
1972年に公開されたブラックイクスプロテーションの勢い、息吹を感じさせる名画。
いわば「ゴッドファーザー」のようなマフィアの手先のアフロアメリカンと当時の警察、アフリカンの刑事「黒いジャガー」よりかはいくぶん渋めな刑事の活躍を描いた映画。
コレは時代設定がおそらく60年代以降、70年代なんでホワイトマフィアだけではなくアフリカンマフィアが出てくるところが斬新ではなかったのではないでしょうか。「ゴッドファーザー」の時代設定は1950年代くらいなんでアフリカンがほぼ出てこないのに対してコレはその辺が決定的に違うような気がします。

NYのハーレムが舞台になっているのでしかもいきなり事件が始まるが強盗殺人なんだけれど二人の警官と五人の市民が犠牲になるが全員、アフリカンである。30万ドル強奪事件。
捜査主任には特殊地域なんでってことでアフリカンの警部が捜査主任となるがハーレムを管区とするヴェテランのホワイト部長刑事(アンソニー・クイン)とことごとく対立する。
映画「48時間」のような軽妙なやりとりはなく本当にいがみ合っていてなんだったら捜査から引き摺り降ろそうかって勢いである。

俺らの住んでいる日本なんかでも禁忌で立ち入るなって境界線というか地域はあるけれど、ここハーレムでは110番街交差点を境にしてアフリカン以外は立ち寄れないって意味合いがあるらしく、そういう図式なんか観ていると未だに日本の田舎地域で観られる暴走族的な輩は居ないというか、格好の標的ですからね。向こうでは撃ち殺されてしまう標的となってね。
コレは非常にその後のクライムムービーでも取り扱われた題材でもあるが、NY市警といっても情報を得るためには向こうのフェンス(110番街交差点)の向こう側のボスにも賄賂を要求する悪徳刑事であるとか、ホワイトとアフリカンの対立であるとか、色んな要素がはらんだ秀作である。
本当の巨悪は何処にあるのか?色々考えさせられる映画でやたらビルとビルの間とか屋上であるとかを蠢く怪しい刑事、警官、マフィアに下っ端のアフリカンなど、その特にラスト10分くらいの攻防は目を見張るものであったし、コレは劇場で観ていたらいわゆる鳥肌が出たように思えるたまらないクライムムービーに感じました。TV映像でも十分に伝わりましたけれどね。
監督がバリー・シアー(知らない)、制作にアンソニー・クインで音楽がJ・J・ジョンソンなんだけれど、劇中に流れるボビー・ウーマックの曲が最高にクールである。正直アンソニー・クインくらいしか著名な俳優が出ていませんがこの原作にほれ込んで制作を請け負ったという処がなんとなくそこも渋いなぁといいますかね。メキシコ系米国人でその出自なんかにも関係しているかもしれないけれど、So Cool!なクライムムービーでキャメラアングルもイカしています。