
著者: 重松 清
タイトル: みんなのなやみ
重松さんの本が好きである。
彼の小説に出てくる主人公が好きである。
主人公と一緒に、いや、主人公に同化し、泣き笑い怒り喜び悩む自分がいる。
そんな自分が好きである。(←あほか)
さて、本書。
これは小説ではない。
中学生以下の少年少女の素朴だがストレートな悩みに重松清が丁寧に答えるという企画モノである。
しかし、氏の答えは本当にわかりやすい。
心にダイレクトに響いてくる。
これは一見、中学生以下へのメッセージでありながら、実は、コドモたちの悩みや素朴な疑問に「明確に」答えることのできないオトナたちのための手引きでもあるのだ。
「がんばる意味って?」
「学歴と年収の関係は?」
「なぜピアスしちゃいけないの?」
これらの質問に明快に答えられるあなたは立派な大人。読まなくても大丈夫。
でも、こんな質問されたら「困るよなぁ」と自信なさげなあなた。少しでも答えにつまったあなた。一度、目を通してはいかが?
コドモたちとどうかかわればいいのかわからない先生や親やオトナたち。何かきっと見えてくるものがあるはず。
ダメなことはダメ。そして、何故ダメなのか。もちろん何故ダメなのかは、すぐに言わなくてもいい。でも、自分の中でその答えを持ってかかわるのと、「そのうちわかる!」とゴリ押しするのとでは、その伝わり方に大きな差があることをわれわれオトナは気づかなければならない。
ある事柄に対して、自分なりの答えを持つ。とても大切なことだと思う。何かが起きたとき、何もしない方がよいこともあるだろう。でも、その何もしないというのは、ただ漫然と何もしないのではなく、自分なりに考え悩んだ結果として導かれた「何もしないという選択」であるべきだ。
自分なりの答えを持ってというのは、コドモに対してだけでなく、自分の周りにいるすべての人たちに自分がかかわるときにも同じだろうと思っている。
心がほわんとなるいい本だ。
小4の息子と小2の娘に読ませようっと。
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