「QUIZ」('00) | Marc のぷーたろー日記

「QUIZ」('00)

QUIZ(1) [DVD]/財前直見,内藤剛志,鈴木紗理奈
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財前直見さん主演のミステリーサスペンスです。共演は内藤剛志さん、生瀬勝久さん、温水洋一さん、竜雷太さん、鈴木紗理奈さん、森口瑶子さん他。

Wikipedia「QUIZ」

このドラマの前年に同じ枠 (TBS 金曜22時) で放送された「ケイゾク」('99) とキャストがかなり重なっており、「二匹目のどじょう」狙いの臭いががプンプンしていますが、「どんなもんじゃろ?」くらいの軽い気持ちで観始めました。




う~ん。。。



作り手側の意図は分かるんですが、その伝えたいテーマが全面に出過ぎるあまり、空回りしてしまい、結果的に破綻してしまった失敗作ですね…。

大筋では悪くないんです。毎回次が気になる終わり方で、最終回まで目が離せない展開でしたから。

でもあの「ノーテンキ過ぎる」エンディングはありえないです。穿った見方をすれば、ストーリーを膨らませ過ぎて収拾がつかなくなり、ニッチもサッチも行かなくなって、無理矢理まとめたという印象しか残りませんでした。


また結末のヘナチョコさ以外にも、細かいところで不快に感じるところが多かったのもマイナスポイントの一つ。題材が題材だけに「下品で悪趣味」になるのは仕方ないのですが、それとは異なる不快感があったのです。

それはあまりに女に都合が良過ぎる内容だということ。

物語に登場する子供たちの家庭はどの家庭も両親が不仲で、両親どちらにも問題があるのですが、それでも母親については、その「いいわけ」をクローズアップし、視聴者の同情や共感を誘っておきながら、父親については内面にほとんど触れず。これでは家庭を顧みない父親だけが一方的に悪人に見えてしまいます。どう考えても夫婦「同罪」であるはずなのに。

脚本を担当しているのが女性 3人であるせいかもしれませんが、必要以上に父親を貶め、更に他の男性キャラについても不当に愚かな生き物のように描く姿勢には反吐が出そうになりました。

また、この物語の登場人物中、唯一の「良心」とも言える白砂 (内藤剛志さん) のキャラクターも、極端過ぎてリアリティがないし。


そしてこのドラマでどうしても納得がいかないのは、心神耗弱状態だったとは言え、白砂を刺した舞 (森口瑶子さん) に対して何の対応もしない警察の姿勢。少なくとも精神的に不安定な状態であり、捜査の妨害をしかねない状態であるならば、たとえ逮捕・起訴しなくても、強制的に病院に隔離するなどの対応をするのが当たり前。

ところがストーリー展開上、舞が刺したエピソードは、その後、刺された白砂が傷を負っているという設定になった以外に全く何の伏線にもなっておらず、何事もなかったかのように放置されたまま終了という有様。舞というキャラクターの自己中心性を示しているとも言えますが、いくらなんでも不自然です。ここも脚本上、収拾がつかなくなったんでしょうね。


そんなわけで、ネタとしては面白い題材を扱っているのに、脚本が練り切れていないために、致命的に破綻してしまった残念な作品です。


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