トランプ支持の右翼活動家がユタ州で暗殺されました。昨年のトランプ銃撃事件の時にも触れましたが暴力は絶対に許されません。でも200mの距離から一発で致命傷ということであれば犯人はトランプの時のような素人ではなさそうですね。逮捕された容疑者はかなり若いようですが、一体どうやって犯行が可能だったのか捜査の進展が待たれます。日本でのメディアの報道は小さかったと思いますが、わずか3ヶ月前にはミネソタ州議会議員のホートマン氏が夫婦共々、愛犬のレトリーバーまで一緒に暗殺されています。ただこちらの事件は犠牲者が民主党議員、暗殺者が保守派でした。事件後のトランプのコメントを今回と対比してみると扱いの差は歴然としています。
さて前置きはこのくらいにして――前回の投稿についてコメントをいただいたのですが、そのコメントの一つで米国のLGBTキャラは描かれ方が酷い、だから反LGBTQが増えているのだというご指摘をいただきました。それによると米国のLGBTキャラは「ポリコレ思想の押しつけ」「LGBTにするべきでは無いキャラを無理やりLGBTにした」「ポリコレ思想のせいでたくさんの作品が汚された」とのことです。
いただいたコメントに対する返信でも書いたのですが、私は米国の娯楽作品でLGBTQキャラクターがどのように描かれているかということを弁護するつもりはありません。玉石混交、千差万別だと思いますし、私自身はほんの一部しか目にしていないと思います。ただ以前のように嫌われ役、卑怯者、嘲笑すべき存在としてだけ登場していた状況が徐々に変わってきていることは歓迎しています。キャラの総数も増えてきているのは間違いないところですし、私から見て問題なく描かれているキャラも当然増えてきています。増えていることに関してポリコレとか押しつけだとは全く思いません。
これに続けて具体的にどういった作品、キャラが「ポリコレ思想の押しつけ」「LGBTにするべきでは無いキャラを無理やりLGBTにした」「ポリコレ思想のせいでたくさんの作品が汚された」のか質問し、さらにシス・ヘテロはOKでLGBTQだと押し付け、無理やりになるのはなぜ?と聞いたところ…… どうも逆鱗に触れたみたいです。とんでもなく攻撃的な返信コメントが返ってきました。コメントのやり取りは前回の投稿で公表していますのでそちらをご覧いただければと思いますが、私が「異性愛者の方との共存」を考慮していない、私の主張が高圧的、傲慢、「同性愛を押し付けている」など散々な言われよう。
私はLGBTQの主人公キャラ全然OK、増えるの大歓迎、という趣旨のコメントだったつもりなのでかなり面食らいました。私の質問に対しての回答はいただけませんでしたが、唯一具体的な作品、キャラについてはスーパーマンの息子がゲイという設定にかなりお怒りのようです。私はストーリー上必要のない場合はキャラの性自認も恋愛対象もともにランダムであって欲しいと願っています。現実の世界と同じようにランダムであることが自然であると。性自認、性的嗜好がストーリー上LGBTQである必要が全くないキャラがLGBTQであることが重要だと思っていますので、この点は(どうやら人気主要キャラは全てストレートであるべきとお考えであるらしい)この方と明らかに意見が異なります。
もう一つ返信頂いたコメントで分かってきたのはこの方は米国の「LGBT推進運動」はやり過ぎと確信を持っておられること。「多様性を押し付けている」「日本の善良な当事者に迷惑をかけている」とのことです。この点も私と意見が異なります。米国での動きにはもちろんさまざまなものがあり、中には行きすぎの主張もあるかもしれません。ただ私から見れば――私が自分自身をLGBTQであると受け入れるずっと前から――何十年もかけて少しずつ地道に進展してきた結果です。少しずつ少しずつ、数多くの犠牲を払いつつ社会に受け入れられるようになってきたわけで、押し付けとかやり過ぎとは思いません。そもそもLGBTQを「推進」しているわけではなく、LGBTQ差別をなくして、偏見をなくして、みんな同じ人間として見て欲しいと言ってるだけなんですけどね。
気になったのはこの方のコメント中の米国の「LGBT推進運動」の記述が米国の反LGBTQ強硬派のSNS投稿と酷似していること。(デモ行進とか幼児の云々という部分です) ピザゲートさながらの真偽不明のSNS投稿が大量に日本語に訳され拡散されているのは知っていましたが、実際に影響を受けた方のコメントを見るのは残念です。