新しく、ハリウッドのリメイクされたゴジラを、映画館で観てきました。
感想を書いておこうと思います。ただネタばれなどありますので、初めに断わっておきます。これから観たい人などは読まないでください。
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僕はいい大人なんですが、怪獣映画は好きです。
怪獣映画が子供っぽい、てのはよく分かってますけど・・・。でも「ゴジラ」とえば今や世界的な名作タイトルで、ハリウッドでも認められてますよね。
この大怪獣映画は、科学的な根拠も大してなく、やりたいことをどんどん描いてしまう、日本的な作品・・・ジャパン・クールなどといわれる文化のはしりでしょうか。
私見では、科学的な根拠の薄い日本的な作品が、アメリカに行くと合理的な、理屈っぽい科学的な作品になる場合があり、それがうまくいくと名作が生まれることがあります。
ゴジラに似た映画では最近だと、元々日本のタイトルではなかったものの、「パシフィック・リム」なんかも日本の影響が濃い映画でした。「トランスフォーマー」などもそうでしょう。
そして今回は「ゴジラ」です。前回のリメイクは失敗でしたが、今回はどうでしょうか。
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個人的体験では、日本版のゴジラは2作品ほど劇場で観たことがあります。始めは子供の時、母親に連れて行ってもらいました。作品名をはっきり覚えていないんですが、おそらく「モスラ対ゴジラ」だったような気がします。
もう1作は1984年公開の「ゴジラ」で、あんまり面白くなかったことを覚えています。後は1998年の初代ハリウッド版リメイクの「ゴジラ」も気になって劇場まで足を運びました。これはかなりがっかりさせられて、もう「ゴジラ」はいいかな・・・と思わされた映画でした。
僕の中でのゴジラ像は1960年代の作品から1975年の「メカゴジラの逆襲」ぐらいの作品の中での存在までです。このころの作品はまだ子供っぽいお気楽さと、日本風の道徳観のある、まさに日本の子供向けの楽しい作品でした。キングギドラ、アンギラス、ラドン、ガイガンなどの多彩な怪獣などの存在も楽しく、当時の子供にとっては彼らはヒーローでした。
1998年公開のローランド・エメリッヒ監督の「GODZILLA」はスピルバーグ監督の「ジュラシック・パーク」の成功もあって、ほとんどT・レックスと化した、いかにも「爬虫類・・・あるいは恐竜的・・・」となったゴジラとなり、完全に二番煎じで、退屈でした。実際、スピルバーグ監督の「ジュラシック・パーク」に出てくるT・レックスの迫力は最高に素晴らしく、大きさが桁違いのはずのゴジラなのに、迫力が全く違いました。監督の実力の差でしょうか?
子供の時、よく「恐竜図鑑」を見ていました。昔の恐竜図鑑で描かれている「恐竜」は尻尾が地面に垂れていて、それを引きずって歩いていました。ところが、現代、研究が進み、恐竜は尻尾を引きずって歩かないことになっています。そのため、ローランド・エメリッヒはそのことを考慮に入れて、ゴジラを尻尾を引きずらない形で描いたようです。尻尾を引きずらない分、足も速いゴジラでした。
しかし、初めて「ゴジラ」が作られた1950年代はまだ恐竜は尻尾を引きずって歩いており、「ゴジラ」もそうやって描かれていたのです。そして僕の見ていた、子供向けで当時の「恐竜図鑑」によれば、おまけで、「ゴジラ」の名前は「クジラ」と「ゴリラ」の名前を合成させたのだという、小さなコラムもついていました。大昔の話ですが・・・。
さてさて・・・また前置きが長くなりましたね。
今日観てきた、今回の新しいゴジラについて話しましょう。
出来栄えは「まあまあ」だと思います。原点回帰を果たし、原子爆弾に対する批判から生まれたゴジラ・・・なんて感じ・・・でもなかったんですが・・・それなりに雰囲気は出ていました。
今回ゴジラは尻尾を引きずる「直立型」に直されていました。ただストーリーは定型程度で、人間ドラマも説得力は弱く、あくまで映像を楽しむ映画でしょう。人間同士のドラマに割く時間が長い割にいいたいことがあまり伝わってこなく、鑑賞後、「何か物足りない」という印象を残します。
ハリウッド版にする、ということなら「子供向け」ということを離れて「大人向け」になる、ということでもあるようですから、もっとストーリーも凝ったものだったら良い作品になったと思います。日本映画風のテイストを残しながら、シリアスな作品にしようという意図があるだけに残念です。
ただ、映像はすごかったですけど。
ゴジラなどの怪獣達はまるで巨大な自然災害のような描き方をされていました。この辺りは好感が持てます。
彼らはアメリカのサン・フランシスコに現れて散々暴れます。薄暗い画面、人知を超えた巨大な生物の描写はまるで、この世の終わりを見ているような印象を生んでいました。
この地球には、人間の力ではどうしようもない力が存在していて、その力が人類を翻弄します。瓦礫の山と化した都市の中で必死に生きようとする人間達。しかし、巨大な存在がすべてのものを飲み込み、その力以外、何物も寄せ付けません。巨大な力が支配する静寂な世界・・・。
そこにピアノの音が一発、カーン!と鳴ると、その静寂は凶悪な暗闇の世界であることを思い起こさせるのです。この辺り、ストーリーはともかく、非常に現代的でシリアスな映像効果を生んでいました。最高に「クール」です。
評価はどうでしょうか・・・?怪獣映画が好きなら、10点満点で、7から7・5ぐらいですか?しかし、日本版ゴジラに特にこだわりがある、とか、ストーリーのない映画は嫌い、なんて人は面白くないでしょう。
物語はともかく、映像的に良い部分がたくさんあったので今後に期待します。続編があってもおかしくないような作品かと思います。
