ポテチ4歳5ヵ月時点での、最大の悩み…『他害行為』
他害行為とは、文字のとおり、『他者を害してしまう行為』のこと。
ポテチの場合は、イヤなことがあった場合に、相手のお子さんをつねったり・噛んだり・押したりしてしまいます。
頭では「いけないこと」とわかっていても、その場ではカッとなってしまい、行動を我慢することができません。
行為があった後に、「どうしていけないのか」を説いてきかせることももちろん大切です。
ですが、ポテチは「どうしていけないのか」についてはある程度理解しているし、「本当はどうすればよいのか」も、教えられている範囲で答えることができます。
でも、いざその時になると、カッとなり衝動を抑えることができません。
相手の子を押したり噛んだりした直後に、「あっ・・・」という顔をして呆然としている様子がみて取れることもあります
また、叱られる、と予測ができるためか泣いてしまい状況が説明できないことや、押し黙ってしまうこともあります。
他害行為に介入するにあたっては、目標を以下のように考えられるのではないかな、と思います。
(*あくまで経験からの私見です)
行為の前
①行為につながる前に、ぐっとこらえられる。
②行為につながる前に、SOSが出せる。
③行為につながる前に、衝動を他の行動に置き換えられる。
行為の後
①どうして「いけないこと」なのかがわかる。
②「本当はどうすればよかったのか」がわかる。
③相手に謝罪できる
もう少し良い手だてや目標が考えられるかもしれないですが、ポテチの場合は、この辺りをねらいにかかわっていました。
この時期に力を入れていたのは、「行為につながる前に、ぐっとこらえられる。」こと。
そのために、『クールダウン』のためのスペースを療育中に用意してありました。
集団プログラムの場合は、室内の端に段ボールで区切った一角がありました。
丁度こどもがすっぽりとはまれて、周囲からの視線が遮られるように配慮されていました。
1名様利用なので同時には入れませんが、「パニックを起こしそうだ」と感じた場合や、すでにパニックに突入した場合に入ることができます。
ポテチの場合、「パニックを起こしそうだ」と自覚してクールダウンのためのスペースに入ることは難しかったので、指導員の介助で入っていました。
クールダウンスペースの活用と、クールダウンしてから振り返りを重ねることで、目先の他害行為をストップできるよう取り組んでいました。