らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -277ページ目

第083話 獲物

翌日
泉さんと私は美容院で髪の毛をセットしてから
ヒルトンホテルの最上階にあるレストランに向った。


「矢野さんって良い人ですよね。気前いいし優しいし
ダンディでママととってもお似合いですよ~。」


「まりもちゃん、矢野さんは確かに良い人だけど
極道もんには気をつけなきゃダメよ。
お付き合いするには、それ相応の覚悟がいるんだからね。」


浮かれる私を泉さんはたしなめる。


「は~い。ママ。」


私は泉さんの忠告を軽く受け流して
期待に胸を膨らませている。


『極道の妻達』は私のお気に入りの映画だ。

映画の中の極道はいつでも格好良いから痺れてしまう。


レストランに入ると夜景がとても綺麗でテンションが上がる。

矢野さん達はすでに一杯はじめていた。


私はオヤジ受けと第一印象には自信がある。


「はじめましてぇ~」

上目遣いに満面の笑みで挨拶をする。


矢野さんの隣に座る男が
想像以上に素敵な人で私は驚いている。


ロマンスグレーのオールバックで

上品な口髭を蓄え
岡田真澄を細くした様なかんじだ。


矢野さんよりも少し風貌が派手なので
自営業の社長さんか業界人といったかんじに見える。


テンションは一気に上がりきった。


手首に光る
ダイヤが散りばめられた
眩しいロレックスを見て
この腕に守られたいと思う。


男は
「松浦です。」と名乗り

にこっと笑いながら名刺を差し出す。


名刺には
「経営コンサルタント」
と書いてあり役職は

「顧問」となっている。


矢野さんの名刺みたいに
組の大紋は入っていない。


『はぁ?!ヤクザじゃないの?』


私はガッカリして

「あの、ヤクザじゃないんですか?」
とはっきり聞いてしまう。


泉さんにテーブルの下で足を蹴飛ばされる。


でも

これは私にとっては重要な問題なのだ。

ただの金持ちのオヤジなら利用価値はそれ程ありはしない。


矢野さんと松浦さんは一瞬顔を見合わせてから
大笑いしだした。


「いやいや、若い子はやっぱりおもしろいね。ははは」
「ほんまやな。まりもちゃんは怖いもん知らずや。ははは」


本当に楽しそうに笑っている。


「だって・・・矢野さんの兄弟分だっていうから
ヤクザを紹介してくれるのかと思ったんですよぉ。」


唇を尖らせてそう言うと
松浦さんは名刺をもう一枚取り出して私に手渡す。


「こっちの名刺はね

女の子に渡すと普通は嫌われるからね。ははは」


今度は矢野さんと同じ種類の名刺で

菱形の大紋を見て途端に私は満足する。


『この獲物絶対に逃がさない。』


私は完全に松浦さんをロックオンした。


zzz


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