先日、ラジオペンチを改造したプライアーを使い、
市販の、ステンレス製の「押しバネ」のシャフトを材料に、
ミッチェルのベールスプリングを、自作してみたが、
コイルが、4回巻きで、使えそうなものはできたけれど、
目標だった5回転巻きのスプリングは、作成はできたものの、
いざリールに組み込んでみると、うまく作動せす。
↓左が、オリジナル。
右が、5回巻きが失敗し、妥協して作った4回巻きの自作スプリング。
↓詳細は、過去記事をご覧ください。
しかし、
ここで、あきらめず。
改造ペンチの先端部を、さらに細く削って調整し、
同じバネ素材を使って、5回巻きのスプリング作りに、リトライすることに。
前回、改造ペンチの、コイルを巻くための軸となる削った先端部は、
太い所で、約7mmくらいの直径だったが、
このままでは、想定の直径になるようには、うまくコイルが巻けないので、
その直径を、5~6mmくらいになるように、さらに削ってみた。
何故なら、もともとミッチェルの純正のコイルスプリングは、
内径がおよそ7mmくらいなのだが、
それを作るのに、7mmの軸に、シャフトを巻き付けて成形した場合、
普通の針金だったら、素材が反発、復元しないので、
内径7mmくらいに仕上がるかもしれないが、
今回使うのはバネ用の、ステンレス素材のもので、
復元力の強い金属なので、
成型後、その反発力で、コイルの円が外に広がってしまい、
内径が7mmでなく、9mmくらいのコイルになってしまう。
ループワイアープライアーのように、
内側と外側から挟んで成形するないよいが
自分の改造ペンチだと、
ペンチの先端の丸い軸に、巻き付けて成形するだけなので、
成形した後でも、素材の反発力で、径が広がっちゃうので、
巻き付ける軸を5mmくらいにして、
それに強い力で巻き付けてコイル状にして、
それから手を離すと、
内径7mmくらいの丁度良い感じに広がってくれると予想。
3日くらいかけて、ペンチの先端部をけずって、約5~6mmの太さに削った(笑)
改造ペンチの、リニューアルが済んだので、
今度は、スプリングのシャフトの材料になる、市販の「押しバネ」
これは、すでにコイル状になっているが、
「進行方向で時計回り」に巻かれており、
このままでは使えないので
「押しバネ」のコイルをほぐして、伸ばして、
時計回りのコイルクセを直してから、
今度は進行方向で「反時計回り」で巻きなおす必要がある。
↓押しバネを、手だけで、ゆっくり、丁寧に引っ張って
「進行方向で時計回り」のコイルをほぐしていく。
↓この長さで、5回巻きのスプリングが、ギリギリ2個つくれます。
↓ まだ、進行方向「時計回り」のコイルがほどけていない。
↓これくらいコイルがほどけたら、巻き始めOKという感じ。
↓コイルの先端に、ペンチで挟むポイントを作ります。
そして今回は、削ったペンチ先端部の真ん中あたりで巻くのでなく、
削ったペンチ先端部の一番下の部分で、
削っていない部分との境目の段差のあるところに、
しっかりシャフトの端を挟み、
そこから軸に巻き付けて成形。
左手にペンチを持ち、右手でシャフトを強く引っ張りながら、
左手をクルクルと回すと、コイルが出来ていきます。
こうすれば、コイルの各円形がきれいにそろうので、
ローターにセットして、作動した時に、
隣同士のコイルがかぶったり、嚙んだりせず、うまく作動するはず。
しかし、ここで巻く方向を、
また「進行方向で時計回り」で巻いてしまうと
元の木阿弥なので、気をつけます。
↓まず、2回くらい巻いたところで、コイルの直径が、
ローターのスプリング収納溝に合っているかどうか、一度チェック。
続けて、
シャフトの先端を挟んだペンチを左手に持ち、
右手で、シャフトのもう一方の端をもって、強く引っ張りながら、
左手のペンチをくるくる回していると、
あっという間にコイル状に成型できた。
そのコイルの各円形もキレイにそろう感じ。
前回のように、コイルの各円形を1個1個作るような作業にくらべて
スピーディーに正確に成形ができる。
そして、6回転くらいまでコイルが巻けたら、
そこで手を離して、ゆるめると、
コイルが素材自体の反発力で、外に広がって、
丁度よい感じの直径に。
オリジナルと比較しても、
ほぼ同じ直径になった。
これならうまくいくかな?
その後、コイルの端を曲げて、カットして
ベールアームの穴に刺すフックと
ローターのスプリング収納溝に固定するフックを作り、完成。
↓ ベールアームの穴に引っかけるための、
スプリングから、ピョンと垂直に伸びるフック部分を作るが、
ここの手作業が、
いちばんムズカシイ。
↓ そして このベールアームの穴に引っかけるフックと、
ローターの溝に引っかけるフックとの間の距離が、
遠すぎると、ベールのセットすら難しくなる。
遠すぎるよりは、近すぎた方がまだ良いみたい。
これは結構キモになる部分。
これはオリジナルに極力合わせるように作った方が良いと思われる。
↓ 左が、オリジナル
右が、自作の5回巻き
スプリングが完成したので、
いよいよ、本体にセット。
ローターのスプリング収納溝への出し入れが、スムーズに出来たので、
コイルの直径は、バッチリの模様。
しかし、スプリングをローターにセットし、
ベールアームを取り付けて、ネジで止める途中で、
妙な、ひっかかりの抵抗があり、
キチンとセットできない(泪)
どうやら、ベールアームの穴に引っかけるフックの長さが、
長すぎたようで、
ベールを押さえて留めるネジに干渉してしまう模様。
↓上にちょこんと伸びるフック部の長さが、
長すぎてしまうと、
うまくベールがセットできないし、
短すぎると、すぐベールから外れてしまうし、
適度な調整が、一番ムズカシイ箇所かもしれません‥
それで、フックの先端を、ごく微量カットし、
再度、セット。
そして、とうとう、
5回巻きスプリングで、作動OK。
オリジナルと比べ、ベール起こしの時の抵抗が軽く、
ベールの戻りが、ややゆっくり目に感じますが、
何度やっても、キチンと作動してくれます!!(感激)
やっとのことで、作動する5回巻きが完成。
なぜ5回巻きにこだわるかというと、
4回巻きより耐久性があり、反発力が強くて、
ベールが戻りやすくなるという事もあるけど、
ミッチェルのベールスプリングは、
折れるポイントが、ほぼ決まっていて、
それは、ベールアームの穴に引っ掛けるフックの根元部分なのだが、
5回巻きで作っておけば、
そのフックポイントで折れても
そこから、ちょっとコイルをカットして
またフックを作り、コイル同士の間隔をちょっと広げれば、
次は4回巻きとして使えるからだ。(笑)
こんな涙ぐましい努力をしてしまうのも、
ミッチェルというリールの魅力のせいだが、
スプリングを作るのと、
その専用の道具をつくるので、かなり右手を酷使したので、
次の釣りで、釣り竿が振れないくらい疲労していてしまっていて、
いつもの本末転倒なことをしている
60過ぎのポンコツがそこにいたのであった(笑い)
次は、市販のループワイアープライアーを使って
ベールスプリングができるか試してみようと思う。