深夜からけさにかけて、山形県を流れる最上川4か所が氾濫しました。

(NHKニュースより)

以前にも書きましたが…
参照:2020年7月12日

「五月雨をあつめて早し最上川」

有名な松尾芭蕉の句は、もともと発表前は
「あつめて涼し最上川」
だったという資料が残っています。

 

上流の小さな川の雨水がどんどんあつまって、一級河川である最上川に流れ込みます。

盆地を縫うように走る最上川。

その流れのはやさは凄まじく、とても涼をとっている場合ではなかったのでしょう。

山から海まで距離のある東北は、
雨のピークから増水まで時間を要します。

 

山形県内では48時間雨量が、250mm前後という記録的な大雨になりました。

今回、山形県内の大雨のピークは、きのう昼過ぎ~夕方でしたが、

半日ほど経って、相次いで氾濫が発生しました。

きょうこのあとは、おおむねくもり空となりそうですが、
引き続き、危険な場所には近づかないようにしてください。

 

きょうは、一連の大雨の峠は越えましたが、前線付近で大気の状態が不安定です。

特に、九州北部〜中国〜近畿付近は、雨雲が局地的に発達しやすいです。

激しい雨、状況によっては非常に激しい雨が降るかもしれません。

また、関東平野部では弱い雨が降ったりやんだりですが、

東海や関東甲信の山沿いでは激しく降ることもあるでしょう。

 

東京は、日付が変わった直後に最高気温が出て、

日中は20℃そこそこの気温で経過します。

あす朝にかけてはひんやりしますので、窓を開けたままで寝ると風邪をひいてしまいそうです。

寝冷えにはお気を付けください。

 

そして、あすは、いよいよ日本付近で前線が途切れる予想です。

 

西日本では、南から高気圧に覆われて、夏空。

梅雨明けの発表がありそうです。

ただ、夕立のような雷雨にはお気を付けください。

北日本も、別の高気圧の通り道になるので、晴れる所が多いでしょう。

一方、高気圧と高気圧の間に入ってしまう東日本は、雲が多く、ぐずついた天気。

 

来週になると、

夏の太平洋高気圧が東日本付近でも勢力を強めてきます。

来週前半には東海で、その後は関東甲信や北陸、東北でも梅雨明けの発表がありそうです。

なお、東北では、先に、北の高気圧の通り道になって、

晴れの日が多くなりますが、

関東甲信より先に梅雨明けというシナリオは、今のところ、気象庁は考えていないようです。

 

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コメントありがとうございました!

*特別警報、難しいですね。

雨量が基準値に達するころには雨は弱まるものの、

被害は想定される…

今回、気象庁は相当悩んだようです。

これから基準が変更になるようなので、

このような悩みは解消されるのかもしれませんが。

*海外のニュースでも伝えられているのでしょうか。

本当にコロナに豪雨災害、

2020年、悲しい7月でした。


 

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