この恋は地獄につながっている。

心中、駆け落ち、不義密通

 

薬売りの山善が行商で諸国を巡り、各地で話を聞き俳諧の師匠への土産話とします。師匠はその話をヒントに浮世草子に仕上げます。

 

・八百屋お七

裕福な大店の八百屋の娘・お七は骸骨のような醜女で、寺に住むセクシー美男子にひとめぼれ、迷惑顧みずつきまとい相手のためにと火つけをする‥

 

・おさん茂兵衛

大経師という暦を作る名家の妻と手代が、駆け落ちするが山中でつかまる‥

 

・樽屋おせん

樽屋の妻と麹屋の夫との不倫。樽屋の妻が結婚前に好きだった男が麹屋の夫‥

 

・お夏清十郎

大きな旅籠屋の娘と美男の下男の身分違いの恋。下男は処刑され娘は発狂する‥

 

・おまん源五兵衛、または、お小夜西鶴

遊女の子・西鶴と妻のお小夜。お小夜は西鶴の弟と不倫の果て心中‥

 

 

薬売りの行商・山善の俳諧の師匠が、井原西鶴なのです。

 

最後の「お小夜西鶴」は別にして、男はみな美男子、女は美女だったり醜女だったりですが一途に惚れこみ破滅への道をまっしぐら。損得抜き常識抜きで恋心を貫く生きかたに漂う背徳感にしびれます。

 

悲恋というか、道ならぬ恋というか、不倫の果ての姿は悲惨といいますか。

戦国の殺し合いの時代から、江戸時代になると、恋愛話が草子で読まれるなど平和な時代になったようですが、不義密通は処刑・火あぶりという厳しい罰則。

 

井原西鶴についてGeminiに聞いたら、1642年、大坂の裕福な商人の家に生まれ、「元禄の三文豪」と称され、当時の超売れっ子エンタメ作家、と大絶賛。

 

現代風にわかりやすくアレンジされていて、元禄にタイムスリップした気分で読みました。