先月女子トイレを利用したトランス女性がフロリダ州で逮捕されるという事件がありました。全米でここ数年で少なくとも14州が州法でトランス女性の女子トイレ使用を制限・禁止する法案を可決していますが、現在それを明確に犯罪と規定しているのはフロリダ州とユタ州の二州だけだそうです。そしてトイレを使用しただけで逮捕されるというのは全米でもはじめてのケースではないかということです。英文ですが報道された記事のリンクを載せますね。

 

 

記事によるとこの女性は20歳の大学生。予めこれから自分が女子トイレを使用すことを宣言しての利用だったようです。つまりトランス女性を女子トイレから排除する法律への身を挺しての抗議、確信犯だったということですね。建物の警備班はこの女性の宣言を受けて彼女の到着前から待機していたとのこと。彼女は有罪となれば60日以下の収監となるそうです。

 

全米各州のトランス女性を女子トイレから排除する法律は、可決されたものの、それを現場がどう執行するかは実は曖昧です。法案を推進した各州の共和党議員らもそれは認識しているようです。実際にどうやってトランス女性と判別する?身分証明書?性器検査?それとも両方? 

 

トランプの大統領令によって米国では(パスポート、免許証などの)身分証明書(ID)は全て出生時の性別で発行されなければならないというトランスジェンダーにとっては極めて屈辱的で苦痛な、そして差別に身を晒す危険の大きい社会になったわけですが、これは新既発行分のIDからのこと。当面は現状の正しい性別が記載されたIDを所持しているトランスは(減少していきますが)一定数存在します。性器検査もSRS後であれば簡単にわかるとは限りません。DNA検査は時間がかかる上インターセックスの場合もあるわけで、トランス女性と確定させるのは意外に面倒なケースもあり得るということですね。

 

言うまでもないことですが、私の立場から言えば、この女子トイレからトランス女性を排除するというのは絶対やめてほしいです。ただトイレで用を足したいだけなのに。性自認と異なる身体で生まれてきたがために同性から安全を脅かす存在とされて排除される気持ちはーーシスジェンダーの方には理解しにくいと思いますがーー言葉にし難いです。性自認と異なる身体、パスしづらい外見だけでも十分苦痛なのに。

 

既にフロリダ州とユタ州は(男装で通さない限り)私が足を踏み入れることのできない地域になってしまいましたが、残念ながらこれからも同様の州が増えていくことでしょう。執行が難しいから予め宣言したりしなければ大丈夫という考え方もありますが、有色人種でかつ移民である私にとって逮捕の可能性というのはリスクが大きすぎます。

 

前述の逮捕された女性の話に戻りますが、有罪が確定し収監となると彼女は男性の犯罪者として男性側の牢に入れられることになります。これももちろん超非人道的ですが、なにしろフロリダ州なので。この女性が男性囚人から受ける扱いがどんなものになるかは想像に難くないと思います。看守ももちろん観て見ぬふりでしょうし、トランプ派の議員、判事、政府幹部は彼女を見せしめにするでしょうから恐ろしいことになりそうです。

 

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