無私の民(終戦のエンペラー) | 気ままシアター

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終戦のエンペラー 

「終戦のエンペラー」試写会行ってきました~

夏になると戦争関連映画がよく公開になりますが、
本作はちょっと違った種類の映画だった~

終戦後の日本の礎のお話、
そしてアメリカから見た日本の終戦が描かれていました~


ストーリー

1945年、第二次世界大戦で降伏した日本に
マッカーサー(トミー・リー・ジョーンズ)率いるGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)がやってくる

直ちにA級戦犯の逮捕が命じられ、
日本文化の専門家フェラーズ准将(マシュー・フォックス)は
極秘命令を受ける

「戦争における天皇の役割」
連合軍側は天皇の処刑を望んでいたが、
マッカーサーは、処刑は激しい反乱を招くと見ていた

フェラーズは真実を知っている天皇の側近たちを探しながら、
13年前に生き別れた日本人女性アヤ(初音映莉子)も
密かに探していた

本当の戦犯は誰か?

証拠のない証言だらけの報告書
マッカーサーはついに天皇への直接対面を希望した



毎度の戦争映画ではあるものの、
日本の焼け野原感がハンパなかった~

恐ろしい程、焦土と化した日本、
原爆のシーンもありましたが、
舞台は東京

GHQの本部は戦火をまぬがれた日比谷の日本生命の社屋でした~

マッカーサーっていうとあの、
例のパイプを持って飛行機から降りてくるシーンがあまりにも有名ですが、
本当はどんな人かって実はあまり知らなかった私

アメリカはね、日本の再建を目指しています

まぁ、実際には小麦を売るための戦略的統治で、
一日3食とか学校給食にパンが出されるようになったのも
GHQのおかげ(戦略?)だったと聞いたことがあります

とはいえ、世界の世論は戦争を始めた日本の責任追求と
戦犯の死刑に断然傾いている

でもね、マッカーサーはちょっと違うのね~
日本兵たちは「天皇万歳」的な戦い方をしていたから、
天皇陛下を処刑したら、この国は危険な混乱に再び陥ると見ています

フェラーズは次々と元天皇の側近に面会していくんですけど
日本人独特の国民性がよ~く描かれていた~

一つの大きな拠り所を見つけると
ものすごい団結力で良くも悪くもなってしまう
そして、お国やチームの為に個人をこらえる「無私の民」なんですね~

現在は自己主張する人も増えてきたかもしれないけど
やっぱりこういうところあるよね~

仕事の仲間とランチに言って、
「俺、A定食で。」っていうとその後「じゃ、同じで」と続くみたいな~
自分だけ違うことを言ったりやったりすることは禁という
まぁ、短所でもあるけど日本人のいいところでもあるね~

これを外国人が理解するのは、無理だろうね~

とにかくみんなが天皇を擁護するようなものすごい世界感でした~

スクリーンがね、最初から最後までピーンと張り詰めているような
緊張感のある作品

真実はどうなんだ~!!
って思っていたらラストにはその種明かしがビックリの緊張感の中ありました
でもね、そこは日本だからね~
白黒付けないのが日本流、
日本はほとんどのものが灰色なんですよ~

サイパンに旅行に行くと必ず連れて行かれる「バンザイクリフ」
日本人がこぞって「天皇陛下万歳」と言って飛び降り自殺した
美しい海の断崖絶壁

「天皇の為に戦争したのに、どうして天皇は戦犯に問われなかった?」
という小さな疑問が大きく晴れます

天皇陛下(この作品では昭和天皇の裕仁天皇)の印象が
ものすごい角度で変わりました
すごい人だったんだね~

いつの世も取り巻きが話を難しくしちゃうってことある、ある。

日本映画ではここまで天皇陛下についての制作は難しそうです
アメリカ目線ではありますが歴史の違う1ページが見られました

「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び・・・」の玉音放送の真実にも
ビックリした~

歴史映画だから会場も圧倒的に男性が多かったんですけど
「悲恋ラブストーリー」もあって泣きそうになるほど
女性向けな箇所もあります

あ、当たり前ですがハリウッド映画なのでね、
ほとんど全編字幕です
西田敏行さんとか、中村雅俊さんも英語セリフです~


マシュー・フォックス