「ケイゾク」('99) | Marc のぷーたろー日記

「ケイゾク」('99)

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中谷美紀さん、渡部篤郎さん主演の刑事ドラマです。共演は竜雷太さん、鈴木紗理奈さん、野口五郎さん他。

放送時の視聴率自体は決して際立って良かったわけではないのですが、カルト的な人気を得て、放送後には特別篇、更に翌年には映画版も製作されたヒット作です。

Wikipedia「ケイゾク」

本放送当時も前半の 1話完結部分の回を何回か観た記憶はあったのですが、全編通して観たことがなかったので、ちょうどスカパーで集中放送されていたこともあって、全話 + 特別篇を一気観しちゃいました (^^)v

演出の堤幸彦さん、企画協力の蒔田光治さんをはじめ、「天才的なセンスで謎を説く女」と「それを助ける男」の凸凹コンビが主人公である点など、後のヒット作「TRICK」の原点がこの作品であることがよく分かります。

堤幸彦監督らしい、特異なカメラワークとカット割りによる演出、そしてこまごまとちりばめられたシュールな小ネタギャグは、そのまま「TRICK」に引き継がれていますし、他にも細かいところでは、第7話のゲスト・高田万由子さんが演じた役名が「山田菜穂子」で、これは「TRICK」のヒロイン「山田奈緒子」と (漢字は違いますが) 同姓同名だということを今回観て初めて知りました。


肝心の内容ですが、充分に面白かったです (^o^)

堤幸彦監督特有の演出は好みが分かれますし、凝り過ぎていて飽きることもありますが、僕は結構好きです。それに中谷美紀さんも渡部篤郎さんも好きな役者さんですし。

でも今となって観ると、リアリティがなさすぎるように感じました。

「TRICK」のように終始一貫して現実離れした世界観なら気にならないのですが、「ケイゾク」の場合は、そこまで現実離れした世界ではないので、その中で現実離れした事件と現実離れしたトリック、そして現実離れした登場人物を見せられると「ありえないじゃろー」と突っ込みたくはなります。

特に主人公・柴田純 (中谷美紀さん) のキャラクターも奇をてらい過ぎで観ていてイライラするし、中谷美紀さんでなければ視聴の「継続」はできなかったかも (^^;;;

それでも毎回、先が気になるストーリー展開であったことは確かで、リアリティさえ無視すれば、純粋に娯楽作品として楽しめる内容です (^^)

脇役 & 悪役好きとしては、早乙女管理官を演じた野口五郎さんの (演技そのものは下手だけれど) 怪演ぶりは本当に気持ち悪くてグッド!


ただ、必要以上に血なまぐさいシーンが多い上に、「幻視」のようなシーンでのカット割りのスピードが速過ぎるなど、観ていて気持ちが悪くなるシーンが多いのも確か。

何かとテレビの「自主規制」が多い昨今、地上波では放送しにくい内容かもしれないなぁと思いました。つまり、今後はこういうタイプのテレビドラマが作られることは日本ではないんじゃないかと思うのです。わずか 9年前の作品ですが、テレビドラマを取り巻く環境が一変したことを感じさせるドラマでした。