【詩】ぼくの心臓



すらすらと 美しく

描かれたぼくの心臓は

不器用なぼくにそっくりの

作られる途中だった



ママは今でも大事そうに

ぼくを抱きしめるみたいに

描かれた心臓を指でなぞって

時々 泣いている



すらすらと 美しく

描かれたぼくの心臓は

息をするのも精一杯で

それでも 生きたいと願ってた



ママはいつでも思い出せるように

忘れないようにと 手帳の中に

描かれた心臓をお守りにして

時々 懐かしんでいる



すらすらと 美しく

描かれたぼくの心臓は

今は自由を掴んで

飛び跳ね 走り回っている



ママは眠ったぼくを抱きしめて

動いている心臓を確かめる

もう一度ぼくを抱きしめて

時々 泣いている



ありがとうと

つぶやきながら



ハッピーバレンタイン

ハートのいちご見つけたハート




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