著者: 重松 清
タイトル: 流星ワゴン
泣きたくない?
さわやかに泣きたくない?
念願の小説が文庫になった。
読んで欲しい。
多くの同世代の人に読んで欲しい。
まず、重松さん本人の紹介文を引用する。
ひきこもり、暴力をふるう息子。浮気を重ねる妻。会社からはリストラ寸前……死を決意した37歳の僕は、死んだはずの父子が運転する不思議なワゴン車に乗り込んだ。
37歳・秋
「死んでもいい」と思っていた。
ある夜、不思議なワゴンに乗った。
そして――自分と同い歳の父と出逢った。
僕らは、友だちになれるだろうか?
28歳のときぼくは父親になり、父は「おじいちゃん」と呼ばれるようになった。親になってからの日々は、時間が重層的に流れる。小学5年生の長女を見ていると、小学5年生の頃の自分を思いだし、その頃の父のことも思い出す。少しずつ、昔の父のことがわかってきた。こどもの頃はあれほどおっかなかった太い腕が、じつは決して太くはなかったんだとも気づいた。長生きしてほしい、なんて口に出すのは嫌だから、ぼくは父親と家庭の物語を紡ぐ。――(重松清)
ファンタジーの設定を借りながら、主人公が、人として、男として、オトナとして、そして父親として、気づき目覚めてゆく過程を描く。
私の場合は、父親を7年前に亡くしていること、主人公とまったく同世代であることが重なり、自分を投影しながら、のめりこみながら、むさぼるように読み、そして、泣いた。
いろいろな読み方、感じ方はあるだろう。
もちろん、批判的な評価もある。
それでも、この本を読まずして、重松清は語れまい。