「GSワンダーランド」('08) | Marc のぷーたろー日記

「GSワンダーランド」('08)

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'60年代のGSブームを題材にした青春コメディです。主演は栗山千明さん、石田卓也さん、共演は水嶋ヒロさん、浅利陽介さん他。

映画『GSワンダーランド』公式サイト


「GSブーム全盛期を舞台に女の子のようなルックスで大人気の『王子様』が実は女の子だった」という発想の面白さに惹かれて観に行ったのですが、結局はその発想の面白さだけの映画でした。

面白くなくはなかったんです。僕は楽しめた部分も少なくなかったのですが、「青春コメディ映画」としてみると、メリハリも盛り上がりもなく、クライマックスにカタルシスがないのは致命的でしょう。

そもそも「GS」というもの自体が浅薄で内容のない馬鹿げたものだったので仕方ないのでしょうが、その GS の薄っぺらさをそのまま映像化しちゃった感じ。本当に薄っぺらい青春映画でした。

青春を描くのであれば、主人公たちの内面の成長や変化を葛藤を交えて丁寧に描くべきだと思うのですが、そういうこともなく、何となく GS としてデビューし、人気者になって、そして…とただ流されていくだけの若者たちの姿がダラダラと見せられるだけ…。当時の若者の薄っぺらさを表現しているとも言えますが、もうちょっと観ていて彼らに共感したり、惹かれたりするような「何か」が欲しかったです。

それにメインの 4人よりも、脇のキャストが濃過ぎて、そちらのインパクトの方が強過ぎたのもいけなかったのかもしれません。

事務所社長役の武田真治さんやライバルグループのボーカリスト役の高岡蒼甫くんの「怪演」ぶりはかなり強烈で完全にメインの 4人を喰ってましたし、他にも温水洋一さん、岸部一徳さん、大杉蓮さんといった個性派ベテラン俳優をはじめ、三倉茉奈・佳奈姉妹、ケンドーコバヤシさん、山崎樹範さん、佐藤二朗さんなど、かなりインパクト大。

これだけの強烈な個性を前にしては、若手 4人では到底太刀打ちできないですよね (^^;;;


それでも僕はそれなりに楽しめました♪

それは出演者たちの歌。

音楽を題材にしているのに歌手が出演していないのも珍しいですが、俳優専業にもかかわらず、皆さんなかなかいいグッド!

ボーカリスト役の石田卓也くんをはじめ、栗山千明ちゃんや高岡蒼甫くん、そして温水洋一さんまでが吹き替えなしで歌声を披露しているのですが、それぞれが曲にピッタリの歌声で、しかも巧いのでビックリ (@o@)

特に石田卓也くんの甘ぁ~い歌声は本当に '60年代のアイドルのような感じですし、高岡蒼甫くんもハリのあるいい声でかなり巧い (^^)v

また、彼らが歌っている曲はこの映画のオリジナルですが、当時実際に GS に曲を書いていた橋本淳さんの作詞、筒美京平さんの作曲による「海岸線のホテル」など、本当に '60年代に作られた曲のような雰囲気で、しかも一度聴いただけで相当に耳につく (^^;;;

特に主題歌とも言うべき「海岸線のホテル」はめちゃめちゃだっさい歌なのに、映画を観終わった後はしばらくサビの部分がぐるぐる頭の中を回っていました (^^;;;


そんなわけでこの映画は、青春コメディというよりは、'60年代のファッションや音楽を笑いながら楽しむ「音楽コメディ映画」と思った方が良いのかもしれませんね (^^)

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