天才子役としてスクリーンに登場したブルック・シールズ。そのデビュー2作目に、彼女が12才の少女娼婦を演じたプリティー・ベイビーが有る。20世紀初め、ジャズの息吹が生まれていたニューオリンズの紅灯街、ストーリービルの少女娼婦と、実在の写真家ベロックとの淡い恋をあつかった素敵な作品だ。
この映画のサントラを担当したピアニスト、ボブ・グリーンさんが日本ルイ・アームストロング協会ミニ例会で浦安ハブに出演する。映画プリティーベイビーの監督はフランスのルイ・マル、、、と言えば死刑台のエレベーターでマイルスの音楽を最高の形でサントラに生かした、ジャズが大好きな名監督。
写真家ベロックはニューオリンズに住み、娼婦の写真ポートレートを多く撮影した実在の人。ガラス盤に銀塩の乳剤を塗ったベロックの多くの写真乾板が発見され、娼婦の写真の芸術性、精神性の高さ、そして娼婦のポートレートのいくつかは顔の部分が削り取られているなど、ミステリアスな興味も誘い話題になった。また、私達がニューオリンズに住んでいた1971年頃、私達もよく知っていたジャズ歴史家アル・ローズが、紅灯街ストーリービルに関するインタビュー、当時の新聞記事、資料をまとめ、“ストーリービル”という本を発行した。その中に、少女娼婦の話が収録されていた。元々大のジャズファンだったルイ・マルが、この二つの話を知り、20世紀初頭のノスタルジア溢れる大人の寓話として、1978年プリティーベイビーを制作した。
この時ジャズ通のルイ・マル監督は、ストーリービルで活躍したジャズピアノの開祖とも言われるジェリー・ロール・モートン、そしてジェリーの先輩でもあるトニー・ジャクソンやラグタイム音楽をサントラに使うことにし、映画タイトルはトニー・ジャクソンの名曲、プリティーベイビー、そしてジェリーの再来と言われるボブ・グリーンにピアノ演奏を依頼してきた。
ボブはスクリーンには登場しないが、冒頭から流れるピアノによるジェリーのブルースは、紅灯街ストーリービルのリアルな雰囲気を美しく伝えている。また、サントラにはジャズ歴史かとして有名なバイオリニスト、ビル・ラッセルのラグタイムバンドも顔を黒塗りして画面に登場する。