昼の家、夜の家 |  ヒマジンノ国

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オルガ・トカルチュク著、「昼の家、夜の家」。小椋彩訳、白水社。

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ポーランドの女流作家、オルガ・トカルチェクによる小説。


小説とはいえ、一本筋を通したストーリーはなく、111もの断片的な物語が、いくつかのモチーフを通して繋がり合うことで、ポーランドとチェコの国境沿いにある小さな町、ノヴァ・ルタの印象を浮かび上がらせる。


話は漠然として、淡々としている。主人公の女性を通して、時に、ノヴァ・ルタとポーランドの悲劇的な戦争時代の過去をみたり、あるいは、現代の落ち着いた暮らしの、非常に感覚的な側面を露わにさせもする・・・。


各断片は物語仕立てのときもあるが、多くはとても詩的だ。


分断された各物語は、キノコ、オオカミ、聖人・・・また、過去と現実・・・その他色々のモチーフが散りばめられ、緩やかで、落ち着いた関連性を持っている。


逆にいえば、各々の物語は決して一定の場所、時間、そして現象にとどまる、ということでなく常に変化し、とりとめがない。この小説が面白いか、と問われれば、面白いとか、楽しいとか・・・そういう類の小説でもない、と僕は答えるだろう。


個人的には現実世界での、主人公が住む世界の話が一番しっくりくる。そこから、少しぐらいはポーランドの実際の情景が浮かぶような気になるから・・・。


「わたしたちは一日中、板張りのテラスに出てすわっていた。太陽がリンゴの木から顔を出すやいなや、ほとんど裸も同然に服を脱ぎ、生白い身体を空にさらす。肌にクリームを塗り、運んできた肘掛椅子に足を伸ばす。わたしたちの顔は太陽を追っていく。お昼ころ、コーヒーを飲みにしばらく家に入るが、それからふたたび、陽だまりにわたしたちは横たわる。」


こうした文章を読んで、いくらかはポーランドの空気を吸ったような気になり、悪くはないと思った。


特に人に薦めたいとは思わない小説だったが、内容から、のんびりとした時間と空気が味わえた時が魅力的に思えた。

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<近況>




ラナ・デル・レイの「ULTRAVIORENCE」。


最近クラシック以外の音楽のアルバムで、しっくりくるものがりません。正直、ハズレばかり・・・。写真までのせましたが、このラナ・デル・レイのアルバムもそんなに好きじゃないです・・・。


BANKSのアルバムが出たのでタワー・レコードで視聴したんですけど、以前聴いたみたいには感動できませんでした。


ただその時、以前買ったこのラナ・デル・レイのアルバムを思い出したので、久々聴いてみました。


しかしまあ・・・何たる気だるさ・・・。


寝る前に聴いたら良いのかも・・・と思います。よく眠れるのかも・・・。


美人ですけどね。



と・・・いうことで・・・仕事のために今日は早く寝ます。