勝手に墓石を処分された、、という裁判 | お墓の値段はいくら? 富山のお墓の営業マン・宮崎が正しいお墓の建て方を教えます。(富山・石川良いお墓研究所)

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こういう事もあるので気をつけましょう



最近石材関係者の間で話題になってるあるニュースがありました。
.「遺骨」と「墓」はなぜ勝手に撤去されたのか…宗教法人に下された判決
↑↑こういう記事についても石材店を経営してる立場に置いてはあたり障らずの意見を書くしかできないのが現状ではないでしょうか。
なので私が少しだけ突っ込んで意見などを・・・

それでは解説したいと思います。(間違ってたら指摘願います)
青い囲みが引用部分です。

さらに数日後に届いた回答書には、(1)管理料の不払いで墓地使用契約を解除した(2)何度も原告に連絡したが返事がなかった(3)墓地撤去は法的根拠に基づき、不法行為でない-などと記してあった。

原告側は、夫が亡くなった昭和43年当時に約250万円で永代使用権を購入したとし、「管理料の支払い義務がないことを前提に永代使用権を購入しており、滞納自体が存在していない」と主張。さらに法人側が墓地埋葬法に基づき市町村長から改葬許可証を得ていないなどとして、平成24年9月に地裁に提訴した。



昭和43年に永代使用料が250万円って当時の通常サラリーマンの年収以上だろというツッコミはおいといて、
契約当時には「管理料の支払い」については無かったんでしょう。しかし民営墓地なども急に管理する宗教法人が変わって檀家にならなければ出ていけと言われ裁判になっても今まで宗教法人側が負けた事は一回も無いんです。

今回の争点は宗教法人側が市町村長から改葬許可証を得ていないことと原告の管理料未払いです。


一方、法人側の言い分はというと、永代使用権を販売したのでなく、「土地使用契約」を結んだだけで、当初から管理料が存在していたと主張。管理料は昭和43年当初は年3千円だったが徐々に値上げし、平成2年には年1万800円、8年からは年1万3200円に改定していたという。



永代使用料と土地使用料って詳しい事はわからないけど、通常のどんな墓地も永代使用料ではないでしょうか。土地使用料って墓地登録してないんですか?
とにかく管理料は当初からあったという主張です。



しかも、原告側は7年に10万200円、19年に5万1600円をそれぞれ過去の管理料を払っただけで、4年以降の19年間分については管理料は払われていない計算になっていた。



あらら、管理料を過去に支払った事があるんですね。これは管理料が無かったという主張は通りません。
一円でも管理料を支払ったということであれば管理料があったということを認めた事と同じです。


さらに、法人側は毎年5月、原告側に滞納管理料の支払いを督促し、23年に入って複数回、管理料を支払わなければ墓石を撤去すると連絡していた。それでも支払いがなかったため、同年10月末で土地使用契約を解除し、11月下旬に抜魂の儀式を執行。墓石は撤去し、取り出した遺骨は納骨堂に保管した。

ただし、墓地埋葬法に基づく改葬手続きを踏んでいなかったことは認めるしかなかった。



寺院側が墓地埋蔵法の手続きを踏んでいなかったというのは信じられません。知らなかったという問題ではないですね。
英語の先生が英語を知らないっていうレベルです。



裁判はというと、

原告側3人は慰謝料1100万円、永代使用権の再取得費1千万円、墓石購入費250万円など計約2600万円の支払いを求めていたが、判決は結局、不法行為に対する慰謝料として、亡夫の妻に20万円、子2人に各10万円の計40万円を認めただけ。永代使用権や墓石については取り戻すことができないことになった。


永代使用料が1000万円もするの?というツッコミはおいといて、
管理料が支払われていないから墓石撤去は不法行為ではない。
法人側が墓地埋葬法の手続きを踏まずに改葬した行為については、「限度を超えて、原告らの精神の平穏が著しく害された」と評価。不法行為が成立すると認めた。って墓石撤去は管理料未払いの面からでは不法行為ではないが墓地埋葬法では不法行為だというのだから全く分からない。


判決は結局、不法行為に対する慰謝料として、亡夫の妻に20万円、子2人に各10万円の計40万円を認めただけ。永代使用権や墓石については取り戻すことができないことになった。



慰謝料40万円なら撤去したほうが得ですね


というのは冗談ですが、判決によると長年家賃を踏み倒し続けてる住人を少額の慰謝料を支払う事により追い出せて良かった!というものじゃないでしょうか?

最初から管理料を設定して販売した永代使用権であれば管理料を支払わないのは極僅かなんですが、途中から急に管理料を集めるといった場合半分くらいしか集まらない事もあるそうです。
墓地の管理料を支払わないって、給食費を支払わない親みたいなもんで道徳的に問題があると思います。

墓地、埋葬等に関する法律施行規則
第三条  死亡者の縁故者がない墳墓又は納骨堂(以下「無縁墳墓等」という。)に埋葬...された...焼骨の改葬の許可に係る前条第一項の申請書には、同条第二項の規定にかかわらず、同項第一号に掲げる書類のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一  無縁墳墓等の写真及び位置図
二  死亡者の本籍及び氏名並びに墓地使用者等、死亡者の縁故者及び無縁墳墓等に関する権利を有する者に対し一年以内に申し出るべき旨を、官報に掲載し、か つ、無縁墳墓等の見やすい場所に設置された立札に一年間掲示して、公告し、その期間中にその申出がなかつた旨を記載した書面
三  前号に規定する官報の写し及び立札の写真



原告側は↑↑の太字の部分を不当性があると裁判を起こしたのだが、勝利したことはしたが判決内容にガッカリして記者会見をおこなわなかった。

仮に永代使用料が当時のまま250万円に墓石代200万円を足すと450万円だが、慰謝料は僅か40万円なのだから宗教法人側は喜んで支払うでしょう。厄介払いが出来たってもんでしょうか。


数年前に金沢の野田山墓地(10万基ほどの墓がある)に一斉に札がかけられてました。
それこそ↑の墓地、埋葬等に関する法律に関する太字の部分です。これは無縁墓の整理の時に行われます。

市町村の公営墓地で管理料が支払われていない区画があれば札をかけられて無縁になったのかを調べ、ある一定期間に連絡がなければお経をあげて撤去しお骨は納骨堂にうつされてその時は再度販売されます。
法律では1年で撤去していいことになっていますが通常は数年猶予を見てる自治体が多いです。
寺院墓地でも同じようなことが行われています。

今回この手続きが無かったから弁護士はいけると踏んだのでしょう、しかし判決は思ったようにならなかったわけです。


しかし墓地、埋葬等に関する法律も知らない寺院があったという事に驚きました。
さらに勝手に撤去したのに永代使用権が戻らず慰謝料だけという判決にも少々驚きましたが「宗教法人を相手どった裁判には勝てない」という事実があるのでどうにもならないですね。
裁判自体は寺院側の負けですけど実質は原告の負けです。

多くの場合札がかけられ自宅に管理料を支払うようにと書かれたハガキがくるので「知らないうちに・・・」ということは無いでしょうが手続きさえ踏めば1年で墓石を撤去できるんです。

こころあたりがある人はすぐに管理料を支払いましょう。