本当の被害者はベテラン主任であると断定して、
被害者である筈の武内に話した俺。
武内は自分が嘘の報告をしていることはすっかり忘れ、
怒りで顔を真っ赤にしていた。
「覚えておいて下さいね。」
ボソっと武内が呟いた。
仮にも上司の俺wwwww
「はい、武内さんの報告の内容に誤りがあったこと、
しっかり覚えておきます。」
武内は相当怒っている様子で、
無言でその場を立ち去った。
数日後、小山部長が事務室に現れた。
どうせ武内の差し金だろう。
「ちょっといいか?」
そう言って小山部長は俺の向い側に座った。
「武内の行った事業所のベテラン主任が異動になったよ。」
「はぁ、知ってます。」
「そのことで武内から、お前から酷いこと言われたって聞いたぞ。」
「はぁ、それも予想していました。酷いことは言ってません。
事実を言っただけですよ。」
「そうなのか?今回のことは完全に武内が被害者だろ?」
「武内さんからはベテラン主任さんから暴力を振るわれたと聞いてます?」
「ああ、聞いてる。」
「ベテラン主任さんの方からは聞き取りをしましたか?」
「勿論したが、彼は暴力は振るってないと言っていたが、
被害にあった方が振るわれたと言ってるし、
倉庫に入っていくベテラン主任も目撃されている。
何より、本人がオーナーのところに助けを求めて逃げ込んだ訳で、
状況証拠は揃ってるからね。」
「ベテラン主任さんは暴力は振るっていませんよ。
ドアを叩いただけです。それは暴力を振るったことになりますか?」
「えぇ?…?そんなこと誰から聞いたんだ?」
「武内さん本人ですよ。彼女がベテラン主任が怒ってドアを叩いたって
自分から私に言って来たんですけど。」
「……。」
小山部長は言葉を発しないwww
「あのぉ、部長シッカリしてください。
おばさんに手のひら舐められたからって、
その人の言う事を鵜呑みにするのやめてもらえます?」
「ははっ」
部長は一瞬笑ったwww
「武内さんは大袈裟に物を言う癖があります。
権力者には擦り寄って、時には手を舐めてwww
自分の不利にならない様に常に準備しています。
それで権力者を上手く利用して、
自分の嫌いな人を、何も悪くないことで飛ばさせるなんて、
自分は到底納得出来ませんね。
武内さんが私の部下だったら、自分もそういう被害に遭う可能性もあったので、
ベテラン主任さんのことは他人事とは思えません。」
「そうか…。」
武内に俺のことをボッコボコにして来いと言われてただろう部長は、
思わぬ返り討ちにあって言葉を失っていた。
つづく。