俺が必死に拒否したのにも関わらず、
強引に問題児と思われる人物を連れて来た小山部長。
部長は、直接会わせてしまえばどんな奴でも俺が引き受けるとわかっているのだ。
今までもずっとそうだった。
俺は「情の様なもの」(←決して情ではないwww)が他の人に比べ、
厚いと言うのは自分でも気付いていた。
それは数々のレジェンドを相手にして来たから培われたものだと思っている。
小山部長も、俺に頼めば何とかなる。
少なからず、他の人に頼むよりは面倒をみてくれると思っている。
でも、今回くらい、強引に押し付けてくることは今までは無かった。
事務室に現れた細身のもやし男は、
俺を見るなり、
「初めまして、モヤシ(仮)と申します。
これからお世話になります。どうぞ、よろしくお願い致します。」
と挨拶して来た。
「どうも、まーくんと申します。
まだ、お世話をするかはわかりませんが、よろしくお願いします。」
と返したwwww
挨拶が済むと、その場で話をすることになった。
小山部長がモヤシに
「まーくんにお前の自己紹介をして、ここで働かせてもらえる様にアピールしてみな。」
と言った。
モヤシは「はい」と言って自己紹介を始めた。
「生まれは大阪です。幼少期の頃に京都に引っ越しまして………」
出だしからヤバさ半端ねー!!
幼少期から話し始めたモヤシに俺は驚きを隠せなかった。
「高校まで京都で過ごしまして、大学は北海道でした。
高校時代から付き合っている人が居まして、
自分が北海道の大学に行く事になったので、遠距離恋愛がスタートしました。」
ポカーーン。
どうでもいいーーーーーーーーーwwwwwwwww
俺は目を丸くしながら、その話を聞いていた。
「そして北海道の大学を出た後は、そのまま北海道で就職をしました。
社会人になって、すぐに彼女を北海道に呼び、結婚しました。」
俺
「………………。」
「彼女と2人の生活を始め、1年位で子どもが生まれました。
男の子です。今、7歳になりました。」
俺
「…………はぁ、、、」
「北海道の生活が嫁には合わなかった様で、
まぁ、色々あって、徐々にすれ違いが起きる様になりました。」
俺はお前の人生等興味ねーわと思い、
相槌さえ打たなかったが、モヤシはまだまだ話を止める素振りはない。
「あの、あんまり仕事と関係ないことなんですけど、
要点まとめて話してもらえますか?」
俺はモヤシの話に割り込む形でそう言った。
「あ、すいません。でも、全く関係ないことでは無いので、聞いてもらえますか?」
と言った。
「すれ違いが続いて、結果的に関係を修復することが出来ず、
結局、離婚する事になりました。」
俺「…で?」
「親権は彼女が持つ事になりまして、彼女は京都の実家に帰りました。
子どもとも離ればなれに暮らす事になり、私は北海道の仕事を辞め、京都に戻りました。」
まだまだ続きそうなモヤシの人生話に俺は辟易し始めていた。
つづく。