らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -245ページ目

第114話 焦燥感

直樹はそれからすぐに帰ってきてくれた。


「直樹、ごめんね、ごめんね! 本当にごめんね。

私、困らせるつもりはなかったの。 えっぇっぇっ」


「まったく… なんでそんなに心配するのー?」


泣きながら抱きつく私の頭を

直樹は優しく撫でてくれる。


すると

さっきまでの強烈な不安は

あっというまに姿を消していく。


「お願い、一人にしないで! 直樹、お願いよ!」


切実な胸の内を直樹にぶつけるものの

直樹が出来る限りの事をしてくれているのは

重々承知なのだった。


「大丈夫だよ! もう… 女心はわかんないなぁ。」


と直樹は困りながらも

私の事を絶対に怒ったりはしない。


直樹が怒らずに甘やかすのが悪いんだ!

なんて、時々私は自分勝手な考えさえ持ってしまう事がある。


時に優しさは何の役にも立ちはしない。


直樹は私の不安の根源を

理解できていなかったのだろう。


もちろん私にも

あいかわらず不安の正体は解らないままだった。


私はその晩も

いつものように

直樹に抱かれながら

心の奥底に横たわる不安を溶かしていった。


隣で直樹が寝息をたてはじめた頃

ようやく気持ちはおだやかになり

『私って本当にダメな子だな~。』

なんてノンキに反省しはじめるのだ。


でも

こんな事を何度も繰り返していたら本当にダメになってしまう。


私の不安はなぜか増す一方だし

自分の感情がコントロール出来ずに

直樹を困らせる事はもう終わりにしたい。


結婚に向けて本格的に準備を始めよう。


もっと本気で・・・

そう、外堀から固めていけばいい!

私はあらためてそう決意した。


何日かして

ショットバーでファジーネーブルを飲みながら

私は直樹に切り出した。


「直樹、そろそろご両親にご挨拶に行きたいな。
結婚式場も決めなきゃだし、いろいろ準備しようよ。」


「うん、そうだねぇ。結婚式はまだ先だとしても
親には紹介するよ。日曜日でも実家に一緒に行くか?」


「本当!? うん! 行くよ!
ねぇ、ちゃんとこの子と結婚するって紹介してくれるの?」


「そうだなぁ…。 恥ずかしくて言いづらいけど努力するよ! ははは」


「うん! 絶対だよ!」


私は大喜びで直樹の頬にキスをした。


一刻も早く結婚という確約を取り付けて安心したい。


私と直樹の間に

誰かが割り込んでこれる隙なんて1ミリだって残さない。


直樹の親、兄弟、友達、同僚に

私は直樹の婚約者なのだと認めさせてしまえば

気持ちはかなり楽になるような気がする。


私は絶対に直樹と結婚するんだ!


不安な気持ちと焦燥感が

私を急がせていた。


それにはもう一つの理由があっった。


パパからもらった一千万の貯金が
この1年で半分以下に目減りしていたのだ。


決意


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