小学2年生のフィンランド留学体験記 第九章 9月 26.1日だけの外国人クラス体験 | フィンランドに1年住んでみる(在外研究)

フィンランドに1年住んでみる(在外研究)

~子連れフィンランド滞在記~
1年間家族でフィンランドに住みました(2022年10月〜2023年10月)。
準備からフィンランド生活について思ったこと、
感じたことを書き留めていきたいと思います!

 

登場人物

エンミ先生:外国人クラスの担任

ジェミフル:外国人クラスに通う3年生。トルコ人。

アンドレイ:外国人クラスに通う友達

 

26.1日だけの外国人クラス体験

 

今日お兄ちゃんは学校に8時集合だったので、僕より早く家を出て行った。そのため、僕はいつも通りの時間に自転車で登校した。学校が近づくとお兄ちゃんがこちらに向かって何か叫んでいるのが見えた。「さくと!もっとペダルを回せ!」何?緊急事態?僕が素早く自転車を駐輪場に止めると、お兄ちゃんがビックニュースを届けてくれた。「さくとも一緒に行けるって!劇場に!だから急げ!」あらまあびっくり!棚から牡丹餅!今日お兄ちゃんは劇場に行ってハンメルンの笛吹き男の劇を見ることになっていた。でも、外国人クラスで1人欠員が出たらしい。そこでエンミ先生が僕のことを推薦してくれたのだ。やったー!今日は勉強しないで演劇だ!僕はお兄ちゃんに急かされて学校に止まっていたバスに乗り込んだ。するとバスはすぐに出発した。アンドレイは「さくとー!」とニコニコ笑顔で歓迎してくれた!途中、バスは他の小学校にも止まり、数名の生徒を乗せた。その中の子に「わー!日本人だ!」と言われた。すごい。中国人だと言われなかった。僕がお兄ちゃんと日本語でお話をしていたから、日本人だと分かったのかな。日本語が分かるのだとしたらすごい。

バスには40分くらい乗っただろうか。劇場に到着した。劇場はとても新しく見えた。他の学校や保育園からも子供が集まって来ていた。劇場には僕たちを含めて30人くらいの子供が座った。劇場はもっと広いから席はガラガラだ。ハンメルンの笛吹き男の劇はマジックを見せてくれたり、逆立ちをして歩く人、片手だけで体を支える人が登場してサーカスみたいだった。可笑しくて笑えるシーンもたくさんあった。お客さん参加型の劇で、10人の子供がネズミ役でステージに立った。ネズミ役は立候補した子の中から選ばれたんだけど、外国人クラスからは4人も選出された。選ばれた子はしっぽをつけてネズミに変身。ステージ上で役者さんを追いかけまわした。そのシーンが一番可笑しかった。

劇を見終わった後はすぐバスに乗った。今度は別の小学校の子に「中国人だ!」と言われた。行きのバスで日本人だと言われた方が珍しかったんだ。僕もお兄ちゃんもフィンランドで何十回もそう言われているので、いちいち反論する気力も起こらなかった。中国人以外にも「〇〇人だ!」と言われる国の人はどれくらいいるのだろうか。思っても口には出さないよな。口に出してしまう人は勉強が足りていないなと思う。フィンランドにはこういう子供がとても多い。

学校に着くと給食の時間だった。給食も外国人クラスの一員になって食べた。そしてそのまま給食後も外国人クラスへ。外国人クラスではこの2週間限定で生徒が自分の国を紹介する授業が行われている。今日はちょうどトルコの日で、トルコ出身のジェミフルが手作りお菓子を配ってくれた。僕の分もあった。エンミ先生のトルコの説明を聞きながら、外国人クラスはとても温かい雰囲気で羨ましいなと思った。みんな笑顔で授業を楽しんでいる。エンミ先生は分かりやすい簡単なフィンランド語で話してくれた。分からない子がいないかなと常にみんなに気を配っている様子ですごい先生だなと思った。僕がいる2年生クラスはフィンランド語が話せて当たり前のクラスだ。こんなサポートはしてもらえない。担任の先生が話すフィンランド語も難しい言葉ばかりだ。僕はフィンランド人クラスしか知らなかったから、外国人クラスも体験できて良かった。今日は最高の1日だった。