前回の続きです。
「ディズニープラス」で
ディズニーアニメーションを視聴しようとしたら
視聴前に
こんな注意書きが表示される作品がありました。
※アプリ画面より引用※
一瞬何事かと
ギョッとしてしまった笑
よくよく調べてみると
この注意書きが
視聴前に表示されるのは、
今のところ以下の作品みたいです。
・ダンボ(1941)
・ピーター・パン(1953)
・わんわん物語(1955)
・スイスファミリーロビンソン(1960)
・ジャングル・ブック(1967)
・おしゃれキャット(1970)
ネット記事によると
”これらはいずれも
ある特定の人種の特徴を
やたら誇張して差別的な表現をしている”
とかなんとかで
ディズニープラスでは視聴前に
この注意書きメッセージを
掲載するようになった模様。
そのアニメ作品の中には
近年、実写化された作品があります。
実写化にあたっては
”そのあたりの描写”も変わっているのだろう。
「アニメ」と「実写」で比較して見てみると
”昔”と”現代(いま)”で
モノの考え方や価値観の
どんなところが変わったのか、
明確に分かるのでは?
といことで
その観点に注目して感想を書いてみました。
※だいぶネタバレありです※
※あくまで個人の感想ですYO※
ダンボ
アニメ(1941)⇒実写(2019)
実写版の監督はティム・バートン氏
流石のティム・バートン氏。
とにかく画が綺麗です。
そしてストーリーはアニメと実写で大分違います。
実写版では
テーマは”家族”に
かなりフォーカスされています。
登場キャラもかなり違って
逆にここまでガッツリ変えた勇気を称賛したい…!
アニメと大きく違った点は
・ダンボの良き指導者である
ティモシーの役目を
サーカス団の家族が担っている
・ダンボとサーカス団の家族の交流を描いている
・陽気なカラスさん達は出てこない
・ラストに強烈なメッセージ性がある
とにかくラストが私的に衝撃でした。
アニメ版では、ラストの展開は
サーカス団のVIP車両に乗った
母のジャンボさんと
お空を飛んでいるダンボが
楽しそうにしてる~
みたいなラストでしたが
実写版は
まさかのダンボ親子は
サーカスを脱退(?)し
自然界に戻るというラスト
大自然の中で
野生のゾウさんたちと一緒に
楽しそうに暮らすダンボと母の画で終わるという、
、、、なんという展開じゃ!(笑)
近年、サーカス、動物園、水族館等々での
動物さんたちの扱いについて
いろいろ意見あるもんね……
そういった時代性を考慮した展開なんだろうか?
(ただの憶測だYO)
何という強烈なメッセージや…!
ピーター・パン
(実写タイトル:ピーター・パン&ウェンディ)
アニメ(1953)⇒実写(2023)
※実写はディズニープラス配信
実写版の監督はデヴィッド・ロウリー氏
実写版は
ピーター・パンとフック船長との関係性に
フォーカスされています。
ただストーリーはアニメも実写も大筋一緒。
アニメ版ではかなり特徴的だった
インディアンの方々の描写ですが
実写版では
やっぱり描写が全然変わっていました。
そして
”女性陣の扱い”も
かなり変わっていました。
アニメ版では「守られるお姫様」的な
立ち位置だったウェンディと
インディアンの族長の娘である
タイガー・リリーですが
どちらも剣を取って海賊と戦うのが
めちゃくちゃ象徴的…!
タイガー・リリーちゃんなんか
めっちゃイケメン女子になってて
誘拐犯を逆に
返り討ちにしそうな勇猛さで
まさしく”タイガー”の名に
ふさわしい女子になってました笑
実写のアラジンにも通じる
女性陣の扱いの変化ですね。
あとアニメ版では
ピーター・パンは
自信満々な男の子って感じで
ロストボーイズたちを
しもべ的に扱っていた彼ですが
実写版では
ロストボーイズたちと
対等な関係性(友達のような)が強調され、
さらにピーターも子供らしく
人並に悩みを抱えていて
弱さも見せる、といった側面が描かれていて
とても印象的でした
あと地味にビックリしたのは
ティンカーベルちゃん🧚
アニメ版では
マリリン・モンローさん的な
ビジュアルでしたが
実写版は黒人の方が演じておられます。
さらにビックリは……
性格が
めっちゃ良い子なんですよ笑
アニメ版では、序盤これでもか!ってぐらい
ティンクはウェンディに
嫉妬ゆえの嫌がらせをするのですが
実写版ではそういうのは一切なく、
最初からウェンディたちを助けてくれる
普通にめっちゃ良い子でした。
しかも最後には
二人は気持ちが通じ合って
妖精であるティンクの声がウェンディにも
聞こえるようになるという素敵展開
なんて優しい世界なの、、!
こういうのも
今と昔で
世の中の空気が
変わったなぁという感じがしますね。
ただ、実写版で気になったのは
【印象に残るシーン】が
軒並み無くなっていたこと。
例えばアニメ版では
・愛嬌あるナナちゃんの賢い子守り描写
・ビッグベンの時計の針を踏んづけて
時間を進めちゃうピーター
・タバコの煙で地図を指し示すフック船長
・鳥の毛を剃っちゃう髭剃りスミ―
などなど。
大人になっても覚えているぐらいの
超インパクトある演出の数々があったけど
実写はここまで強烈な
印象を与える演出は無かった気が。
こう考えると
アニメ版の演出って
子供が見ても強烈な印象を残す
本当に秀逸な演出だったんだなと
あらためて思いました。
”誇張”もやり過ぎは
不快感に繋がるけど
ある程度の
許容される誇張を盛り込まないと
”人の記憶に残らない”っていう
弊害もあるんだなって思いました。
塩梅が難しいんだなぁあああああああ!
わんわん物語
アニメ(1955)⇒実写(2019)
※実写はディズニープラス配信
実写版の監督はチャーリー・ビーン氏
わんわん物語のアニメ版で
物議を醸していたのは
”シャム猫”ちゃんたちの描写。
吊り目で出っ歯、砕けた英語喋り、
そしてシャム猫たちが歌う曲調が
「如何にも”ある特定の人種”を示してる!」
ということで物議になっていたようですが
(子供の頃はそこまで意識回らなかったけど
大人になってから冷静に見ると
確かにちょっと、、と思うところある描写)
シャム猫ちゃんたち、
実写版ではどうなったのでしょう?
結論
普通の猫ちゃんになってたw
さらに
歌の曲調が全然変わって
めっちゃポップになってるwww
まぁ、そうなるわな。
あと地味な改変は
・セレナおばさんは子守ではなく
犬の世話のためにやって来る
(確かにアニメ版の、小さい赤ちゃんを残して
両親ともども出張は少し展開に違和感あった)
・収容所のワンちゃんたちが
その後、幸せになった描写がある
など。
ここでもやっぱり
”優しい世界”になっていました
良い時代になりましたね…(?)
ジャングル・ブック
アニメ(1967)⇒実写(2016)
実写版の監督はジョン・ファヴロー氏
これも
キング・ルーイさん達の描写が
「ある特定の人種の~」
という事だったようですが
私はそれより実写版のラストが
めっちゃビックリしました。
実写は、
モーグリが人間の村に帰ったかどうかまで
描写されないんですよね。
彼はその後、
人間界に戻ったのか、そうではなかったのか、
分からないエンドに!!
アニメは
彼が人間の村に行っちゃったところで
終わったので
この改変は結構ビックリしました。
ちなみにアニメ版では
ラストに出会う村の女の子が
歌を歌うのですが
実写版ではそれも丸々カット
それもそのはず
その歌の歌詞は
父は狩りに、母は家で料理、
水汲みは私の仕事
素敵な方と結婚して娘が生まれたら
私は家で料理して、娘が水汲みの仕事をする
みたいな内容を繰り返し歌うというもの。
親から子へ、
同じ人生が繰り返されていくことを
歌った歌詞なのですが
大人になった今、冷静に聞くと
んん…?と感じる歌詞であるという。
こう思うようになったのも
現代において価値観が変わったなぁと
感じました。
番外編
ピノキオ
アニメ(1940)⇒実写(2022)
※実写はディズニープラス配信
実写版の監督はロバート・ゼメキス氏
番外編として
ピノキオもご紹介。
これは先の注意事項は
表示されないのですが
改変された演出が結構ありました。
なんといっても
プレジャーアイランド(遊園地)の描写が
めっちゃ変わった!
アニメ版では
インディアンらしき人形が
子供たちにシガレット(タバコ)をばらまく
トンデモ描写もありましたが
もちろん実写版では
そんな描写は無くなっており(笑)
そもそも
タバコを吸う描写が丸々無くなってます。
アニメ版では
タバコの煙をすっごい吸い込んで
気分悪くなるピノキオの顔とか
めっちゃ記憶にあったのですが
それもごっそりカット!
さらにアニメでは
ビールらしき飲み物を
飲んでいる描写がありましたが
実写では”ルートビア”がめっちゃ強調されて
それを飲んでいる子供たちという
凄く健全な(?)
プレジャーアイランドになっていました。
なんか…
めっちゃ悪いコトしたから
罰としてロバになっちゃった!
みたいな印象がスゴイ薄れちゃったようなww
中途半端なワルw
ちなみにロバが輸送される
コンテナに記されている行き先が
実写は”塩鉱山のみ”になっていました。
アニメ版では”サーカス”っていう
行き先もあったのですが
それは無くなっていました。
※これはダンボのラストにも関連するメッセージ性?
ちなみに
最近のディズニーさんは「優しい世界」に
なりつつあると言っても
このロバちゃん達は救われず…!
罰が厳しすぎないか…?!!
現実は厳しいところもあるのね…(;´Д`)
その他はアニメと実写ではストーリーは
ほぼほぼ一緒でした。
他に
地味な改変で思わずハッとしたのは
アニメ版では冒頭の
ゼペットさんの
からくり時計の中に
母親が幼い息子をお尻ぺんぺんする時計が
あったのですが
実写版は
叩こうとする母親を警察官が止めるという
からくり時計になってました
細かい配慮w
そうよね、体罰はダメゼッタイ!
優しい世界。
余談で、
アニメ版のピノキオで
私が一番好きなシーンは
興行師のストロンボリおじさんが
ニセガネを口で捻じ曲げる
ところだったのですが、
実写では無くなってて、そこは残念(^ω^)
そう思っているのは私だけかもしれんケドw
(感想まとめ)今と昔で随分変わったなァと思うところ
・多様な人種の方々の尊厳を重んじている
・女性キャラたちの扱いが変わった
・思いやりや優しさが大事にされた
世界観になっている
時代と共に考え方も変わりましたね〜
表現の幅は圧倒的にアニメ版に軍配
ディズニーアニメの特徴として
とくに喜怒哀楽がはっきりした
”顔の表情”や”誇張された仕草”が
秀逸なのですが
実写でそれを表現するのは
途端に現実感が無くなるので、なかなか難しい
(特に動物キャラたちには難しい)
なので
少し物足りなさを感じる部分がありました。
逆にリアルな世界寄りのアニメを
実写にするのは
きっと大感動を呼ぶんじゃないかと思います。
なので個人的には
「ノートルダムの鐘」に期待したい!(^^)
頼むぞ!!(?)
※生々しくなりそうだが笑※
でも実写版はとにかく
CG技術に感嘆します。
そして実際の人間が演じるからこその
温かさとか熱量は
やっぱり
生の人間にしかできない魅力ではあります。
今年2023年は
リトルマーメイドが満を持して【実写化】
アニメ版と、どこが変わったのか
比べながら視聴すると面白いかも!
Bye!