更年期に入り、女性ホルモンが減少すると、物忘れがひどくなることは、よく知られていると思います。 わたしの場合、15年にも渡った不妊治療で、48歳まで無理なホルモン治療を続けた結果、 不妊治療を止めた翌月には生理が止まり、一気に更年期症状が起きたことはすべに述べましたが、それは更年期という本格的な老いが始まる中、普通なら10年程度かけてゆっくり進む老いが、突然いっぺんにやってきたことで、自分でも信じられないような身体の変化がおきました。 それには、身体の変化だけではなく、脳内の変化も含まれていたのです。

 

よく普通の物忘れと認知症の物忘れの差がなにであるかという例で、「起きたことを”とっかかり”から忘れるのが認知症」といいます。 例でいうと、朝ごはんで、何を食べたか忘れるのは物忘れ、 朝ごはんを食べたこと自体を忘れてしまうのが、認知症だそうです。 更年期が始まった直後に、わたしに起きたことは、物事をとっかかりから忘れてしまう自分だったのです。 仕事上では、「やった仕事を忘れて、とりかかってしまい、途中で自分がやった仕事が出てきて、唖然とする」とか「以前やった仕事をみても、どうして自分がそうやったのか思い出せない」、 また私生活では、「前に買ってあったはずのものを忘れて、同じものをまた買ってしまう」などです。 また物事の整理がだんだんできなくなってきて、 いろんなものをともかくいったんしまい込むので、 必要なものが必要な時に取り出せなくなってしまったのです。  このような自分の能力の低下も離職を決意した一因でした。自分で自分がコントロールできなくなってしまったのです。

 

そのような物忘れの症状に加え、わたしを襲ったのは、様々な焦燥感でした。 それは夜中に目覚めて、どうしようなくうつ症状になるような感情もあれば、ともかくいつも焦っているのです。 絶えず時間が足りない、どうしよう、どうしようと焦っていました。 それは、「老い」による体内時間の変化が影響したのかもしれません。 なにをするのも、前より時間がかかり、 それまでの自分の時間の感覚で動いていると、なにもかも間に合わなくなってしまうのです。 よく年齢のいった方々が、焦ってなにやらしようとしているのに、要領が悪くなっているので、悪循環にはまっていく・・・・・そんな感じです。 おそらくこの焦燥感というのは、最終的に、認知症の方々が、どうしても落ち着かなくて、夜中に徘徊をするような脳の退化につながっていくのではないかと、 思ってしまいました。

 

私の亡き母は、認知症というほどではなかったのですが、 最後の入院の時は、なぜか焦ってベットから降りてどこかに行きたがりました。 何度「おとなしく寝てて」といっても、すぐ起き上がってベットから降りようとし、あぶないので、拘束帯で、ベットに括り付けられてしまいました。 母は、なにをあんなに焦っていたのでしょうか・・・

 

わたしが急速な脳の衰えを自覚してから、もう5年以上。 様々な他の身体的な更年期症状と闘ってきた日々でしたが、最近はその脳の衰えのプロセスを理解し、闘うコツもすこしづつ掴んできました。まず大事なことは、更年期と共に、脳が急速に老化するという事実を受け入れることです。その上で、ひとつひとつの症状に対処していくこと、そしてそれを支える気力を維持することです。

 

実際、わたしが日々実行していることは、次回まとめて、記したいと思います。老化に勝てる人はいませんが、自分でそのような急速な脳の老化を実感したとき、または更年期にまだ入っていない人でも、すこしでも参考にしていただれば、と思います。