小学4年生のフィンランド留学体験記 第八章 8月 5.体育の時間増やしてあげる | フィンランドに1年住んでみる(在外研究)

フィンランドに1年住んでみる(在外研究)

~子連れフィンランド滞在記~
1年間家族でフィンランドに住みました(2022年10月〜2023年10月)。
準備からフィンランド生活について思ったこと、
感じたことを書き留めていきたいと思います!

 

登場人物

エンミ先生:担任

クリスティーナ:同い年のクラスメイト。ウクライナ人。

アンサ先生:フィンランド語補習の先生

オラヴィ先生:体育の先生

フランチェスコ:6年生のクラスメイト。イタリア人。

エリオン:5年生のクラスメイト。アルバニア人。

ジェシアン:5年生のクラスメイト。アルバニア人。

アミル:特別支援教室に通う同い年の友達

 

5.体育の時間増やしてあげる

 

 新しい時間割が配られた。「りくとは体育が好きだって言っていたから、体育の時間増やしておいたよ。」とエンミ先生。時間割表を見ると今まで2時間しかなかった体育が4時間に増えている。夏休み前にエンミ先生に「好きな科目は何?」と聞かれたけど、それが4年生の時間割に反映されるなんて想像もしていなかった。すごく嬉しい!それに、3年生では体育、音楽、図工だけフィンランド人クラスに行っていたけれど、4年生からは英語の授業もフィンランドクラスで受けられることになった。フィンランド人クラスで過ごす時間が4時間も増えた。

 新学期になって初めてフィンランド人クラスに行った。4年生の担任の先生はアウリ先生、サンナ先生、カトリ先生の3人で1人しか変わっていなかった。サンナ先生がクリスティーナをクラスメイトに紹介した。僕とクリスティーナは隣の席で図工と音楽の授業を受けた。中休みも昼食も4年生クラスで過ごしたけれど、僕はクリスティーナとずっと一緒にいた。中休みは遊ぶ場所が決まっていて、僕はクリスティーナとアスレチックで遊んだ。アスレチックで上手にぶら下がって見せたら、クリスティーナに「スーパーマン!」と褒められて照れた。昼食の時間は外国人クラスの10時より遅くて11時に食べた。11時に食べる方がずっといい。10時は早すぎるよな。いつもよりたくさん食べることができた。

 次の日は5時間も4年生クラスで過ごした。昼休みはアンサに勧められて4年生サッカーに入ってみたんだけど。とてもひどい目にあった。ジャイアンみたいな奴がいて失点を全部僕のせいにされた。例えば1点目を相手チームに入れられた時、「りくとのせいで1点入れられた!」とジャイアンが言った。すると味方のゴールキーパーも「りくとのせいでボールが見えなかった!」とかチームメイトも「りくとのせいだ!」と言ってきた。シュートされた時、僕はゴールの近くにいませんでしたが?その後の2失点目もチームメイト7人中5人に「りくとのせいだ!」と文句を言われた。近くに先生がいる手前、サッカーにはいるなとは言えないけど、僕から抜けるよう仕向けているなと感じた。僕は責められる度「ごめんね。」とみんなに謝った。ジャイアンは僕が4年生のバスケットの遊びに入った時から僕の事を毛嫌いしているようだ。ジャイアンみたいな奴がリーダーになるような集団こそ終わっている。もう二度とジャイアンとサッカーなんかやるものか。こっちから願い下げだ。

昼休みの後の体育の授業では森に行ってブルーベリーを摘んだ。4年生クラスの子はみんな大きなタッパーを持って来ている。何も知らせれていなかったクリスティーナと僕はその場で摘んで全部食べるしかなかった。外国人クラスへの連絡もれは他にも結構ある。ブルーベリーはとても甘くて美味しかった。たくさん食べて手も唇も紫色になった。リンゴンベリーもなっていた。ブルーベリーのようにつぶれにくいリンゴンベリーはポケットに入れて家族へのお土産にした。

 次の日も体育があった。エンミ先生が増やしてくれた体育だ。担当の先生は生徒に大人気のオラヴィ先生。4年生と5年生、特別支援学級から数名ずつ生徒が集まって行われる授業だった。クリスティーナとフランチェスコは図工の授業に向かった。この時間は選択授業なのだろうか?外国人クラスからは5年生のジェシアンとエリオンも参加した。4年生クラスからはジャイアンとその仲間たち、そして特別支援学級からは仲良しのアミルが来ていた。「みんなでサッカーをしよう!」とオラヴィ先生。サッカーをやりたくない子は半分くらいいて、その子達は遊具で遊ぶことになった。サッカーをしたいのは男の子だけで、オラヴィ先生は素早く僕たちを2チームに分けた。ジャイアンがいるから嫌だったけれど、オラヴィ先生が見張っているから意地悪はしにくいだろうと思った。僕はジェシアンとアミルと同じチームになった。敵チームのジャイアンは休み時間のサッカーではやりたい放題だけど、オラヴィ先生が審判しているので大人しい。それでも、ファールをしまくって2人も生徒をけがで退場させ、オラヴィ先生が飲み物休憩でフィールドを離れた時だけやりたい放題やっていた。敵チームは子分たちがジャイアンばかりにパスを回すものだから、パスカットするのが簡単だった。僕は何度もボールを奪いドリブルでジャイアンや子分たちを追い抜かした。そして、フォワードのジェシアンのシュートを何度もアシストした。サッカーがうますぎるジェシアンまでボールを回せばもう安心だ。ジェシアンはシュートをたくさん決めてくれた。昨日ジャイアンに意地悪されて嫌だった気持ちがすっきりした。