どらぞう

ユーモア時代小説

 

 

寅蔵(トラゾウ)18歳は道具屋の跡取り息子で、主家の道具屋で丁稚奉公しているが、放蕩を激怒され実家に戻される。義理の母からは放蕩息子の〝どら蔵〟と呼ばれ、父からも罵倒され家を放り出され、江戸に目利きの修行に出る決意します。

 

江戸に着いて道具市で権兵衛と出会い長屋に泊めてもらいます。どら蔵は道具商の権兵衛に蔵の入札に連れられ、高値で蔵を落札してしまうが、支払う金がなく権兵衛に借金する。

 

富山の薬売りを権兵衛から紹介され、手伝いをして稼いで来いと長屋を追い出されるどら蔵。その後、道具市で出会った有名な道具商に見込まれ、見習いとして住み込み目利きの腕を磨きます。

 

どら蔵の持っていた小さな壺を盃に交換したり、わらしべ長者みたいに次から次へと話が発展していきます。今度こそ上手くいくかなと期待していると、落とし穴にはまったり、横道にそれたり、山あり谷ありの目利き修行が展開されます‥

 

江戸で成功し、どら蔵は故郷へ錦を飾ることはできるのでしょうか?

 

 

どら蔵こと寅蔵はお調子者で、ギャグを連発して江戸っ子たちをドン引きさせながら、前へ前へと進んでいきます。偽物を本物、本物を偽物と間違えたり失敗しても、謎にポジティブなのです。

 

会話も現代言葉使いなので、すらすら読み進めます。気取りも見栄もないけど目利きとしてのプライドは実力以上のどら蔵。ダジャレやオチのある会話、どら蔵を取り巻く人たちもそれぞれ個性的で、見分けがつきやすく描かれています。