今日は、マナーについての個人的な思いです。
イメージしやすく、フレンチのテーブルマナーをメインに
書いてみようと思います。
私がまだ10代(1970年代)の頃は、フレンチというと、東京でもホテルのメインダイニングで、改まっていだだくものという感じだったと思います。
けっこう書籍とかで、いろいろ細かいことが書いてありました。
まだまだ、日本人が、欧米主導の国際社会でマナー知らずの田舎もの、と思われたくないという、気負いに満ちてた時代背景も手伝っていました。
様々な経験を20代前半から重ねて、今につながる当時、悟ったことは、
「マナーとは、基本的に人に不快感を与えないためのもの。」
基本を知ったら、あとは、フレンチなら楽しげにいだだくということです。
むしろ、細かいことを意識しすぎる方が、リラックスした感じがなくなって、優雅さがなくなってしまうように思えます。
太宰治の小説、「斜陽」のお母様が、良い例だなと思います。
細かいマナーから外れているのに、優雅に見える。
なかなか、できませんが…。
1980年代は、まだまだ東京もフレンチといえば、
ホテルでいただくしかない時代でした。
有り難いことに、多くのホテルの方々から、若い私は教えていただきました。
そして、これらは、今をいえばファインダイニングを意識したものです。
現在は、日本中の都市には、カジュアルなレストランやビストロがあり、
もっと気軽に伸びやかに楽しめますね。
ファインダイニングではしないけれど、ビストロではすることは
私の場合、指を使って、直接、食べたりすることです。
一番は、アスパラをいただく時。
これは、ホテルオークラの今は亡き野田岩次郎さんのご著書か、
どなたかに教えていただいたか、忘れてしまいましたが。
アスパラを楽しく、美味しく食べるのには最高です。
2018年の初夏に、パリに行ったときです。
生粋のパリジェンヌの友達とビストロで食事した時、アスパラをいただきました。
二人とも、申し合わせたように、アスパラを手でつまみました。
そして、マヨネーズソースをつけて食べ始めた時、なぜか、お互いに笑いました。
「手で食べるのが、一番美味しいわよね。」
その時、はるか昔に、私にこの食べ方を教えてくださって方に
感謝したのでした。
マナーをふまえて、マナーを忘れる感覚です。
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