シャレード |  ヒマジンノ国

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映画を観た感想を書きます。

 

 

「シャレード」(1963、米)。

 

ケーリー・グラントとオードリー・ヘップバーンの出演する映画です。ラブロマンスとサスペンスを主体にした映画ですが、コメディタッチで、演出も洒落ていました。特にヘップバーンが、有名ファッションメーカーのジバンシイの衣装を着て、人形のような出で立ちで駆け回るのが魅力的な映画でした。

 

 

一見血なまぐさい殺人事件が起きるな、と思って観ていても、かなりコミカルな感じで話を進めるので観ていても怖くありません。エンターテインメントに徹している映画だと思います。

 

楽しい映画でした。

 

 

富豪の妻、オードリー演じるレジーナが離婚を決意し、パリの自宅へ戻ってみると、自宅は家具が一切なくなっており、もぬけの殻。しかも夫は電車から何者かに突き落とされて、彼女の知らないうちに死亡しており、レジーナも驚く外ありません。そこへ援助を申し出る、ケーリー・グラント演じるピーター。

 

2人は事件の真相を確かめるべく行動を開始します。

 

舞台はパリです。積極的にピーターにせまるレジーナ、遊覧船の幻想的な雰囲気、怪しい3人組・・・など面白いところが沢山ありました。込み入った内容ですけど、楽しいかなと思います。しかし、これぐらいの内容だと、犯人は途中で分かってしまいますがね・・・。

 

当時としては相当洒落ていた映画だったのかなという感じです。

 

 

↑、この川でジーン・ケリーが踊ったのよね、みたいなセリフがオードリーにあるんですが、監督は「巴里のアメリカ人」と同じ、スタンリー・ドーネンです。

 

 

「恐怖の報酬」(1953、仏)。

 

これはお洒落な「シャレード」と打って変わって、ガテン系の映画です。

 

南米ベネズエラで仕事もなくぶらつく、貧しい移民たち。そんな彼らに高額の報酬が出る仕事が舞い込みます。油田で起きた火事を消すために、ニトログリセリンが必要だというのです。しかし油田は500キロ先にあり、そこに行くまでは悪路しかありません。しかもニトログリセリンはわずかな振動で大爆発を起こすという危ない物質。

 

高額の報酬が出るので多くの人がその仕事にありつきたいのですが、仕事を受けられるのはたった4人だけです。

 

そして、選ばれたその4人で、大型トラック2台分のニトロを無事に油田に届けるのが、そのミッションです。

 

 

初め、ベネズエラの場末の街のシーンがずいぶん長く続くのですが、それぞれ人物のキャラクターが細かく描かれていて、この映画の監督は、人間の描写に拘りのあるタイプなのかと思いました。ここでの人間関係が、ニトログリセリンを運ぶ段になると、変化したりして面白いです。

 

主人公のマリオ(イヴ・モンタン)は年上のジョーと仲良くなります。はじめはジョーの方が大人で、男らしい人間かと思って観ていましたが、ニトロを運ぶことになると、ジョーはどんどん臆病になっていって、マリオと立場が逆転してしまいます。

 

挙句の果てに油田管が破裂し、油の池を通らなければならない時、ジョーが油の池の中で足を取られているのに、トラックを優先し発進させるマリオ。ジョーは油の池の中のごみを除去して、トラックの行く道を確保しようとしていたのでした。

 

しかし、急がないとトラックは沈んでしまいます。逆に急げばジョーを轢いてしまいます。

 

ですが、マリオは、どうなるか良く分かっているのに、あえてトラックを発進させ、彼を轢いてしまうのでした。怖いね(;^ω^)。

 

人間性のリアルな描写があります。皆、高額の報酬ともなると目の色を変えてしまうのでした。

 

また現代ではCGを使って表現するような場面でも、本物のトラックや爆弾を使って表現しています。撮影とはいえ1つ間違うと事故になるんじゃないか、みたいなシーンもありました。大人しい感じの映画ですが、スリルがあります。

 

 

↑、足を轢かれたジョーを、轢いた張本人であるマリオが助けます。友人ではあるわけです。非常時の人間関係の複雑さなんかが、リアルに描かれていましたね。人間て怖いな、と思わせます。

 

印象に残る映画でした。