イスラム国を壊滅させるため、アメリカが支援したイラク軍の地上部隊が本格的に投入されるかもしれないというテレビのニュースをみました。
ヨルダン人パイロットは既に殺害されており、ヨルダン政府は報復的にリシャウイ死刑囚などの死刑を実行しました。リシャウイ被告はヨルダンで夫婦で自爆テロを計り、失敗した人物で、夫は自爆テロを成功させています。60人もの犠牲者が出たとのこと。
イスラム国は非難されるべき組織です。しかし片方で今回死刑にされたリシャウイ死刑囚も、家族を空爆で殺されており、ヨルダン人でない第三者の日本人の僕から見れば、全く同情できないかといえばそうでもないところがあります。
家族が空爆で殺され、自身は自爆テロを行い失敗。同時に、生き残った彼女は夫を失ってしまう。そして10年もの拘束生活の後、死刑にあう。これは一個人の人生として見た場合、非常に悲惨な運命であり、彼女は加害者でもあり、被害者でもあるように思えます。
本来なら中東に関係した国々が「自分は正しい」という意見だけでなく、各国が「自分達の犯した過ち」を持ち寄って、反省してから行動すべきだと思うのですが、そうなっていません。結果的に「紛争」に巻き込まれた人々が、怒りや怨恨を膨らませ続ける結果になっているようです。
一種の「ダーク・サイド」のようなものを自分達で作り上げ、そこに各人が、程度の差こそあれ、参加していっているように思えます。
今後はイスラム国の持っている「恨み」が理論化され、それに同調する人々や国々が増えることを危惧します。早くもアフリカの過激派組織ボコ・ハラムはイスラム国に忠誠を誓っているとのこと。
問題なのはイスラム国の主張が「欧米中心主義」、「資本主義」に対するアンチテーゼであることにあると思います。こうした考えをメインに据えた場合、今後はさらに同調者が増えてもおかしくないかとも思えます。北朝鮮などの反欧米の国も未だあるのですから、この辺りが不安材料です。
ナチスが勃興した時、そこにはドイツ人の鬱積した恨みと共に、社会で成功できなかった人やルサンチマンが多く引き寄せられました。「資本主義」に対する反発は古来から「ユダヤ人」に対する反発と結び付けられる場合が多く、反資本主義、反ユダヤ主義共々、恨みを頼りにして、他国から兵士を募るイスラム国に、「ナチス」との接点を発見します。
______________________________
______________________________
他方で、ヨルダンの人々が、イスラム国による、日本人の殺害に同情を寄せてくれたことは、私達の生き方を肯定してくれるものだと思えました。これはむしろ「後藤さん」の行いに対するリスペクトを多く含むようにも思えますが、それでもなお、こうした人々の結び付きがなければ私達の心はもっと暗澹としていたはずです。
日本がヨルダンに多くの援助をしてきたことを、恥ずかしながら僕は今回の事件で初めて知りましたが、これは私達が日本人として、本当に誇れることだと思いましたし、やはり、こうした活動が私達を真の意味で守ることにもなるのだと思いました。
今日本国民の世論はイスラムに「軍事介入せず」という方向に傾いていると思います。少し前まで怪しい感じのあった政府もこの点にははっきりと明言しました。
今後は日本は中東と欧米の潤滑油的な存在になるべきだと思います。
・・・といっても、これはとても根が深い問題なのですが、その辺りのことを手始めとして、本当の意味での「平和への貢献」ができれば良いのではないでしょうか。どこかに平和を本当に求める国がなければ、今後世界はもっと危ない坂を転がっていくことになると思います。
