この町には死者を蘇生させる秘術があるんだよ。

痛快なユーモアミステリー

 

 

関東地方の郊外、平凡に見えて閉鎖的な町に住む健康(タケヤス)24歳と同級生の由佳里(ユカリ)と昇太(ショウタ)の3人は、古いしきたりに支配される町を改革したい。性悪な町内会長の権造(ゴンゾウ)を酩酊させ殺害する計画をたてる。

 

僧侶でもあり色と欲にまみれた権造70歳から「この町には死人を生き返らせる秘術があるんだ」と言われても本気にしない健康。

 

泥酔した権造をバスタブに沈め「明日から新しい人生が始まるんだ」笑顔の3人。

 

翌朝、死んだはずの権造がいつも通り現れ「なんで生きてんだよ‥」絶句する3人。

 

そうだ、死者を生き返らせる秘術を使ったのだ。秘術について密かに調べる3人。生き返るには生贄と寺の秘宝の丸い石が必要、呪文を吹き込む『魂戻し』の術。

 

昇太の祖母や昇太が、死人となるが生き返る。人を蘇生させる術は、人を死なせる術でもある。だれかが生贄として身代わりにならなければいけない。

 

秘術を操っているのはだれか?

なんのために?

 

健康たち3人組と町を牛耳る権蔵たちとの攻防が繰り広げられ、スリリングな展開となります。過去の『魂戻し』に健康の出生の秘密が隠されていたことがわかり、健康と母の異様な関係が明らかになります。

 

何人かが死んだり生き返ったり、生贄も死んだり生き返ったりするので、えー、今どうなってるんだっけとおばちゃん脳混乱。

 

権蔵や町の支配者相手に大暴れする健康たちのドタバタから、哀しくせつない話になっていき、最後はしんみりともの悲しい。閉鎖的なしきたりを命がけで突破しようとする若者のエネルギーがまぶしく感じられました。