人生で初めての出産をミラノでしました。生まれた我が子はいとおしくて、とてもかわいいです。
ミラノの公共病院で生みました。自然分娩だったので3泊で退院しました。帝王切開の場合は、一週間入院するそうです。ちなみにイタリアの公共病院で出産する場合、費用は無料です。
予定日を三日過ぎても生まれそうな兆候もなく、前日の夜にはアペリティフ(私はお酒は飲みませんでしたが)に出かけたりして、割とゆったり過ごしていました。当日の夜、陣痛かどうかわからないけれど(結局それは陣痛でした)、とりあえず10分おきにくる痛みに耐えて、お好み焼きを食べる余裕もあったりして。
夜は寝ようとしたのですが、これもたびたびやってくる痛みで寝れず。結局ほとんど寝れないまま朝になり、痛みの感覚も7分おきになったので夫を起こして病院へ行ったのでした。
子宮口が既に6センチも開いていると言われ、あらーこれはもしかして、もうすぐ生まれるのかしら?などとその頃の何も知らない私はそんな悠長なことを思っていたのでした。
分娩室に通され、医者らしき女性に「こうやって、痛みがきたらふんばるのよ」と教わり、気づくと夫と二人だけ(立会出産)にされていました。時々様子を見に看護師が部屋に来てくれるものの、それも数時間に一度だけ。その間、私はふんばり、夫は私をサポートしてくれ、でもよくわからないが全然生まれる気配なし。お腹に付けている胎児の心音を読み取る機械もぼとぼと落ちる。そのたびに拾ってつけなおす。そうこうしているうちに、さっきの医者が来たので「全然何の変化もないんですけど。いきめないし」というと、「あらー。まあそうよね。試しに言ってみただけだからいいのよ。」と言われました・・。
えっと、そんな試しにって・・・こっちは何時間も必死にいきんでたんですけど!私は実は、叫んだりせず静かに出産をしたいと思っていました。この時点ではまだまだ陣痛はそれほどでなく、笑顔で写真を撮ってもらう余裕もあり、もしかしたらこんなもんなのかなあ、これだったら叫ばずに出産できそうなどと、平和なことを考えていました。
そうこうしているうちに、午前から午後のスタッフに交代になり、陣痛もいよいよ強くなってきました。すっごく、痛い。どこがというと、腰が。ここで、買っておいたテニスボールが役に立ちました。夫に、テニスボールで後ろの腰の部分をぐりぐりと押してもらうのです。これで痛みが和らぎます。
前の職場の同僚のロシア人に、「出産は、お尻の中で傘が開く感じよ」と言われていたのですが、まさにその通り!あまりの痛さにびっくりしました。
私の妹は「すごく痛いよ~」と言っていましたが、そんなレベルじゃない!
陣痛が来たらそれに合わせていきむのよ、と言われるのですが、全然いきめない。それどころか痛みが来るときゅーっと奥にひっこめてしまいます。私、全然うまくいきめない・・・。破水も全然しなくて、結局卵膜を破いて羊水を出しました。
スタッフは4人態勢になり、そのうちの太ったおばちゃんは私のお腹を肘でぎゅうぎゅうと押します。すごい力!肘がお腹にめり込んでいます。
最後は赤ちゃんの頭を引っ張って、私のお腹を押して、会陰は裂けて、やっと出てきました。一度で全部出てこなくて、途中で引っかかった時が一番痛かった・・・。「ぎゃー」と叫んでいました。あれは、叫ばずにはいられないくらい、まるで世界で一番ひどい拷問を受けているかのような、人生で初めての痛みでした。はっきり言って、トラウマになりましたね。産後一週間、寝るたびにひどい悪夢を見続けました。
それでも、やっと生まれてきてくれた我が子を見たら感動でいっぱいになりました。そしてこの病院ではカンガルーケアをしてくれました。生まれてすぐ、裸の赤ちゃんを私の胸の上に乗せてくれ、そのまま2時間。肌と肌がくっついて、温かい。生まれたばかりのふにゃふにゃの我が子を、おそるおそる触りました。目もきちんと開いていないのに、おっぱいの近くに乗せると自ら口をあけて吸い付いたのを見た時、この子の生命力を感じました。この子がずーっと私のお腹の中に入っていたのね。生まれてすぐの2時間は、赤ちゃんの意識がはっきりしているらしいので、二人で話しかけたりしました。赤ちゃん、お疲れ様だったね。
このカンガルーケアはとても感慨深い経験になりました。ここの病院で産んで、良かった。
こんな感じで無事、出産を終えることができました。ずっと付き添ってくれた夫に感謝です。
そして、世の中の経産婦の方たちを、特に二人以上子供がいる方を、尊敬します。こんなことを2度以上もするなんて・・・。私の友人には9人兄弟がいるのですが、この友人の母親のことを陣痛の間、何度も思っていました。彼女のお母さんは、こんなことを9回もしたのね。
私の母は三人も生んで育て、本当にすごいと思います。母さん、生んでくれてありがとう。
その後は病院で授乳や沐浴の仕方などを教わり、部屋で赤ちゃんとベッドに寝そべり、一日に何度か検診してもらい、のんびりと入院生活を送りました。3泊4日の入院を経て、初めて三人で家に帰ったのでした。












