わが家にはデジタル式の
温度・湿度計がある。
コロナ前、エアコンの故障を放置して
扇風機を使っていた頃、
熱中症防止のために買ったものだが、
今年は畳のために湿度ウォッチが欠かせない。
畳を交換してくださった樋口畳商店さんによると
新品の畳は洗土という泥染め染料が少し残っていて
浮いてくるかもしれない、また、
環境になじんでおらず、湿度が高いとカビが発生しやすい、
湿度が高くなるとい草の香りが強くなるから
換気に気を付けてほしい、と教えていただいた。
洗土については、事前にかなりきれいに落としてくださったそうで
わが家の畳では気にならない。
カビ防止は湿度計をみながらエアコンのドライを使ったり
扇風機で空気を循環させたりして、
最悪でも65%までにとどめるようにしている。
お手入れ以外に気を付けているのは歩き方。
わが家の畳は伝統的な祝儀敷き、といわれるもの。
上のイラストでいうと下の方が襖4枚でリビングと隣接、
右側に掃き出し窓、左側に押し入れ、上の方は壁だけ。
畳は縁ありだが、イラストのとおり、一番上の2枚については
短辺が縁なしで隣接している。
マンション購入当初に敷かれていた畳も
同じ配置だったが、縁なしで隣接しているところは
けっこう隙間があいていて、
はがき位のしっかりした紙を簡単に差し込むことができた。
今回は職人さんがしっかり寸法を測って
ぴったりの寸法でいれているので、
コピー紙もはいらないくらい隙間がない。
お見事な仕上げだが、
縁がないので、この辺を歩くと
い草が擦れるのがわかる。
縁がない部分はどうしても擦れることになり
ここから劣化するらしい。
幸い、ここを通らなくても布団は敷けるし、
引き出し収納も縁がある部分に設置されているので
生活に支障なく縁なし部分を大事にできる。
縁なし部分を余り通らずに済むのは偶然かもしれないが、
新しい畳にして改めて感じるのは
この祝儀敷の合理性。
画像のとおり、畳の目は短辺に対して平行になっている。
4枚襖になっていてもたいてい真ん中から和室に入るので、
最初の一歩は畳の目に沿って踏み出せる。
掃き出し窓に向かって立つと、
また畳の目に沿っている。
目に沿って立ったり歩いたりすれば、
畳を守ることにもなると思う。
私は今時の人間なので、
最初の一歩を踏み出したら、
あとは畳の目を無視して斜めに歩いてしまうが、
お作法にのっとって歩けば、
畳の目に沿って歩く確率が高くなると思う。
私が若いころ、地元では高校生くらいになると、
女の子は華道と茶道を少しは習うことが
常識のように考えられていた。
私はその考え方に逆らっていたが
30近くになってからちょっとだけ習っただけだが、
華道は床の間に飾るお花を活けるため、
茶道はお茶を点てるだけでなく、
和室を使う作法を学ぶために
必要だったのではないかと、
今では思っている。
当時習ったことは、もうほとんど覚えていないが、
茶道の所作、和室での立ち居振る舞いについて
すべて理に適った動きをすること、
と教えていただいたことは覚えている。
畳の目に沿って歩くことも、
見た目だけではなく、
畳を守る目的もあるのだろう。
こんな古い話を思い出すのも
伝統的な畳ならではだろう。








