パブロ・エスラ=カサドによるブルックナー |  ヒマジンノ国

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4月26日、サントリーホールでスペインの指揮者、パブロ・エスラ=カサド、東京交響楽団による演奏会を鑑賞。曲目はシューベルトの未完成交響曲、ブルックナーの交響曲6番。

 

パンフレットには、カサドは欧州で人気があると出ていますが、相変わらず自分はその辺の事情は疎いので、今回はブルックナーの6番を聴きたくてチケットを取りました。当然ながらカサドも初めて聴きます。

 

前半はシューベルトの未完成交響曲。洗練された響きで現代的でした。音も粘らず透明感も高い。今風といえば今風。しかし繊細というよりは、悲劇的な部分では激しい強音を見せるなどして、思いの外、劇的な演奏でした。音楽を通して感情を表に出すタイプで、個人的には聴きやすいと思いました。中々力強くもあり、美感もありで良かったと思います。

 

後半はメインのブルックナー。深みがあるかどうかは別として、この人オーケストラを鳴らす手腕は中々だと思えるような演奏でした。

 

従来のブルックナー6番に抱く印象とは違うような、明るいオーケストラの音色。特に金管軍は輝かしいぐらいの音色で、朗々と鳴ります。また各旋律や音型の造形も、感情が乗り鮮やかです。時には行進曲のように、オケの足並みをガッチリ揃えて推進力のある進行を見せたりと、曲の持つ曲想を表情多彩に表現していきます。

 

カサドは気力や活力を感じさせる指揮ぶりで、音の強弱を使ったり、あるいはテンポの交錯を狙ったりと、単調にならない、色々なアプローチを見せました。また自分の感じた情熱のまま演奏している、というやり方は、演奏者のメッセージを伝えるのに適していると思います。

 

陰りがないことを除けば、ブルックナーの曲想に合致した解釈であったことも間違いないと思います。フィナーレのコーダなども、大胆で劇的な表現だったりして楽しめました。これも伝統的なブルックナー像とは違うのでしょうが、名演の部類かと思いました。

 

恐らくですが、こういう演奏を録音で聴き直すと、ちょっとやりすぎではないのか、みたいな感じがあると思います。しかし、一期一会のコンサートであればありだなと思いますし、お客さんも盛り上がりやすいでしょう。

 

実際、散々オーケストラから多様な響きを引き出したカサドの手腕に皆さん驚いた風でして、相当なブラボーが飛びました。オケがはけても沢山の人が帰らず、参賀となりました。

 

 

派手目なブルックナー6番の演奏という感じでしょうか。しかしカサドの東京交響楽団のデビューは好印象ということだと思います。

 

 

アークヒルズは蚤の市で人だかり。今日は20度ぐらいの気温で、お日柄も良く、新緑が美しい気持ちの良い1日でありました。