①敗血症における血栓形成の意義
microparticle:数十~百nmの血球からの分離成分
定義ははっきりしていない
細胞死が免疫を調節する
周りに炎症を波及させない:アポトーシス、オートファジー
炎症を誘発する:オンコーシス(旧ネクローシス)、ピロトーシス
NETs:好中球は血栓形成において主役である
免疫血栓の形成には単球、好中球などの自然免疫系の細胞が関わっている
非自己の排除の一環として血栓が形成される
免疫血栓の中にNETsが含まれる
NETosisで放出されるアラーミン(ヒストン、DNA、ヌクレオソーム、プロテアーゼ、HMBG1)は凝固・血小板活性化作用がある。
用語の整理 アラーミン:内在性に免疫系を活性化 PAMPs:外因性に免疫系を活性化 DAMPs:アラーミンとPAMPsを合わせたもの |
特に好中球が血管内皮細胞に接着した状態でNETsを起こすと血栓形成+アラーミン(特にヒストン)による内皮傷害が生じる
傷害性の強い物質から生体を保護する機構
PTX3(ペントラキシン)
ヒストンを絡め取って傷害性を抑える
CRPも循環ヒストンの毒性を緩和する
ペントラキシンはN末端の長さによって2つのグループに分けられる
long:PTX3
short:CRP、serum amyloid P component
glycocalyx
血球の接着を妨げ、血栓形成を抑制
様々な物質の集合体:主体はプロテオグリカン
シンデカンと糖鎖からなる
グリコサミノグリカン(ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、ヒアルロナン):ヘパリン様物質
免疫血栓はglycocalyxを破壊するがアンチトロンビンがこれに拮抗する
血小板:もう1つの白血球である
血小板は白血球と同じように作用
血小板中の顆粒に抗菌物質や凝固物質が含まれる
血小板は一次凝集と不可逆的な二次凝集によって減少する
②敗血症におけるDIC診断基準
急性期DIC診断基準:治療開始基準・重症度判定で有用
問題点:SIRS項目が除かれてしまった
→転機予測にアンチトロンビン活性低下が有望
SIRS項目≧3の死亡率に匹敵する指標としてアンチトロンビン活性≦70%
ただしコストが高いので現実的ではない
PT、血小板数が死亡率予測に有用であった
急性期DIC診断基準の欠点:スコア6, 7では死亡率は少し低下する
③敗血症性DICにおける抗凝固療法の有用性
基礎疾患の治療が第一だが、DICを合併している場合は抗凝固療法が必要になることがある
リコンビナントトロンボモジュリン:統計学的有意差は出ず。ただし現在phaseⅢ試験を実施中
アンチトロンビン:アンチトロンビン活性≦70%の症例に弱く推奨
抗凝固療法は期待されるが、確かな効果が検証された薬剤はない
④アンチトロンビン
トロンビンをscavenge
血管内皮細胞上のglycocalyxに結合して構造を安定化
構造
3つのジスルフィド結合
96, 135, 155, 192のアスパラギン酸に糖鎖が付く:糖鎖によって活性が変化する
135に糖鎖がついているαフォームとついていないβフォーム
ヘパリンの親和性:β>α
ヘパリンが結合すると活性中心が外側を向き、1000倍の効果を発揮
ref.
①
immunothrombosis:https://www.nature.com/articles/nri3345
細胞死:http://iai.asm.org/content/73/4/1907.long
NETosis:http://circres.ahajournals.org/content/112/11/1506.long
PTX3:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5013257/
glycocaryx電顕:http://circres.ahajournals.org/content/92/6/592.long
glycocalyx:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jmj/62/4/62_330/_pdf/-char/ja
血小板:https://www.nature.com/articles/nrmicro3269
②
DIC死亡率に有用な指標:http://bmjopen.bmj.com/content/7/9/e017046.long