第092話 ホテトル事務所
裏ビデオの事務所も
電話はひっきりなしにかかってきていたけれど
このホテトルの事務所はそれ以上だ。
5台の電話が鳴り止む事はなく
パパも手伝いで電話を受けている。
「そっちの部屋で時間潰してろ。」
パパにそう言われて
私は女の子が待機をしていた部屋にいく。
私が来た時には
10人くらい女の子がいたけれど
いつのまにか
もぬけの殻になっていた。
部屋を見渡すと
テーブルの上に
食べかけのスナック菓子や
紙パックのジュースが置いてあり
「ミホ」とか「メグミ☆」とか
黒いマジックで名前が書いてある。
レディコミが何冊も山積みになっている。
つきっぱなしのテレビでは
大竹マコトが一人でしゃべっている。
『業務用ペペローション』とかかれた
ピンク色の大きなボトルが置いてある。
ダンボールから溢れそうなコンドーム。
その横には
何種類ものピンクチラシ。
『ホテルまで宅配 女子大生クラブ』
『自宅まで出張します VIPコースあり モデル在籍多数』
『レースクイーン専門 出張コールガール』
『ロリっ子クラブ キャンセルOK!』
『女の子募集 高給料 自由出勤 毎日日払い』
どれも歌舞伎町の公衆電話で見た事があるものばかりだ。
きっとお客さんは
たくさんのお店があって
全部違う場所に繋がると思うんだろうけど
電話番号が違うだけで
どれもこの事務所にかかってくる仕組みだ。
それにしても
女の子を見たけれど
お世辞にもかわいいと言える子はいなかった。
大学生くらいの年齢の子はいなかったし
モデルやレースクイーンなんて間違いなく存在していないはずだ。
ヤクザな商売だなぁと思いつつ
男って本当にアホな生き物だな!
と苦笑してしまう。
女の子が疲れた顔で帰ってきては
入れ替わりまた仕事に出かけていく。
女の子同士はとくに会話をするわけでもなく
私にも声をかけてはこない。
なんとなく排他的な独特の空気で
あまり居心地は良くない。
援助交際をしているような派手で若い女の子が
働いているのかと思っていたけれど
様子は全く違っていた。
どう見ても
普通か普通以下の30代のおばちゃん達だ。
この人達
どうしてこんな仕事してるんだろう?
借金でもあるのかな?
私は不思議に思ったけれど
理由はきっと人それぞれなんだ。
そうするしかない物理的な理由か
内面的な理由があるに違いない。
SEXが好きで好きで
やりたくてやっている人なんて
いるわけはないと思う。
私にしたって同じようなものだ。
きっと人から見たら
私のしてきた事の理由なんて
絶対に解るわけはないのだから・・・。
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