族用だけで6部屋、28畳に相当する。


 台所は、土間に土製の竈(かまど)が据え
 られている。
 隅に竹製の網を張った大きい入れ物が
 置いてある。
 「あっ❗これは籠じゃないかな?」
 いち早く見つけて知ったかぶりをした
 ら、とんだ大間違い!

 
 説明を読むと「蝿入らず(はいらず)」
 食べ物に蝿がたからないように、入れて
 おく戸棚のようなものだった。
 「いくら何でも、その中に人間は入れな
  いだろう」
 面白がっている家人を置いて、中庭に出
 た。

 こじんまりした中庭には、濃い紫色の
 牡丹が散り掛けている。
 瓦でぐるりを囲んだ白い牡丹がひときわ
 目を惹く。

 
 他にも杜若(かきつばた)や、色違いの牡丹
 がたくさん植えられていて、手入れされて
 いる。
 ここには盗掘の魔の手も伸びないのだろう
 か?

 うっとりするような春の日差しを浴びな
 がら見て回ると、平日なので見学者も
 全く無く、タイムスリップして、江戸
 時代に戻ったような気になる。

 
 大小の刀を差した侍が、お城の役目を
 終えて「今帰った!」と家人の迎えを
 待っている……そんな幻を見てしまいそ
 うな春の午後である。


 



 牡丹の艶(あで)やかさに言葉は無用……