↓ アブサンを、つい飲みたくなるような、動画を見つけましたww

 

↓ この間、アブサンをテーマにした自作の曲を録音したら、
  なんだか、久しぶりに、アブサンが飲みたくなってきてしまったww

 

 

自分が、むかし、アブサン、という酒に、ハマっていたのは、
2006年から2010年くらいの間だったが、
それからだんだん、度数の強い酒を求める気持ちが薄れて、
今は、酒が欲しい時は、たいがい安物の発泡酒と、
安価な日本酒で済ますようになった。
 

もうこの歳になってしまうと、
度数の高い蒸留酒は、飲むだけで、その強い酔いに老体が追い付かず(笑)
体も、精神的にも、なんだかすりきれて、けずられて消耗・疲労する感じでw
ずっと、ウィスキーもバーボンもジンもウォッカも口にしていない。
でも、アブサンの酔いは、自分にとっては何故か、優しい酔いで、
飲んでも、こころとからだが擦り切れる感じがなく、
むしろ、ぼわ~と、自分自身が広がるような、優しい酔いで
二日酔いも、他の強いスピリッツより、キツくないので、
(あくまで個人の感想ですww)
また、久しぶりに、飲みたくなってしまったw

しかし、最近の市販のアブサンを、品定めしてみると、
自分がハマっていた頃に比べて、最近の円安と、インフレ傾向で、
アブサンの値段も、どれも上がってしまった感じ。
むかしは、アブサン入門用の、

甘ったるくて、クスリくさ~い味の、アブサン55なんて、
2500円くらいで買えたもんだが、いまは、送料除き4000円くらい。
でも、アブサンの代用品のアニス酒のペルノーなんかは、
むかしとそれほど値段が変わっていないので、
なんだか、アブサンだけ、昔より値上がりしてる感じがして不思議。

そしてむかしに、出ることを期待していた、

日本産の新銘柄のアブサンも、

いまは、結構でてきているみたいだが

少数生産なのか、結構な値段がする。
むかしなじんだ、スイス製の本格的アブサンも、
結構いい金額になってしまっている。

う~ん、困ったなあ
アブサンなんて、もとはジンのように薬用目的の酒で、

たまたまブドウが凶作の時に、しかたなく、ワインの代替品として、

いきなり世間でひろまった、ハーブのリキュールで、
もとは、バリバリ庶民のための、気軽な酒なのだから、
もっと安くて手ごろな品はないか、と探してみたが、

アブサンという酒は、銘柄により個性がかなり違うので、

安価で手ごろな良品を探すのはむずかしい感じ。

しょうがないので、むかし飲んでいた

値段も質も無難な方の、ペルノー・アブサンか、
グランド・アブサンにしようかと迷っていた所、
今のアブサンの中では、手ごろな価格で、
なんとなく行けそうな感じがして、今回、購入したのが、
ミス・アブサン・トラディショナル。

 

 

この名前のミスは、英語なのかと思っていたら、
フランス語らしく、mythe と綴るようで、神話という意味らしく、
ほんとは、ミスでなくて、ミト(ゥ)と読むみたいだが、
フランス語がぜんぜん分らん自分は、正確な発音など分からねーどすww
たぶん、『神話伝承的アブサン』、みたいな意味になるみたい(テキトー)

大昔、アントニオ猪木の宿敵となる、悪役レスラーの

タイガー・ジェット・シンをデビューさせるときに、

本来その名前は、タイガー・ジート・シン、と発音するのに、

それでは日本人には、ピンと来ないという事で、

あえて、ジェット・シンにしろ、と猪木が決めたとの同じように、

名前がミト、だと、日本人には納豆を想起させて、

アブサンのイメージとしてはピンと来ないので、

あえて英語っぽい読みの、ミス、とするように、

この酒の輸入業者が、決めたのかもしれないw

(あくまで、個人の勝手な想像ですww)

製造国はフランスで、アルコール度数は69度。
自分が過去のに飲んだアブサンの経験では、50度~69度くらいで、
蒸留タイプのアブサンが、外れがなかった気がする。

また自分の個人的な感想では、

フランス産アブサンが、一番マイルドで、のみやすくて無難。
スイス産は、しっかりした本格的な味だが、フランス物より重く硬い味わいで、
何杯も杯を重ね、飲み続けたい感じは、フランス物よりは少ないと自分は思う。

そしてスイス産は、銘柄も工場もちがうアブサンでも、

なんとなく味が似通っている感じがあったのを記憶している。
スペイン産は、フランス産と同じく飲みやすく、
ハーブの味が、フランス産よりは、前面に出てくるような感じがしたが、

いま一般の販売ルートで出回っているようなスペイン産はみかけない。
東欧の、チェコ産や、ブルガリア産は、ベースのアルコールが
キツすぎて、ハーブの味や香りが薄くて、うまいと感じたもの、あまりなし。
(自分が飲んだのが、安物ばかりだったかもしれませんが…)
日本製は、サントリーのヘルメスのうち2種類しか飲んでいないが、
このヘルメスの、黒ラベルは、なにげに絶品だと自分は思う。

made in japanは、このころからすごかったww

アブサンの製法は、おおざっぱに3つあって
①ベースのアルコールに、主原料の数多くのハーブを漬け込む、
 あるいは、そのハーブエキスを混ぜるもの
②ベースアルコールの蒸留時に、主原料のハーブをなじませるタイプ
③ ②の蒸留のあと、さらにハーブを漬け込むか、ハーブエキスを混ぜる
 タイプ
だいたい、①のタイプは安い方、②と③はやや高めの値段のアブサン。
②のタイプは、蒸留だけの工程なので、完成品はジンのように、
無色透明なものが多く、ブランシュタイプ、と呼ばれるみたいで、
自分の経験では、このブランシュタイプは、ハズレが少なかった気がする。

リキュールという分類の酒の中で、

蒸留という工程があるのは、どうやらアブサンだけらしい。

(アブサンの代用品の、パスティスやペルノーも同じかどうかは

 わかりません)

 

↓ このアブサンの、ラベルを見たら、distillerie の文字

  アブサンで、蒸留タイプを、distilled とか言うみたいなので、

  その意味は、蒸留タイプ、のアブサンじゃないかと思ったが、

  後で調べたら、distillerieは蒸留工場の意味みたいでしたww

  このアブサンは無色透明ではなく、茶褐色の色がついていて、

  そのうえ、ラベルには、着色料の表示がないので、

  蒸留した後に、さらにハーブに漬け込むか、

  ハーブエキスを加えたことで、色がついている感じで

  たぶん③のタイプで製造されたものかも。

 

↓ ボトル正面のラベルのデザインは、アブサンによくありがちな、

  斬新・奇抜な物でなく、

  やわらかい、牧歌的・田園的な感じ。

↓ ボトル裏の、成分表に、着色料を示す表示の、

  『青色何号・黄色何号』などの、表示はなし。

  たぶん無着色で、砂糖も加えていない無添加の模様。

↓ ビン底に、主原料のハーブのオリなどが全く沈殿していない。

  蒸留の行程後の、ハーブの漬け込みの後も、しっかり濾過しているか

  あるいはハーブエキスだけで調整してるのかも

↓ ふたは、高級感のあるコルク&キャップ

  コルク抜きは不要。

 

 

ふたを開けて、匂いを嗅いでみると、

予想に反して、安価なアブサンにありがちな、メタリックな、

化学的な、不自然な、においがしなくて、

いなかのヨモギ餅の匂いのような、

なつかしくて、こころが落ち着くようなにおい。

それが、不自然で刺激的な匂いを出さず、

ふんわりと鼻腔の奥に入ってくる感じ。

 

あれれれ、このアブサン。

値段からすると、最近のアブサンの中では、安価な方なのだが、

意外と、本格的なのでは? という予感が。

 

↓ 原酒を少量、グラスに注いでみると、

  ボトルの中では、薄い褐色なのに、

  グラスの中では、ほんのりと緑色の色彩。

  安物アブサンにありがちな、わざとらしい緑でなく、

  不自然なあざやかさのない緑の色合いで、

  もしかして、イケてるアブサン???

 

原酒を、ひとくち、チビリとやったら、

ああ~、なつかしいーーー(泪)

あのアブサンの、ハーブ・薬草の自然の味と、

舌を刺激して麻痺させる、メタリックな、金属的風味の、アンビバレントな味。

 

そんな原酒ストレートの味見はともかく、

自分はもう、いい歳なので、水割りで、砂糖なし、ちょっとの氷を入れて、

ソフトに、ゆるゆると、じっくり味わうことに。

(アブサン好きな人の中には、ストレートで飲んじゃう豪傑もいるらしい)

グラスは、自分は本格的なアブサングラスは、持ってないので、

その代わりに、40年前に、渋谷のパルコで買った、

ワイングラスの最古参の生き残りの、かわいいグラスで飲む(笑)

↓ 水で割ると、原料のハーブの油精が、不安定化して、白く濁るのが、

  アブサンの、お決まりのムーブだが、

  このアブサンは、無色透明のブランシュタイプのようには、

  おおきく劇的に白濁しない感じがする。

  このアブサンは、ハーブの薬草の成分が、少なめなのかな?

 

ところが、水割りを飲んでみたら、

舌に、ピリリと、しっかり後味が残る。

また安価な復刻アブサンにありがちな、しつこい甘味がない!

しかも、スイス産のように、重すぎない、

それでいて、しっかりとしたアブサン独特の味。

アレアレ、これは、同価格帯で、スタンダードな、

ペルノー・アブサンより、実力が上なのでは?

などと感じたりする。

 

そして悪い表現をすれば、舌がしびれる感じで、

感覚を失ってきて、バカになる感じで、

マンガ『美味しんぼ』で、山岡史郎が、ドライ・ビールを、ディスるときに、

「金属のスプーンを、舌にずっと押し当てていると、

 まともな味覚がしなくなり、舌がバカになる感じの味。」

と言って、何気に、アサヒのスーパー・ドライをディスっていたが、

自分は、アサヒのスーパー・ドライを不味いと思ったことは一度もなく、

ただ、その表現だけを、借りるとするならば、

舌が刺激でしびれて、バカになるような、

なんとも言い表しがたい、何かメタリックな味わいが、しつこく舌に残る。

しかし、その後、

度数の高い他のスピリッツにはない、心地いい酔い、が来る。

他のスピリッツのように、自分の内臓を、削ってすり減らすような、

うすら寒くなるような、キツイ酔いではなく、

自分自身が、ぼわわわ~と、リラックスして、暖かく外部に広がるような、

楽観的で、心地よい酔いが、展開。

 

こういう感じの酔いは、たぶん、アブサンしか、ないんじゃないか?

なんて思ったりする。

 

「そういえば、これが、アブサン特有の酔いだったべな~!」

と思わず、つぶやいてしまった(笑)

 

このアブサン、2012年にはすでに日本に入っていたようで、

14年のブランクがあった自分には、初めて飲む新しい銘柄だったが、

ハズレではなく、むしろ予想よりは良かった。

しかしまあ、そのアブサン特有の風味は、

酒についても、淡麗で澄みきった味わいを、

好むことが多い日本人にとっては、ひごろ馴染みのうすい異質なもので、

人によっては、たぶん激マズで、

海原雄山が飲んだら、『この酒を造ったバカは誰だ~!!』

と怒鳴りこみそうなものだが(笑)

激しく好みと評価が分かれるような、その風味はともかく、

アブサンの独特の酔い心地は、

他の酒では得がたい、やはり特別な所がある気がする。

 

そして、このアブサンはしっかりとした辛みで、

安価な方のアブサンには珍しく、少し砂糖を加えたくなるくらいの味。

それは、アブサン特有であり、代用品のパスティスにはない、

ニガヨモギの成分が、あまりケチらずに使われているような感じで、

ニガヨモギの成分で、大麻に似た分子構造の「ツヨン」が、

ちゃんと含まれているように自分は感じたが、

ところが、あとで調べてみると、

いまの合法アブサンのツヨン濃度の上限値は10ppmだが、

ミス・アブサン・トラディショナルのツヨンは、おそらく1.3ppm程度で、

ツヨン弱レベルのアブサン55の3ppmより弱いらしくて、

(ただしアブサン55は、0.6ppm程度との説もあり)

しかし自分は、ミス・アブサン・トラディショナルは、

ツヨンが10ppmとされるペルノー・アブサンよりも

アブサンらしさが、どっしりと感じられる気がして、

自分の舌のテキトーさ、いいかげんさに笑ってしまったが、

ツヨンの実際の含有量はともかく、

このアブサンとしての飲み心地は、アブサン55より全然ある、

と自分はおもう。

アブサンのおいしさは、ツヨンの含有量の多さが正比例ではない、

というようなことがネットに書いてあったが、

これはそういうことなんだろうか?

甘ったるいアブサン55や、安いチェコ・アブサンのような、

『なんちゃってアブサン』とはちょっと違う飲み心地で、

値段的には、それらと1000円くらいしか違わないので、

アブサン入門としたら、絶対こっちのアブサンがおすすめと思う。

 

 

自分は、今回、水割りで飲んでみたが、

飲んだのち、さらにチェイサーの水が欲しくなるか、

過去の伝統的な飲み方の、砂糖を加えたくなるような感じであり、

これまで自分が飲んでみた、今の、安価な方のアブサンの多くが、

甘すぎてうんざりすることが多く、伝統的な砂糖を加えるような飲み方は、

まったく不要に感じるようなものばかりで、

このように砂糖が欲しくなるような感じになるアブサンはあまりなく、

このアブサンは、価格のわりに本格的な感じがした。

 

14年ぶりのアブサンで、

最近のなかでは、比較的安価なアブサンを選んで、

飲んだらガッカリするような感じを予想していたが、

これは何気に良品だった。

 

今回、久しぶりにアブサンを飲むとき、

聴いた音楽は、これでした。