ロバな1日 | Paris暮らし
快晴が続いているパリ、日曜日のお昼ご飯は、
皆で公園で今年初ピクニック。

ちゃんと水筒にお茶も用意して、
定番の具沢山のベーグルサンドイッチを
朝からたくさん作って。

ピクニックは、
夏になったらほとんど日課みたいなものだから、
晴れたね~。ピクニック行っちゃう?と、決めたら。

なんだか無言のうちに
チームワークができあがっていて、
冷凍庫からベーグルを出して
解凍している間にお風呂に入る。

サンドイッチを作る手順もなんとなく決まっていて、
流れ作業で、皆で作る。
そういう準備も楽しかったりします。

池にたくさんカモが泳いでいてかわいかった。
大きな珍しい枝がくねくねした木を見つけた。
天気がいいと気持ちがいい。

ピクニックとお散歩をしたのは、
たぶん1時間半くらいの短い時間だけど、
1週間ずーっとその気持ちよかった時間を
思い出せるようないい休日だった。

その後すぐに、
友人でもあるSHIHOちゃんの
ピアノリサイタルを聴きに行った。

朗読付の作品
Paul Ladmirault (1877-1944)
Mémoires d'un Âne (d'apres la Comtesse de Segur)
「ロバの思い出」を演奏していて、
すごくよかった。

こういう物語を朗読しながらのピアノ曲を聴いたのは、
たぶんはじめてだから、すごく楽しかった。

ピアニストは、ソロ作品は全部暗譜で演奏するし、
こういう他のアーティストと共演する作品の前後に、
集中して、リストやらドビュッシーを演奏するんだから大変だなあ。
と、感心しながら聴いていた。

仲の良い友人の演奏会って、
なんだか、久しぶりにおしゃべりしているような、
最近、どんなことを考えているのかまでわかるような。
そんな気持ちになるから、すごくおもしろい。

音楽って、言葉がない分、その人の本質が出てくるし、
ああ、やっぱりこの人は、
すごく優しい人なんだなあとか、
心の綺麗な子なんだなあとか。
そういうテレパシーみたいなものが
直接届くような感じ。

澄み切った水が流れるような、
とても気持ちのいい演奏だった。

だから、演奏するっていうことは、
テクニックとか練習ばかりじゃなくて、
人間性とか、日ごろの行いとか、
心を正すようなさわやかな
気持ちでいないといけないな
なんて思ったりする。

残念ながらポール・ラドミローって、
フルート曲を書いていないから、
よく知らなかったけど、CNSM(パリ高等音楽院)でフォーレの弟子だった人。

ラヴェル、エネスコ・・・すごいメンバーと同門下。
先輩のドビュッシーに認められていたとか。

なんだか、映画音楽みたいな、
素朴で叙情的なメロディーが多くて、
ちょっとこうわざと
単純なメロディーラインを入れるところが
フランス6人組っぽいかなあと思いながら
聴いていたのだけど。

オネゲルとかプーランクたちより、
少し年上みたいだから、
6人組より先に、こういう素朴な感じの作品を作っていて、
ケルト民族の音楽にこだわった人みたい。

あまりよく知らなかった作曲家の音楽に出会って、
題材になっている作家について調べたり、
同時代の人たちのことを調べていったりするのって、
とても楽しい。

ところで、パリの公園には、よくロバがいて。
子供たちを乗せて歩いている。

このロバたちは、ちゃんと家に帰るから
夕暮れ時になると決まった道をたくさんのロバが歩いて
帰っていくんです。

この文章を書いていて気がついたけど。
そういえば、公園でロバを見て
この曲の題材もロバだったから。
珍しく、パリでロバな1日だった。(笑)


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