夕陽よ染めて | ★華の光★信義★

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はまって抜け出せない「シンイ」★
気の迷いから書きだした二次...らしきものと、ちょっとした日々の出来事をたまには書けたらな。

こちらまで来てくださり、ありがとうございます★

「シンイ・ヨン周年記念まつり」
参加させていただきました。


思うようにも書けません…
内容もないお話ですが…
お付き合いいただけると幸いです。



『夕陽よ染めて』

この場所にこうして来ると期待してしまうから。あなたの姿、探すから。
空の青さが白へと変わる、夕暮れ前の西の空。じき茜色へと変わるであろう空をウンスは仰ぎ見た。

…あの人は忙しい。あの人は忙しいから。
しっかりと言い聞かせるように、うん、うん、と深く頷きながらゆっくりと踵を返す。
詳しい約束まではしていない、待ち合わせのこの場所に背を向けた。それから二歩三歩と歩き出すも、またすぐに足を止めていた。
待つくらいはいいじゃない。
待っていればいつかは会える。

「そうよ、好きで待ってるんだから。」
また踵を返すと二の腕を掴むように腕を組んだ。
「だって…」
… ちょっとでいいから会いたくて…


そんなウンスの様子を見つめながら、見守りながら静かに近づく黒い影。


もう何日もお会いできなかった…
今日は何とか間に合った。
ウンスの姿を確認した時には安堵の波が広がっていた。
息を切らせながら、汚れはないか衣服をはらい、さっと身なりを整え直した。


「何をしておられるのです。」
何って…わかりきった答えを聞きたいのか、本当にわかっていないのか。
あなたを待っていたのだと、ウンスはその言葉を飲み込んだ。

少しも大人しくして居られない。独り言を言ってはひとり頷くウンス。その姿を思い出すと、ヨンは顔中を綻ばせた。

「俺を待っていたのですか。」
さっきは自分から聞いておきながら、今は唐突なことを言っている。

「好きで待っていたのでは。」
ヨンの笑みはいたずらっ子のようだった。

何か言い返したい言葉を探してみたが、うまいこと見つからず、ウンスは口を尖らせた。

「そうよ…好きで待ってたの。」
ぽつりと言ったウンスの頬が内から赤みを滲ませた。その様が愛らしく、ヨンの手は徐にウンスの頬へと伸びていた。

一瞬の瞬きがゆっくりと止まって見える。
ヨンの瞳に吸い込まれ、熱っぽい眼差しに身体も顔も熱くなるのを感じている。
自分の意思ではどうしようもなく火照る顔。耳に響く胸の鼓動。
音もなく吹く風が、ふわりおどらす艶髪の色のよう。夕陽に照らされているからなのか、ウンスのやわらかな髪の色と頬の色が同じに見える。

そっと触れていたヨンの指は、頬を滑らせ大きな掌で優しく顔を包み込んだ。
優しく触れる掌とは裏腹に、ウンスを見つめる瞳には野性的な強さが見える。

この瞳に私、ずっと守られている…
ウンスはヨンの瞳に応え、息をするのを忘れるくらい熱く見つめ返していた。

夕陽にも染まる頬の色と、風に揺れる艶髪の色が燃えるように激しく赤く、情熱的なかおりがした。
夕陽とウンスに描かれる、目の前の赤い光景にヨンは心奪われるも、欲は尽きることはない。

会えない時間が俺に愛しさというものを、思い出させてくれたのだろうか。
「…これからも…待っていてくださいますか。」
柔らかな笑みで応えたウンスをぐっと引き寄せ抱きしめた。
腕の中の柔らかな感触と、いつもの甘いかおりに加え、情熱的な赤いかおりが、ウンスのすべてを我がものにしたいのだと、男の本能を刺激する。
「俺の女(ひと)になってくれ。」

茜色の空間は色を変え、静かな夜を連れてきた。陽は沈み、二人の夜が始まった。









拙い文章に最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
りえさま、今回も参加させていただき本当にありがとうございました。


シンイが好きで集まっている二次の世界。
お久しぶりでも、応援してくださる方々や尊敬する二次作家の方々、素晴らしい画像加工師の方々、たくさんの方々と一緒に過ごせることに、心から感謝いたします。






最後に…
何とも内容のないこのお話、何故か似たお話がもうひとつできました。
仕上がりましたらUPしたいと思いますが、もうこんなのしか書けないようです(笑)