らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -269ページ目

第091話 姐さん

顔面蒼白になり

背筋が凍りつく。


ついさっき

あんなパパを見たばかりだからか

恐怖心でいっぱいになり

足が竦んで動く事が出来ない。



『ヤクザに売り飛ばされる!?』



まさか自分がそんな立場になるだなんて

夢にも思いはしなかった。



『逃げなくちゃ!』



「ん? どうした? そんな顔して。まさか本気にしたのか? はっはっは」


パパが笑いながら顔を覗きこむ。


「い…嫌だぁ!パパったら。もぉ~」


私はパパの肩のあたりを小突いて

取り繕った笑顔を浮かべたけれど

心臓のドキドキはしばらく収まらなかった。


一度持った恐怖心はそう簡単に消えるものではない。

あんなパパを出来る事なら見たくはなかった。


そのくらい

あの時のパパは怖かった。



パパに連れられ部屋に入ると

玄関には女物の靴がいくつも乱雑に脱ぎ捨てられている。


中から

「ごわさす!」

という男達の声と

「おはようございま~す。」

という女達の声が同時に聞こえてくる。


部屋に入るなりパパも

「ごわさす!!」

と挨拶をしている。


どうやらパパよりも偉い人がいるらしい。


部屋は二つあり

左側の部屋には

女の子が10人程いるようだ。


右側の部屋には

裏ビデオの事務所と同じ様に

安っぽいちゃぶ台があり

電話が5台おかれている。


その正面に女が

両脇に男が二人座っている。


男二人は電話番だろう。


正面に座る五十代と思われる女が

ここのボスである事はすぐにわかった。


「挨拶しろ。本家のオヤジの姐さんだ。」


パパにそう言われ、私は緊張しながら

「はじめまして。まりもです。」

と礼儀正しく挨拶をする。


「松浦、おまえは本当に若い女が好きやな~。」

そう言う姐さんに

パパは頭を掻きながらとぼけている。


「まりもちゃん、私に顔通しされたからには

正真正銘、松浦の女や。

身内も同然やからな、楽にしとき。」


そのセリフはまさしく『極妻』みたいで

憧れの岩下志麻や三田佳子と重なり

私は感激してしまった。


gokutuma


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