らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -62ページ目

第289話 罠

携帯からの目次を作りました



狭いトイレの中で

壁の穴を見詰めたまま

私はしばらく放心していた。


こめかみが脈打つ感覚だけがあった。



どうして穴が……

こんなところに……

それもコヨリを詰めて埋めているなんて……

明らかに人為的だ……

何故……



盗撮意外に何か理由がないものか

すがるような気持ちで思考は巡った。


トイレから出て

部屋の壁も調べなければと思った。


足に力が入らず

両方の腿をパンと叩いてトイレから出た。


いつもどおりの

シンプルなワンルームの部屋が眼前に広がった。


盗撮されるとしたら……

ベッドだ!


目を凝らして

すごい集中力で

ベッド周りの壁を調べていく。


量産品のアイボリーの壁紙は

ランダムに粗いおうとつが無数にある。


指先で壁を伝いながらゆっくりと右回りに進んだ。


「あっ!」

思わず声が漏れた。


再びコヨリの詰められた穴を発見して

指先が自然にワナワナと震えた。


安室奈 美恵のポスターの丁度右端にあわせるようにして

その穴は隠蔽されていた。


トイレにあった穴と同じものだった。


もう驚愕も放心もしなかった

私は怒りに震えて行動を起こした。


クローゼットを開ける。


工具箱の中からプラスドライバーを取り出し

壁の穴めがけて思い切り突き立てる。


ドライバーを左右にグリグリと回して

穴を広げていく。


石膏ボードのカスが絨毯に落ちる。


ドライバーを引き抜く。


3cmほどの厚みの石膏ボードの裏は

空間を挟んでコンクリートの壁になっている。


ファイバースコープのような盗撮用のカメラなら

十分に仕込むことが出来る不自然なスペースがそこにはあった。


ドライバーでこじ開けた穴に直接耳を当てる。


その時だった。


シュルシュルシュルシュルシュル


はっきりと鮮明な音が聞こえた。

勢いよくコードを引っ張るような音だった。


ああ!

盗撮は今もリアルタイムで行われていたんだ!


心臓が極限まで高鳴り

目の前に光の帯が現れチカチカした。


頭にカっと血がのぼり全身に熱が広がった。


負けない……

私は絶対に負けない!


もう一度壁に向かってドライバーを突き立てる。


見えない敵がそこにいるかのように

何度も穴にドライバーを突き刺す行為を繰り返した。


この部屋は盗撮されている!

ちくしょう!!!


それから

部屋中の壁を調べて回った。


ベッドの上にイスを乗せて天井も調べた。


電気の脇やエアコンのプラグの脇

怪しいと思うところはたくさんあった。


壁にジっと耳と当て音の行方を探った。


その間

私の頭の中は

この状況について論理的に整理をつけようと必死だった。


一つ一つ筋道を立てて考えていった。



一体いつからなんだろう。


そもそも盗撮しているのは何のためなのか。

やっぱり盗撮ビデオとして裏で売買されているのだろうか。

お金のためか。

俊ちゃんがお金のために私とのSEXを売っていたのだろうか。

まさか最初から? それが目的で私を嵌めた?


それとも俊ちゃんは何も知らないのだろうか。

全然関係のない第三者がこの部屋を盗撮していた可能性もある。


だけどそれだと

最近の俊ちゃんの不自然な言動に理由がつかない。


急に意味もなく台所の水を流したのは

何かの音を消すためだったのではないか。


そう考えれば辻褄があう。


でもやっぱり

付き合い始めた当初の俊ちゃんに嘘があったとは思えない。

私は本当に愛されていた。それは間違いないはずだ。


だとしたら途中から。


そうだ。

私が浅草の仕事を終えて仙台にやってきたとき

このポスターが貼られていた。


あの時には

もう盗撮は始まっていたのだろうか。


でもこんな手の込んだ盗撮は

俊ちゃんの力だけでは出来るはずがない。

裏で手を引いている人間がいるに違いない。


そうだ。

最近よくヤクザが店に来ると言っていた。


ヤクザに脅されて

俊ちゃんはしかたなくやっているのではないか?

何か弱みを握られているとか。


シャブ? 

シャブをやっているから

警察に通報できないことも計画の内なのでは。


もし警察に通報したとしても

シャブ中の妄想だと思われるのがオチだ。


たしかシャブをやると

幻覚妄想状態で盗撮されていると思い込んだり

謎の組織に付回されていると思い込んだりすると本で読んだことがある。


ああ!!

なんて巧妙な罠なんだろう!!


だけど幻覚や妄想ではありえない!


この部屋には証拠がある。

人為的に隠蔽された穴がある!


音だって

聞き違いや空耳なんかじゃない!

この耳ではっきりと聞いた!


ありえもしない小人の囁きや

宇宙人の声を聞いたのとはわけが違う!

幻聴なんかでは断じてない!


だけど……

一体どうすればいいんだろう……


こんなのって……

最悪だ……


悔しさが込上げて目頭が熱くなった。



――カチャリ――


ドアを開ける音がして

私は飛び上がって驚いた。


ドライバーを両手で持ち玄関に向かって構えた。



本編はかなり危機的状況が迫ったかんじなんですが、ちょっと告知を^^

実はmixiのらぶどろっぷコミュニティではもう発表済みなんだけど6月23日(土)にオフ会をします。

ちらっとお花見なんかはしたことあったけど、らぶどろっぷのオフ会としては第一回目です!

人数しだいなので、まだお店は決めていないんだけど、新宿で8時~朝までになると思います。

一次会は飲み屋さんで3時間コース。2次会はカラオケ飲み放題で朝までコースの予定です。

どちらか一方だけの参加や途中参加もOKです。私も煮詰まった状態なので飲んで発散しようと思ってます。

参加ご希望の方は私宛にメールを下さい。件名のところは必ず『オフ会』の文字を入れてください。

『オフ会参加希望』とか『オフ会について質問』とかなんでもかまいません^^

メールアドレスは marimo_glay@yahoo.co.jp  です。 18日までに参加表明してくれればOKです。

今回初参加のらぶどろっぱーがとても多いので、是非気軽に遊びに来てくださぃネ^^

当日逢っても「まりもさんイメージと違う・・・」とかは禁句ですよ!(笑)


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