基本的にはここまで書いてきたことと同じことを書いていきます。
ロシアとウクライナの争いを喜んでいる人など、おそらくいないと思います。長期化すればするほど、ロシア側はほとんど被害が出ないが、ウクライナ側の被害は甚大になります。ウクライナ人の死者について、自分も恐ろしいことだと思います。
いつまでもこのようなことが許されて良いとは思いません。
しかしながら、ロシアの軍事侵攻を必ずしも「是」とはしませんが、現状それが起きてしまっている以上、その前提で話をします。
あくまで政治的な観点を強調してでの私見ですが、ウクライナは悲劇以上の何物でもありませんが、それでもなお、今の本邦内のロシア憎しという、マスコミのあり方は非常にバランスを欠いていると思っています。
自分は、正直マスコミが戦争を作っているとさえ思います。
今回は、今ある欧米のマスコミの作り出している、プーチン大統領がヒトラーの様な独裁者という認識は、かなりの程度の創作が入っているという認識で書いていきます。
初めに少し時系列に沿って、見てくいためにビッグローブ・ニュースから引用します。NATOの東方拡大についてです。
<さて、1989年11月にベルリンの壁が崩壊し、ワルシャワ条約機構(WPO)の解体が遠からず予想された1989年末の欧州には、共通の敵がいる限り同盟は存続するという国際政治の一般原則を根拠に、共通の敵のいなくなったNATOはまもなく解体するであろうと予想した専門家が少なからずいた。
しかし、現在に至ってもNATOは存続し欧州の安全保障の要として重要な役割を果たしている。
しかも、加盟国の数は旧WPO加盟国であった中・東欧諸国やバルカン諸国が加盟し冷戦終結時の16か国から30カ国と増加した。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、冷戦が終結してドイツが統一されるに際し、東西陣営間で「NATOは東方に拡大しない」という約束があったが反故にされたと主張する。
口約束だったのか、文書による約束だったのかについてプーチン大統領は言及していない。>(ビッグローブ・ニュースから)
冷戦終結後、NATOは東方へと拡大を続け、今となってはロシアの隣国、ウクライナとジョージアなどの少数の国が、加盟していないだけの状況となりました(フィンランドなども)。しかし、かつてのキューバ危機のようにウクライナがNATOに加盟すれば、ロシアの喉元に匕首を突き付けられるようなもので、これをロシアは認めません。以下もビッグローブ・ニュースからです。
<プーチン大統領が、強硬にウクライナのNATO加盟に反対する背景には、欧米に対する根深い不信があるようである。プーチン大統領は、欧米は、歴史的文化的なつながりや経済的な結びつきの強い、血を分けた“兄弟国”ウクライナまで、ロシアからもぎ取ろうとしていると見ているようである。
それらを例証する最近のプーチン氏の発言を次に時系列に沿って述べる。
①2021年7月、プーチン大統領が、「ロシアとウクライナは一体」という趣旨の論文を発表した。
大統領の署名による「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について」というタイトルで、2021年7月12日付でクレムリンHPに掲載された。要旨は次のとおりである。
・ソ連の民族政策により、大ロシア人、小ロシア人、白ロシア人からなる三位一体のロシア民族に代わり、ロシア人、ウクライナ人、ベラルーシ人という3つの個別のスラヴ民族が、国家レベルで固定化されたのである。
筆者注:かつてロシア人とは、大ロシア人(ロシア人)、小ロシア人(ウクライナ人)、白ロシア人(ベラルーシ人)の総称として用いられた。
・ウクライナは欧米によって危険な地政学的ゲームに引き込まれていった。その目的はウクライナをヨーロッパとロシアを隔てる障壁にし、またロシアに対する橋頭堡にすることだ。
・ウクライナには、ロシアとの提携を支持する人々が数百万人もいるが、彼らは自分たちの立場を守る法的な機会を実質的に奪われている。 ロシアはウクライナとの対話に前向きで、複雑な問題を議論する用意がある。
・私は、ウクライナの真の主権はロシアとのパートナーシップによってのみ可能であると確信している。ともにあれば、これまでも、そしてこれからも、何倍も強く、成功するはずだ。結局、我々は一つの民族なのだから。
②2021年12月17日、ロシア外務省が、プーチン大統領が提案した「NATO東方不拡大を保証するための米露2国間の条約案」を公表した。
米側は条約草案の内容自体は「受け入れない」ものの、ロシアと「協議する意向は示した」という。メディアは、同条約案が米国に対し「NATOに加盟していない旧ソ連諸国の領内に軍事基地を持たないこと」「これらの国々の軍事施設を使用しないこと」などを求めていると簡単に報じている。
筆者コメント:プーチン大統領は、日頃から米国は簡単に約束をほごにするため、同国が提案する安全保障上の保証については信用できないと主張している。そこで、今回は法的拘束力のある条約を提案したのであろう。
③2021年12月21日、プーチン大統領は、ロシア国防省で高官らに対し、ウクライナにNATOのミサイルが配備されればモスクワを数分以内に攻撃できるため容認できないとし、ロシアにとっては「玄関口」だと語った。
そして、米国とその同盟国は「ロシアに後退する余地はどこにもないことを理解する必要がある」「NATOの非友好的な措置には、適切な軍事的・技術的な対応をとり、厳しく対処する」と言明した。
④2021年12月26日、プーチン大統領は、ロシア国営テレビとのインタビューで、NATOの東方不拡大などを求めるロシアの提案が受け入れられなかった場合のロシア側の反応は「軍事専門家の意見に基づいた最も広範なものになる」と述べ、軍事面を含むあらゆる手段で対抗すると警告した。>
少し時系列を無視して話しますが、そこに起こったのが2014年のウクライナにおけるマイダン革命であって、親ロシア派政権を、極右の西側寄りの政権に転覆したということになります。これにより、ウクライナのロシア系住民の弾圧が始まり、ウクライナ東方における、ロシアとウクライナにおける紛争の火種がまかれたということになります。
↑、過去記事です。ウクライナ政権のバックには、彼らを戦争においやる勢力がいます。
そしてこれを主導しているのが、米国の軍産複合体(戦争屋・CIAなども含むといわれる)やネオコンなどということになります。
↑、過去記事です。ネオコンに対する簡単な解説。
ネオコンは戦争をすることによって、儲けを出し、肥え太っていきます。そのために世界中で紛争を起こし、米軍やNATOを用い、介入させていきます。例えばアフリカ合衆国の提案をした、リビアのカダフィー大佐は米国とNATOの軍隊(ここではフランス軍だったらしい)によって殺されました(ネオコンの1人、ヒラリー・クリントンが、メールで殺害の指示を出したといわれている)。
リビアのカダフィー大佐は微妙な人物で、言論弾圧を行っていた独裁者でしたが、同時に国民の生活水準をあげ、その後はアフリカをグローバル経済圏から脱却させるために、金本位制の「アフリカ共通通貨制度」の導入を画策していたようです。これは欧米にとって大打撃になる政策でした。
↓、以下はハフポストの記事。「ヒラリー・メール」は一時期記事になっていたと思います。ただし、公には、ヒラリーがカダフィを殺害した、とはいってはいませんが。
こうした戦争行為の最たるものがイラク戦争(第2次)で(日本政府も支持した)、当時の米国大統領、J・W・ブッシュJRはマスコミなどを使い世論操作を行って、「大量破壊兵器」があるという話を国民に信じ込ませ、2003年に多国籍軍と、米国によってイラクを侵攻し、フセイン大統領をとらえ、2006年に彼を処刑しました。しかし、肝心の「大量破壊兵器」は見つかっておらず、未だ謝罪もありません。
このとき多国籍軍はイラク各都市に空爆を行い、インフラを破壊、市民生活を追い込みました。占領後は市民を収監する収容所なども作られ、戦争での犠牲者は50万人ともいわれます。そのうち、戦闘員の死者は2万人程度ともいわれ、他は民間人の死者ともいわれます。
フセインがどんな人物だったにしろ、米国がこれを勝手にとらえて、殺して良いという話にはならないと思います。
そして米軍撤退後のイラクは混乱し、イスラム国などテロリストの温床となりました。
このようなネオコンの動きに強い批判を加えてきた大国の政治家の1人が、ロシアのプーチン大統領で、彼はタイミングを見ては演説し、そのことに触れています(D・トランプもネオコンのやり方に反対していた)。
4州併合時のプーチンの演説から、西側諸国に対する部分を一部抜粋します。
<西側は、新植民地主義体制を維持するためなら何でもするつもりだ。この体制の下で西側は、ドルの力と技術の専横により世界に寄生、つまり世界を略奪し、人類から真の年貢をかき集め、覇権への地代という不労所得の源泉を獲得してきた。この地代を維持することが、彼らの最重要かつ本当の、そして完全に打算的な動機なのだ。
だからこそ完全に主権を喪失させることが彼らの利益にかなうのだ。
西側による独立国家や伝統的価値観、独自の文化への侵略も、支配が及ばない国際・統合プロセス、新たな世界通貨、技術開発の中心地を台無しにする動きも、すべてそこが発端だ。あらゆる国がアメリカに自国の主権を明け渡すことこそが、西側にとってはきわめて重要なのだ。
一部の国々の支配層は、自主的にそうすることに同意し、自主的に家来となることに同意する。買収されたり脅迫されたりする国もある。
そしてうまくいかない場合は国家全体が破壊され、後に残るのは人道的破局と惨禍、廃虚、何百万という人の破滅した運命、テロリストの群雄割拠、社会的災害地帯、保護領、植民地、そして半植民地だ。西側にとっては、自分たちの利益さえ確保できれば同じことだ。
改めて強調したいのは、「西側集団」がロシアに仕掛けているハイブリッド戦争の本当の理由は、彼らの欲望、どんな制約も受けない権力を保持したいという意図にあるということだ。彼らはわれわれに自由になってほしいのではなく、われわれを植民地とみなしたいのだ。対等な協力ではなく略奪を、われわれを自由な社会ではなく魂のない奴隷の集まりとみなしたいのだ。>(NHK、国際ニュースナビから)
<西側諸国は何世紀にもわたり、自分たちはほかの国々に自由と民主主義をもたらすと言い続けてきた。何もかも正反対だ。もたらしたのは民主主義ではなく抑圧と搾取、自由ではなく奴隷化と暴力だった。一極集中の世界秩序そのものが本質的に反民主的かつ不自由で、どこまでもうそと偽善だ。
アメリカは、世界で唯一2回にわたって核兵器を使用し、広島と長崎を壊滅させた国だ。そして先例を作った。
思い出してほしい。第2次世界大戦中アメリカがイギリス人とともに、いかなる軍事的必要性もないのに、ドレスデン、ハンブルク、ケルンのほか、数々のドイツの都市を廃虚に変えた。これは見せしめのために行われた。繰り返すが、軍事的必要性はなかった。目的はただひとつ。日本への原爆投下もまた同様で、わが国そして全世界を威嚇することだった。
アメリカは、ナパーム弾と化学兵器で残虐な「じゅうたん爆撃」を行い、朝鮮半島とベトナムの人々の記憶に恐ろしい傷痕を残した。
今日までドイツや日本、韓国、その他の国を事実上占領し、その上で皮肉にもこうした国々を対等な同盟国と呼んでいる。これはどんな同盟関係なのだろうか。
こうした国の幹部が監視され、首脳の執務室だけでなく住居にまで盗聴器を仕掛けられていることは、全世界が知っている。これが本物の恥辱だ。仕掛ける側にとっても、この厚顔無恥を奴隷のように黙って従順に受け入れる側にとっても、恥辱だ。>(NHK、国際ニュースナビから)
自分は別にロシアびいきではありませんが、これらの発言は20世紀以降の歴史を見れば必ずしも間違っていないと感じます。
多分ロシアには、未だに日本の北海道などに目をつけている勢力もいると思いますが、そういったロシアの思惑とは別に、プーチン自身の考えそのものは違うと思います。北方4島、2島返還の話が出た時も、彼の出した条件の内の1つが、返還した島に米軍基地を作らないことだったそうです(つまりこの場合、日本がロシアに匕首を突き付ける、という形になる、モスクワからは遠いとはいえ)。結局この話は、流れました。
流れで見てくる限り、プーチンのいうことは、ロシアの国家としての自治権の確保と、安定にあるという発言が多く、その対義後として、欧米ネオコン中心の世界観に対する批判です。これが終始一貫している発言かと思います。
確かにはじめロシアはウクライナ全土にミサイルで攻撃をしましたが、おそらくこれはウクライナ全土にあった、バイオラボに対する攻撃だったようです(ウクライナのバイオラボの存在は、ビクトリア・ヌーランド自身が認めている)。
↓、マイダン革命の首謀者の1人といわれる、米国の高官、ビクトリア・ヌーランドの発言。
その後は結局ウクライナ全土に侵攻せず、当初のいい分通り、ウクライナ東側の4州付近に部隊を展開させたにすぎません。またかつて多国籍軍がやったように、初めからウクライナのインフラを直接狙った攻撃はしてきませんでした(ウクライナ4州併合後、クリミア大橋の破壊を受けてから、ロシアは初めて直接的なインフラ攻撃を開始、ですので今後はどうなるかは未知数です)。現状制空権を持っているロシアですが、航空機による無差別な爆撃もしていません。
領土闘争の理論的な展開をヒトラーは「我が闘争」で行い、ドイツの街頭で散々演説していたといいます。ウクライナ侵攻自体問題ですので(本来国際法違反ですが、同様に、ロシアは国際法で認められている自衛権の行使を主張している、ただしウクライナの東部4州は、理屈の上では、国ではないと思います)、完全弁護はしませんが、ネオコンやヒトラーのやり口に比べると、プーチンの方がはるかに筋を通そうとしているように見えるのが、現状、自分の実感です(だからといって、人殺しをしてよい理由などありませんが)。
だから、今CNNやBBCなど、ネオコンの御用達海外メディアの情報を垂れ流している、国内地上波の情報は行き過ぎだと思っています。
例えば、欧米のマスコミに煽られて「プーチンだけが悪だ」とやり続ければ、「話し合いの余地」は決して生まれないということです。その扇動を受け続ければ「戦争の片棒」を担がされているのと同じです( マスコミによって、ロシアは話す余地のない相手だという、情報操作はされているということ)。歴史を見れば、NATOやネオコンの方がやっていることは酷いといえます(今後は分かりませんが)。
プーチンは世界征服を目的とした軍事行動を行っているのではなく、自国の存続と、東欧の民族的問題のいざこざのために動いている、と見る方が妥当だと思います。
今回のプーチン像は、西側メディアが意図的に作り出して来た、「悪魔的な」像にすぎると思います。元々自分はプーチン擁護派でもありませんが、イラク戦争で「大量破壊兵器」があると思わせたように、メディアはその気になれば何でも偽の現実を作れると思います。
プーチンを止めさせるには、それを西側から煽っていた人たちも止めなければならない、といういうことです。
結局ロシアがウクライナを攻撃する以前に、わざと戦争を作ろうとしている人たちがいるということ。今回のウクライナの件も同様だということ。だから、戦争を故意に生み出している人たちを、本来まず論じなければならないということ。そして、ロシアに肩入れするにしろ、ウクライナに肩入れするにしろ、戦争をして喜ぶ人たちがいるということを知るということが、まずは重要であると思います。
まずは中立の立場でもって、一旦全体像を見渡してみるべきだと思います。
確かにロシアのやっていることは実行支配であり、問題かと思います。しかし、かつて戦後のどさくさに紛れ、北方4島を占領したのとは今回は内容が違い、スラヴ系の民族的問題と、グローバリストと国粋主義とのせめぎ合いと考えると、今回のロシアにおける、今の日本の保守という人々がいう形での、「実効支配」の意味合いも変わってきます。
そのために我々はロシア対ウクライナの件に対してはまず冷静に「中立」を保つということ、そしてどうやったら「停戦」にできるか?ということを考える方が重要だと思います。
4州併合が実際に行われてしまったので、中々先行きは不透明にはなってしまいましたが。
最後に、本当なら、ウクライナの政治的な安定が必要だったということです。
しかし、これは元来ゼレンスキーがすべきことだったように思いますが・・・。
彼はウクライナのロシア系住民を弾圧していた、ポロシェンコ政権を破って大統領に当選しました。これはウクライナの内戦を嫌がった、国民の支持があったからです。
ゼレンスキーは大統領になる前や、直後は、ウクライナのロシア系住民が弾圧されないように、という趣旨のことを語っていたようです(だから大統領になれた)。その後、ロシア系住民に弾圧を加えていたアゾフ大隊を、説得しようとする動画が残っています。
以下がアゾフに対して説得を試みる動画ですが、結局相手に半笑いで相手にされています。ポロシェンコの名前が出ていますが、彼はゼレンスキー以前の大統領で、ウクライナの内戦を始めた張本人です。
↓、ペトロ・ポロシェンコ。マイダン革命で生まれた、欧米の傀儡大統領といわれます。「彼ら」とはウクライナのロシア系住民を指します。
↓、以前もリンクした動画です。興味のある方は以下の動画もご覧ください。
DONBASS 2016 ドンバス ドキュメンタリー アン=ロール・ボネル Anne-Laure Bonnel【 日本語字幕】 (rumble.com)
つまり、まずマイダン革命があったことが、今回の戦争の原因の第1段階です。ウクライナの地政学的な位置付けを考えれば、ウクライナは親ロシア的な位置付けの方が理屈としても良かったと思います(マイダン革命以前はヤヌコビッチ大統領で、親ロシア派だった)。その後、ゼレンスキーがしっかり政治力を発揮して、ウクライナの極右勢力を止めていれば、戦争にならなかったはずです(ゼレンスキーは取り込まれ、以前よりも弾圧が激しくなったといわれている)。また米国で、D・トランプが大統領選で敗れたことも原因の大きな要素かと思います。
今後ロシアとウクライナがどうなるかは分かりませんね。もしかしたらロシア軍はゼレンスキーを捕らえにウクライナ西側に出てくるかもしれませんし、持久戦になるのなら、ウクライナへのさらなるインフラへの攻撃や、ロシアからの西ヨーロッパへのエネルギー供給も滞るかもしれません。












