ヴィム・ヴェンダース | Paris暮らし

 

Wim Wenders

ヴィム・ヴェンダース 監督の映画といえば、

『ベルリン・天使の詩』

 

夫の友人のフランス人が

フランス語字幕翻訳家で。

ヴェンダース監督と親友。

 

監督の映画字幕を

全てつけている方で。

一緒に映画フェスの審査員など

色々仕事もしてきたのだそう。

 

後で聞いたら、なんと、

 『ベルリン天使の詩』では、

図書館の場面に、

天使として出演までしているそう!

私も、何度か食事をしたことがあって。

 

えー!確かに、何人かおじさんの天使が

出てくるけど、あの中の一人はこの方だったなんて!と、

驚きました。

 

***

 

ヴェンダースの新しい日本映画が

あるらしいよ。ということで、見てきました。

 

役所広司主演の『Parfect days』

 

静かで、淡々として、

すごく良い映画だった。

 

トイレ掃除人をしている主人公の

淡々とした美しい毎日を描いた映画。

 

毎朝暗いうちから起きて、

ひたすら仕事をして、

家に帰って、本を読んで寝るだけの生活。

 

朝は、缶コーヒーを飲んで。

時々飲み屋さんに行って。

絶対にルーティーンを崩さず、

淡々と暮らしている。

 

スマホも、テレビも何も持たず。

カセットテープの音楽、

古本屋さんの本、カメラで写真を撮ること

を大切にしている。

前半、ほとんど彼はしゃべらない。

 

影の映像が美しい。映像の美しさは、時々、

ベルてん(って呼んでいたのは私だけ?

『ベルリン・天使の詩』)と重なるところがある。

 

美しくて、切なくて。

私にとっては日本という故郷の美しさ、

自分の人生を淡々と、ずっと大切にしたいな。

と、思える映画。

 

何事も起こらないといえば

起こらない。

仕事が清掃員ですから、

ずっと淡々と掃除をしていく。

 

でも、何故かその姿を見ていると、

なんとなく清々しい気持ちになる。

 

最後の場面で、なぜ彼が涙を流していたのか。

と言うことについて。

 

世代や人によって、全く違う解釈もあるようで、

面白いなあ。と、思います。

 

年代が高い人は、きっと、

今までの人生についての後悔や、

誰かの人生がもうすぐ終わることなど

についての涙と捉えるでしょう。

 

なんで、こんな人生なんだよ。という怒りなども

あるのかもと捉える人もいるでしょう。

 

真逆ですが、若い世代の人たちは、もしかすると、

好きな人のことを思っての涙、とか。

光を綺麗と感じて、音楽に感動している。

と思う人もいるかもしれません。

人って、全然違う視点で映画や物語を見ているし。

その時間や場を過ごしているものです。

 

今読んでいる春樹の新作も

影がテーマなので、読み終えたら

また、そちらも何を感じたか

書いてみようと思います。

 

 

 

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