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墓石の施工方法は各地域によって微妙に違うんですね。
実際に見せてもらったお墓以外のお墓をあとから見に行った方が良いと思います。
結論から先に言っちゃいましたね。
石材店が施工例として見せてくれるお墓はトラブルも無く建てたお墓です。
トラブルが無いお墓(加工ミスや施工ミスが無いお墓)ですので
きれいに建てられておりあまり参考になりません。
「えっ?上手に建てられたお墓を見せてもらったのに参考にならないんですか?」
と皆さんは思われることでしょう。
もちろん全く参考にならないわけはありませんが、
石材店の本当の実力って上手く建てられたお墓なんでしょうか?
消費者は契約したら
「お墓はちゃんと建つものだ。」
と思ってるようですが実はそうでない場合もたくさんあるんです。
そういうとこを見ることがとても大事なのです。
注意して見なければならない事は4つあります。
- デザイン的なこと
- 石のこと
- 加工精度のこと
- 施工のこと
この記事は前記事の関連として「施工」について書くつもりでしたが
施工を見るにあたって4つの事が重要と考えましたので
それについて説明したいと思います。
墓石のデザイン的なこと
センスがあるかないかを感じます。
サラリーマン時代には数多くの同僚がいましたが
建てられたお墓を見たら「〇〇さんが建てたんだろう。」
と見てスグわかりました。
見てスグわかるのは「花立香炊き」です。
ローソクを立てない地域は「水鉢」と「香炉」です。
花立香炊きにおいては、
やたらと大きいものであったり、デザイン性を重視したものであったり、
私の場合は動かしやすくてシンプルなデザインで
隙間が汚れないようなデザインにしていました。
石川県のお墓を見学に行った時には
「おいおい、これじゃ一人で花立香炊きを動かせないよ。」
と感じたことが多くありました。
掃除のときのことです。
また「水切り」においては
通常の「水切り」を好む営業マンや「亀腹」を好む営業マンと別れます。
北陸においては水切りがない場合は話になりません。
国内加工では今でも水切り(水垂)を付けない事もあるんですが
(つけると加工料金が高くなる)
私としては考えられません。
雨がやんでからでも二日ほどは水がたまったまま、
もちろん石は水を吸い込んだ状態であることは
誰が見ても分かるんです。
北陸では水切りが無いとはあり得ないんです。
私は「亀腹」を推奨(好きでした)しておりましたが、
良い石は「水切り」のほうが適してると思えてきて、使い分けをしています。
最近は亀腹は滅多につかいません、水切りの方が多いですね。
良い石はシンプルなデザインが良いと思います。
墓石のデザインは墓石本体と舞台・外柵なんですが、
大きくセンスが違ってくるのは「外柵」です。
全国から送られてくる設計図の中には
とんでもないものもありまして
毎回修正しなくてはなりません。
ここで皆さんも考えてみてください。
私に相談しなかった場合、その設計図通りにお墓が建ってしまうのです。
消費者は担当営業マンが出す設計図に関して
どこがおかしいとは分からないんですよ。
墓石営業マンはいままでやってきたことをそのままお客さんに提案します。
バカな営業マンにあたったら悲惨ですが
それも消費者はわからないのです。
特にオッサンと呼ばれる世代の墓石営業マンの中には
時代錯誤が甚だしいセンスのないのがいますから皆さんも気を付けて下さい。
お墓を見学に行くときはデザインも注意して見ることが重要です。
墓石に使用される石の事
私が言いたいのは石の種類の事ではありません。
同じ石でも良いものと良くないと判断されるものがあるのです。
当然仕入れ値は違います。
中国石に関しては品質もありますが値段を左右するのは「加工精度」です。
国産石は中国で加工されるものと国内で加工するものがありますが
富山県においては国産といえば「真壁」でありまして
それ以上に高級な石が使われることはほとんどありません。
石川県にいくと「大島」はたまに使われています。
国産石は等級があるんですよね。
かつては良い石だと思われてた石が今ではぜんぜんダメとかありますので
本当に良い石を手に入れるのは大変なんです。
輸入石でいちばん分かりやすいのはアーバングレーです。
本当に違うんですよ、笑えるくらいに。
もう何回も書いてるので今回は省略させていただきます。
中国から輸入する場合であっても、
国内で手に入れる場合であっても
仕入れ価格が違うのはなぜでしょうか?
答えは言いませんので皆さんも考えてみてください。
墓石の加工精度のこと
これの判断はかなり難しいです。
分かりやすいのは「蓮華」です。
切れがある加工というか、なかなか素人には判断できません。
加工精度というものは「直線美」です。
複雑な加工は中国工場の方が上かもしれません。
(国内でやらないのは人件費がかかるから敢えてやらないのです)
しかし「直線美」では日本は絶対に中国には負けません。
断言できます。
シンプルなデザインを好まれる方は国内加工も考えると良いでしょう。
墓石の施工のこと
これを書くのに前置きがとんでもなく長くなってしまいました。
石材店は施工例としてお客様に見せてくれるのは
上手く建てられたお墓、だけです。
当たり前ですよね。
なので、見せてもらったお墓以外の石材店が建てた
お墓を見に行くのが重要なんです。
まあ、本当にいつもちゃんと建ててるかを確認しにいくわけです。
- エフロ現象がおきていないか?
- 雨が晴れたあとに貼石が乾いてる箇所と濡れてる箇所があるかないか
- デザイン的なこと
- 雨水は溜まっているのかどうか
分かりますか?
石材店からいくつかの施工例として見せてもらったお墓の特徴を覚え、
後日自分たちだけでお墓を見に行けばいいのです。
一番簡単なのは、
その石材店の所有してたり入ってる「民営墓地」でしょう。
ちょっと注意してみたら少しずつ違っています。
都市部の民営墓地ならすすりよって来た常駐営業マンに聞けばいいんですよ。
「このお墓はどの石材店が建てたんですか?」
自社でなければボロクソの意見が聞けることでしょう。(笑)
地方都市ならその石材店が開発した「墓地」があるので
そこを見せてもらえばなんとなく判断できると思います。
重要なのは「エフロ現象」があるかないかです。
あなたのお墓がモルタルやセメント、生コンなどで
エフロ現象が出てきたらどうします?
文句の一つや二つも言いたくなることかと思いますが
現実としては石材店に無視されてしまうことになります。
雨が上がったあとに墓地に行って貼石の上に雨水が溜まっていました。
はい、終了です。
雨があがった直後に見にいけばよいでしょう。
貼石に勾配がついてなかったり貼り方が悪かった場合には
雨水が流れないで溜まっています。
まあ、今時ここまで下手な施工する石材店は無いと思いますが。
修理は有料です。
保証書に
「貼石に雨水が溜まった場合は無償で修理をします。」
という念書でももらっていれば別ですが
契約者がそこまで求めることは絶対にないと思います。
契約者は良いお墓が建つと思ってるし
設計図を見たって良いか悪いか全く分からないからです。
恐ろしいですね。
施工ミスで怖いのは
エフロ現象と貼石に水が溜まることです。
墓石の傾きは地盤によるものが多いので
石材店の施工ミスというより
基礎工事の段階で十分な処置をとったかどうかが問題になります。
建ててすぐは傾きませんから。
とにかく良いお墓が建つもんだと思ってるあなた、
いくらでもトラブルは発生するんですよ。