「宮部怪談」を歩きつくす
著者責任編集「宮部怪談」公式読本
「三島屋シリーズ」の舞台となった三島屋界隈を地図と写真で案内しています。筋違橋、安藤坂、両国橋、根津神社、王子稲荷神社、回向院、霊巌寺など江戸っ子なら、あーあそこか、となるのでしょうか。
「本所深川七不思議を歩く」では、片葉の芦、送り提灯、置いてけ堀、落葉なしの椎、馬鹿囃子、足洗い屋敷、消えずの行灯、といった江戸の不思議エピソードを紹介されています。
宮部みゆきさんと北村薫さんの対談「やっぱり怪談が好き!」があり、それぞれの怪奇体験を話されて興味深かったです。
短編の「曼珠沙華」と「だるま猫」が掲載されていて
「だるま猫」は読んだことあるような気がしましたが、どうなんだか。
臆病男の文次は火消しを目指したものの火が怖くて挫折し、飯屋で下働きしている。ある日、飯屋の主人から「だるま猫」という皮製の猫頭巾を貸してもらいます。縁起ものの「だるま猫」を被って火事場に向かうと、臆病が消えて大活躍できるという。ただ代償を払うことになる‥
幸運をゲットすることは大きな不運と抱き合わせ、それを承知で幸運を得たいか、そんな問いかけでしょうか。怖さがじわっときます。
じわじわと忍び寄るコワさということで
「宮部みゆき推薦!」に岡本綺堂『指輪一つ』と福澤徹三『怪の再生』が載っていて、派手に怖い話ではないけど、しみじみとした怖さが実感できます。
うらめしや~みたいな派手でインパクト強めの怪談でなく、見過ごしてしまいそうだけど気づくとじんわり怖くなるようなさりげない怪談といいましょうか。
「三島屋シリーズ」は、聞き手の「おちか」が嫁入りし「富次郎」に交代してからを読んでいて、発行順に読みたいと思いながら、図書館では貸出中も多く順不同になってしまうのが残念です。
宮部みゆきさんの文章はわかりやすいし、抜群のストーリーテラーで、人気あるのも納得です。
