本書に収録されている11作品は、すべて若い女性の一人称小説の
形式で展開します。タイを旅する女、グラビアアイドル、厩舎で働く女性、
女子大生など、さまざまな環境に身をおく女たちの恋模様が描かれています。
『ライド ライド ライド』『もう、家に帰ろう』『旭山動物園写真集』など、個
性あふれる写真で注目を集めてきた藤代冥砂が、この小説集にどんな思いをこめ
たのか? この点に関して、著者は次のように語っています。
「各話、ゴール地点がうなだれているような話にはしたくないと思っていまし
た。世の無常を謳うようなものではなく、ちゃんと最後は顎を上げられるよう
な、柔らかな、ちょっとほの明るい明日が感じられるようなもの。単純なハッ
ピーエンドではないけれども、ハッピーな明日を予感するようなものにしようと
は考えていたのです。......自分の実感としては、『明るい未来』の存在を漠
然とごく当たり前のように感じていたから、そういう感覚をみんなが薄々と持つ
ことができればそれだけでもいいという、ちょっとした願いがあったのです」
--「SWITCH」2007年3月号より抜粋
クレーターと巨乳 (単行本)
藤代 冥砂 (著)